もう面倒くさいんで1人で帰ろうと入口に向かうと、マヨネーズを抱いて眠っていた土方さんがのっそりと起き上がる…怖っ!!
「大事なモンを投げるなんてヒデェなぁ、新八…悪いコは…逮捕すんぞ…?」
ふらりふらりと僕に近付いてくる姿はマユゾンみたいで物凄く怖い!!
「ちょ…土方さんしっかりして下さいィィィ!良い大人なんですからァァァ!!」
「俺は十分しっかりしてるぞ?新八の可愛らしさが悪ぃんだ…」
「訳分かりませんんん!」
じわじわと元居たソファまで追いつめられると、僕の後ろに誰かが立つ…
誰ェェェっ!?
「おい、トシ止めないか。新八君が困っているじゃないか。」
「近藤さん!」
普段はストーカーだけど、姉上が絡まないとしっかりしてるもんな!
僕が助かったと振り返ると、ソコには全裸の近藤さんが…
「え…?」
「新八君は俺の男体盛りを食べるんだもんなー?」
「違うよ、俺の男体盛りだよな?な?」
新たに刺身を身体中に乗せたおっさん達が、フルーツを押しのけてテーブルに並んで横たわってる…
何で…僕…?
「そんなモン食わねーよ!!」
僕が2人をひっくり返すと、したり顔のマヨラーが横に立つ…
「俺のマヨ…」
「飲まねーよ!!」
もう1回マヨネーズをブン投げると、又マヨラーは走ってソレを追いかけていった…
「新八が男体盛りしてくれたら、俺ァ嫌いな刺身も新八と一緒に美味しく頂きやす!」
「無理に食べなくて結構です!」
「ドSたまには良い事言うネ、ワタシも新八の男体盛り食べるネ!」
「神楽ちゃんとんでもない話に入って来ないの!女の子でしょうが!!もうオマエら黙って喧嘩してろよ!!」
沖田さんと神楽ちゃんまでおかしな話に入って来るゥゥゥ!
あ、沖田さんがおかしいのはいつもの事か。
そんな事思ってる間にも、復活した酔っ払い達が僕を囲んで近付いてくる。
あ!銀さんまで加わってるよ!!
何してんだマダオ!!
「新ちゃんは俺の嫁だからね?男体盛りなら俺が食うに決まってんでしょ。」
「死ね変態ィィィ!!!だっ…誰か助けてェェェ!!」
僕が叫ぶと同時に、僕を囲んでいた酔っ払い達が宙を舞う。
あ…助かった…?
「もう大丈夫よ、新ちゃん。」
「新八くんにおかしな事をしないでもらおうか。」
「野獣どもが…クナイのサビになりたいか?」
「ちょっと止めなさいよ、このコを苛めていいのは私だけなんだから。」
「怪我は無いかい?パチ恵。」
「汚ぇ花火だ。」
「新八ぃ、もう大丈夫アル!」
僕の前に立ちはだかってくれたのは、今迄銀さんを囲んで盛り上がっていた筈の女性陣で…
ちゃっかり神楽ちゃんも混ざってるけど、でも心強い!助かった…
うふふ、と笑いながら次々と男性陣をボロゾーキンにしていく女性陣に、僕は一生逆らえないと思ったけど…思ったけど…
何故か沖田さんだけは無傷で捕らえた女性陣の目が怖い…
「あの…有難う御座いました…えっと…何で沖田さん…」
「気にしないで?新ちゃん。」
物凄く綺麗な姉上の笑顔が怖い…
「新八くんもホストなら、僕達を楽しませてくれよ?」
九兵衛さん…目が怖いです…
「ごめんなさい銀さん。でも、コレは譲れないから。」
さっちゃんさん、クナイしまって下さい!
「さぁ新八君、綺麗に着飾ってくれよ?」
月詠さんも、クナイしまって下さい!!
「楽しませてくれるんですよね?」
何でマダムゥゥゥ!?
あんまりにも女性陣の様子がおかしくて、ずりずりと少しずつ下がっていくと大きな壁に背中が当たる。
…何…?
「パチ恵、綺麗に咲いとくれよ?」
全員の手が、僕に伸びてくる。
嫌な予感しかしないよっ!!
「ぎっ…ぎやぁぁぁっ!助けっ…」
「新八ィ!」
なんとか抜け出してきていた沖田さんが僕の手を掴んで引っ張ってくれる。
その後ろを銀さんと土方さんが支えてて、その横から近藤さんと長谷川さんも僕に手を伸ばして引っ張ってくれた。
皆…!
「あら、このボーヤも可愛い顔してるじゃなーい?」
沖田さんを見付けた西郷さんが、にんまりと笑って沖田さんの手も取る。
その瞬間、後ろに居た大人達は全員逃げた。
「「うっ…裏切り者ォォォ!!」」
◆
…そして僕らは、女性陣に綺麗に剥かれて、綺麗に飾り付けられた…
なんだろう…目から汗が止まらないや…
「SOUGOさん…」
「なんでィ、PACHI…」
「アイツらに報復する時は、僕にも声掛けて下さいね…?」
「おう、任せろィ…」
いっただっきまぁーす!
女性陣の張り切った声を聞いた後の事は、もう一生思い出したくもない僕らの黒歴史だ…
「「あっ…あぁぁぁぁんっ!!」」
END
弐拾萬打フリリクでリクエスト頂きました。
本編に挟むのはちょっと難しかったので、その後になってしまいましたが…
男性陣も女性陣も、みんなが新八を好きだと良いなぁ、と思いました。
なんでかギャグっぽくなりましたが、少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。
この度はリクエスト有難う御座いました!
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