買い物バトル


12月に入って何だか色々忙しくなってきました。
師走とはよく言ったもんです。
あー、癒されたい…

「新八…」

「あっ、高杉先輩!しゃす!!」

高杉先輩がにこにこ笑いながら声をかけてくれる。
あー、癒されるなぁ…
“鬼の高杉”にならなきゃこんな穏やかな人居ないよねっ!!

「今度の日曜…買い物に…付き合って…?」

先輩が小首をかしげて僕に訊いてくる。
今度の日曜って…明日か。

「はい、良いですよ?」

先輩と買い物なんて初めてだ!1日ゆっくり癒されるぞ〜!
僕らがえへへ、と笑ってると、僕の後ろから声がかかる。

「おい、新八ィ…明日は俺と買い物って言ってただろうが…」

「あっ!しまった、忘れてた…」

やっべ、そう言えば総悟君と約束してたっけ…
むぅ、と膨れた総悟君が僕の肩に顎を乗せて、酷いでさぁとか言ってる…
どうしよう…でもっ…癒されたいよー!!

「…じゃぁ、3人で買い物…」

「えっ!?良いんですかっ!?」

高杉先輩がコクリと頷く。
良かった〜!これで癒されつつ総悟君との約束も守れる!!

「総悟君、そうしよ?ね?」

まだ僕の肩に乗ってる総悟君を振り返って、お願いしてみる。
癒されたい〜!癒されたいんだよ、僕はっ!!

「…新八が良いんなら、俺は良いでさぁ…」

何故か顔を赤くして、しぶしぶ、って感じで言ってくれる。
買い物なんて、人数多い方がはかどるよね!!
えへへー!楽しみ!!



次の日…
僕が待ち合わせ場所に、待ち合わせ5分前に着くと、2人はもう来てて、なんだか睨みあってるような…気のせいかな…?

「ごめんなさいっ!待たせちゃいました?」

「全然待って…」

「待ちやした。」

笑顔で待ってない、って言おうとしてくれた高杉先輩を遮って、総悟君がムッとした顔のまま言う。

「待ち合わせ30分前には来るもんでさぁ!」

「早いよそれ!初デートのカップルかよっ!!」

僕がそう突っ込むと、総悟君がニヤリと笑う。

「そんな事ねぇだろ?ボーイズンドリームな漫画のヒロインじゃあるまいし。大人の常識でさぁ。」

「あー、すみませんねっ!そういう夢と希望が詰まった漫画読んでてっ!」

僕らがギャーギャーといつものようにケンカしてると、高杉先輩がポカン、としてる。
あぁぁぁぁっ!しまったっ!先輩おいてきぼりだよっ!!総悟君はなんか勝ち誇ったみたいな顔してるし…ムカつくなぁ!

「あっ!すみません先輩っ!ところで、今日は何を買うんですか?」

僕が慌ててフォローすると、総悟君がチッ、と舌打ちする。もぅ!

「妹の…クリスマスプレゼント…可愛いヤツ…」

「妹さんいらっしゃるんですか?可愛いって…キャラクターグッズとかですか?」

女の子の好きそうな可愛いものか…

「店…ひとりじゃ…入りずらい…」

「確かに…」

「俺も姉上のクリスマスプレゼントでさぁ。」

「じゃぁ…とりあえず雑貨屋さん行ってみます?」

そういうトコってやっぱ入りずらいよね、男の僕らは…
丁度いいや。僕も姉上と神楽ちゃんとそよちゃんのプレゼント買おっと。

3人で、高杉先輩が行こうと思ってたっていうお店に来たけど…
スゲー…
ぴんくとしろのかんわいらしい波が、押し寄せてくるよ…1人じゃ…絶対来たくないよ、ココ…
なんとか勇気を振り絞ってその店に入って、アレでも無い、コレでも無いってうろうろしてると、でっかいクマのぬいぐるみに目がとまる。
うはぁ…高そう…

「なんでぃ新八ィ、コレ欲しいのかィ?」

総悟君がニヤリと笑う。
まーたからかおうとしてるっ!!

