撃たれたっていうのに沖田さんの怪我はそんなに大したことないもので…3週間ほどで普通の生活に戻れるのだという。
…体鍛えるってのは大切な事なんだなぁ…筋肉が上手い具合に傷を塞いでいるのだそうだ…
でも、そんなすぐには腕を酷使する事は出来なくて…
その間は沖田さんの仕事はお休みで、僕らは沖田さんの自宅で休養している。
「新八ィ!腹減りやしたー」
「はいはい。サラダとパンと…目玉焼きにします?それとも卵焼き?」
「サラダは要らねェー、ソーセージ喰いたいー」
「ダメです。サラダ食べないとソーセージは付けません。お医者様が言ってましたよね?ちゃんと偏らないように栄養取れって。」
「新八の鬼嫁ー」
「煩い、ダダッ子!」
…何故か僕はSPというよりは家政婦と化している…イヤ、お母さん…?
「違ェよ、お嫁さんでさァ。」
「人の心の声聞いてんじゃねーよ!」
怒ってみてはいるものの、のんびりと楽しそうにしている沖田さんにぎゅうぎゅうと抱きつかれると、嬉しくなってしまう。
思わず顔が緩みそうになるけれど、一歩間違えたら沖田さんは今こうして僕の前で笑っている事は無かったんだ。
もう2度とあんな事が無いように、僕は細心の注意を払って…
「なんでィ、金掛けて痛ェ思いしてやっともぎ取った休みだってェのに…新八ィ!俺にもっと優しくしろィ!」
…………え…………?
今何か、聞き捨てならない台詞を聞いたような………
「…総悟さん…?今、何て言いました…?」
「…え?俺ァ何も言ってやせんけど?」
汗をだらだら垂らしながら、僕から目を背けるその顔は…
「アンタまさか…ワザと撃たれたんですか…?」
「そんな事する訳…」
「正直に言わないと別れますよ?」
勿論そんな気なんかこれっポッチも無いけれどね。
「新八くん酷いでさァ!俺ァここんトコずっと休み無しで働いてたんですぜ?一応ひと段落付けたからちっとぐれェ休んだってバチ当たんないだろィ!?それに、新八くんとずっとイチャイチャしたかったんでィ!怪我でもしねェとお前さん優しくしてくんねェじゃねェか!」
半ギレでそんな事言われたって…
イヤ確かに普通の休みなら、姉さんと出掛けたり、神楽ちゃんと遊びに行ったりするけどさ…でも…
「凄く心配したんですよ…?総悟さんが死んじゃうんじゃないかって…そうじゃなくたって、仕事出来なくなるんじゃないかって…好きでしょ…?今の仕事。」
そっと手を取って、その手を僕の手で握り込むと沖田さんが気まずそうな顔をする。
分かってくれたのかな…僕の気持ち…
「…すいやせん…心配かけやした…」
「もう2度とこんな事しないで下さいね?ちゃんと話をして下さい。」
「…判りやしたァァァっ…!?」
僕が握り込んだ手を捻り上げると悲鳴を上げて倒れ込む。
…怪我の治療期間は伸びただろうけど、僕の言った事どうせ分かって無いんだろうからちゃんと分からせないとね。
………一緒に居られる時間も伸びるだろうし………
「総悟さんがちゃんと分かってくれるように、おまじないです。」
「…新八くんごめんなさい…」
痛むであろう腕を抱えて愁傷に謝ってくるから…少しは懲りてくれたよね…?
「…ちゃんと治るまで、僕が責任もってお世話しますから。」
「…おう…」
「………治ってもずっと…」
僕がそう言うと驚いた顔で見上げてくるから、愛しさがつのってしまって、たまには良いかと僕からキスをした。
END
弐拾萬打企画でリクエスト頂きました
もっとVIPの方が良いような気もしましたが、まぁそんな所で
ワタシの中では狙撃してきたのは神威にーにです
そういう組織の人で、沖田さんに腕狙えと依頼されてます
新八の知らない所で結構悪い事してますきっと
少しでも楽しんで頂けたら幸いです…
この度はリクエスト有難う御座いました!
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