日常でーと
僕が、いつものように大江戸ストアに買い出しに行くと、待ち合わせでもしたみたいにさりげなく山崎さんが現れる。
「新八君―――、カゴ貸して?俺が持つよ。」
ニコニコと爽やかに、僕が持ってたカゴをさりげなく奪って僕の隣に並ぶ。
「山崎さん…有難うございます。」
「今日の特売は何?人数制限有るヤツは俺も並ぶよ?」
山崎さんが微笑んで、小首を傾げる。
いつも助かるなぁ!
「すみませんっ!今日はトイレットペーパーなんですけど、1人2パックまでなんで!」
「了解!じゃ、トイレットペーパー買ってくるね。」
「あ、もう買う物全部カゴに入れたんで、僕も行きます!」
2人でトイレットペーパーをぶら下げて、会計を済ませて帰路につく。
僕はトイレットペーパー1個だけ持たされて、後は全部山崎さんが持ってくれた。
…僕…そんな力無くないのに…もぅ…優しいんだから、山崎さんは…
色々お話しながらの帰り道は楽しくて、すぐに万事屋に着いちゃうのがもったいなくて途中の公園に寄った。
それに、ほら、山崎さん沢山荷物持ってくれてるから、少し休まないとね!
僕がベンチに座ると、ちょっとした隙に居なくなってた山崎さんが、お茶を持って現れる。
「はい、新八君。いつもの。」
「山崎さん!…いつもすみません…でも、たまには僕にも奢らせて下さいよ!」
僕が恐縮すると、山崎さんが優しい顔で笑う。
「いーのいーの、これぐらいお兄さんにお任せあれ。…やっすいゴチソウだけどね…」
ははは…と又笑って頭をかく。
…そんな仕草は可愛いなぁ、って思うのは惚れた弱みなのかなぁ…
「有難うございます…」
公園のベンチに座って、ペットボトルのお茶を飲みながらお話してるだけでも、僕にとってはすっごく嬉しいでっ…でーと…なんだ…
そう思って良いんだよね?山崎さん…?
「でもやっぱり、山崎さんと買い物するのが1番楽です!この間、山崎さんが仕事で暫く居ない、って言ってた時に、土方さんと沖田さんと一緒になったんですけど…」
「えっ…?」
「あ、別々の日だったんですけどね?土方さんがご飯奢ってくれたんですよ。でも…何なんですか?あのマヨ丼…」
「…一緒に食べたんだ…」
「え?あ、はい。勿体無いんで全部。暫くマヨネーズ食べたくなくなりましたよ!」
「へぇ…」
なんだろ、山崎さん元気無いなぁ…お仕事で疲れてるのかなぁ…?
「で、沖田さんはもっと最悪でしたよ?僕のカゴに、お菓子をポンポン投げ入れてきて…まぁ、全部安いのでしたから、なんとか買えましたけど…あ、でも帰りにあんみつ奢ってくれたっけ…」
僕があははっ、と笑うと、山崎さんの雰囲気が変わった。
…何…?
「新八君、2人についてったんだ…」
「え?はい。奢ってくれるって言ったんで…あ!サボりに手を貸しちゃってまずかったですかね?沖田さんはいつもの事だから何も聞かなかったけど、土方さんは休憩時間だって言ってましたけど…」
山崎さんの目がぎりっ、と細まる。
「新八君は、奢ってもらえるなら俺以外にでもほいほいついてっちゃうんだ…俺ら付き合ってるんじゃなかったの?」
え?あれ?山崎さん怒ってる…?
「そんなっ!僕そんなつもりで行ったんじゃ…」
僕が慌てて言いつのっても、山崎さんの冷たい空気は変わらない。
「そうだよね、いつまでも『山崎さん』って呼ぶし…新八君にとって俺は、都合の良いお兄さん止まりなんだよね…」
えっ!?ちょっと…何言い出すのっ!?山崎さん…!!
「そんな事ありませんっ!僕がちゃんと好きなのは…」
「好きなのは…?」
はっ!?山崎さんの顔が笑ってる…!!
もしかして僕…騙された…?
「新八君が好きなのは誰…?」
「いじわるですね…」
「ちゃんと言ってくれないと分かんないな―――?」
もぅ、めっちゃ笑ってる…
ま、良いか。僕はこの顔に弱いんだ…
「僕がちゃんと好きなのは…さっ…退さんだけですっ!」
僕がそう叫んでそっと見上げると、山崎さんの特上の笑顔とぶつかった。
「俺も新八君が大好きです!」
そう言って、ぎゅっと抱きしめてくれる。
なっ…もう…敵わないな、山崎さんには…
2人でにっこり笑いあって、又お話をする。
こんな幸せの時間をくれるから…大好きです、山崎さん。
もっとずっと一緒に居て下さいね?
END
1萬打リク有難うございました!黒さんのリクエストで『山新』でした。
詳細設定無かったんで、好きに書きました。
あんまり甘いの書いた事無かったんで、ひたすら甘く〜!甘く〜!と念じながら書いてみました。
少しでも気に入って頂けると幸いです!
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