「んな訳無いじゃん。高そうだなー、と思って…って、やっぱ高っ!クマ、3万円もするよっ!?」

「…高ぇ…」

総悟君が真面目な顔でクマをじっと見てる。
…欲しいのかなぁ…?
僕らがクマの値段に青ざめてると、高杉先輩が変な物体を持ってやってきた。

「コレ…可愛い…」

…それは…多分ポーチなんだと思うけど、何か変なうねうねした物体が付いていた。
…何のキャラクターだ?コレ…

「イエ、先輩、コレはちょっと…」

「…何か変な菌みたいでさぁ…」

「…えー…可愛い…のに…」

先輩がじっとその変な菌の付いたポーチを見てる。
イヤイヤイヤ、無い!無いから!!
僕はそれをひったくって、棚に戻す。いっぱい並んでると、気持ち悪いよ…

「それよりもこっちの方が良くないですか!?」

出来るだけ先輩の気を逸らそうと、菌ポーチからいちばん遠くにあった犬のキャラクターが付いたポーチまで先輩を引っ張っていく。
総悟君も慌てて僕の手から先輩の手をひったくって走る。
イヤイヤ、そんなに慌てたらさりげなくないって!気を逸らせないって!!

「コレ…可愛いのか…?」

先輩が不思議そうに見るんで、総悟君と2人でコクコクと頷く。
暫くじーっと犬を見てたけど、又菌ポーチに目線を戻す…
あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
僕が慌てて犬の隣にあった、クマのポーチを掴むと、総悟君も慌ててウサギのポーチを掴む。

「せっ…先輩!うさぎさんも可愛いですぜっ!」

「くっ…くまさんも可愛いですよ?僕、クマさん好きだなー!!」

何故か2人がぴくりと動く。

「新八…クマ…好き…?」

「はいっ!すっごく好きです!!」

本当は別に好きじゃないけど、そう言っとこう…

「なんでぃ新八ィ。やっぱりさっきのクマ、欲しかったんじゃねぇですかぃ。」

「や、アレは要らない。」

僕が真顔で否定したのに、総悟君は何か考え込んで聞いてないし…
又何かやらかす気かなぁ…コノ人…

「じゃぁ…3つ買う…」

先輩がウサギとクマと犬のポーチを手に取る。
確かに勧めたのは僕らだけど、何で3つ…?

「妹の分と…兄様の分…」

「あ…そうなんですか…?お兄さん…?」

…良いのかな…?お兄さん…まぁ…まぁ、好みなんて人それぞれなんだし!
気を取り直して、僕も神楽ちゃんとそよちゃんに色違いでお揃いの髪飾りを、姉上には可愛いおサルのポーチを買った。
総悟君もミツバさんに何か決めたみたい。店員さんに何か話してたし。

何とか買い物が終わってピンクと白の洪水から逃れる。
はぁ…やっと落ち着いた…

「新八…沖田…有難う…助かった…」

高杉先輩がにっこり笑ってお礼を言ってくれる。

「そっ…そんな!僕も姉上にプレゼントが買えて助かりました!有難うございます!!」

僕がぺこり、と頭を下げると、総悟君も一緒に頭を下げた。
それに、楽しかったし…先輩のボケで癒されたし!

その後は皆でご飯を食べて家に帰った。
まぁ、総悟君はそのまま僕の家に遊びに来たんだけどね…


そして、クリスマスイヴに僕は後悔する事になる。

高杉先輩は、僕にクマのポーチを。
総悟君は、僕にあのクマのぬいぐるみをくれたから…

いや、だから、僕別にクマ好きじゃなくて………
余計な事、言うんじゃなかった…


END


壱萬打フリリク有難うございました!『沖vs高→新を3Zで』
…あんまりVSになってませんね…先輩があんまり争ってくれませんで…
新八視点にしたのが…水面下で争ってた…と言う事で!
すっ…少しでも気に入って頂けると嬉しいです!