次の日、電車を降りるといつもそこに居るハズの沖田君は居なかった。
当たり前だよね…昨日の私、最低だったもん。
分かってるけどでも凄く胸が痛くて寂しくて、ポロリと涙が零れてしまった。
私は…
「なんでィ、俺が居なくて寂しくって泣いてんのかィパチ恵?」
ほんの1日ぶりだっていうのに懐かしく感じてしまう声に慌てて振り向くと、そこには急いで来たのか息を乱して汗をかく沖田君が笑顔で立っていた。
「おきたくん…!」
又話しかけてくれた事が嬉しくて涙が流れてしまう。
こんな所で泣いたら沖田君困っちゃうよ…でも、拭いても全然止まらないよぅ…!
「泣くねィ…俺ァパチ恵に泣かれんのは何かイヤなんでィ…まぁ、泣き顔はスゲェそそるけど。」
ドSな事を言いつつも優しく頭を撫でてくれる。
そうしたらそこから暖かさが伝わって来て、安心して涙が止まってくれたよ。
凄く近くで微笑む顔も…顔………
顔が近いィィィ!!
そう思った瞬間に私の顔は燃えてるんじゃないかってぐらい熱くなって、心臓は爆発しそうな位ドキドキいって凄く苦しくて仕方ない!
こんなのやっぱり解んないよ!!
どうなっちゃったの私!?
「パチ恵顔真っ赤。俺に惚れた?」
ニヤリと笑う顔はドS丸出しだけど………
沖田君になら…イジワルされても良いかな…なんて…
コレって…
「恋…しちゃったかも…」
真っ赤な顔のままえへへと笑うと、不思議と心臓は少しだけ落ち着いた。
それと一緒に心が温かくなって、幸せな気分になってしまったよ…
そっか…コレは恋だったんだ…
解ってしまったらドキドキが心地良いし、キラキラな沖田君を見つめると恥ずかしくてでも嬉しくて心がほわっとする。
恋って凄い!世界全部が違って見えるよ!!
沖田君もこんな気持ちだったのかな?
これからは、2人でこんな世界が見れるのかな?
それなのに今度は沖田君がポカンと驚いた顔をして、手で口を塞いで横を向いてしまった。
え…?どうして…?
本当はイジワルで、私の事好きな訳じゃなかった………あ、耳赤い………
「…あんまり可愛い顔してっとココで喰っちまうぜィ…?あー…早く後ろ乗りなせェ!遅刻しちまわァ。」
「…沖田君…照れ隠し…?」
耳を赤くした沖田君がすごく可愛く見えてしまって、つい私の方がイジワル言ってしまうと、自転車に跨ったままの沖田君が私の手を掴んで後ろに座らせる。
そして掴んだ手はそのままに前に引っ張られると、私の頭が沖田君の背中にぶつかって、掴まれていた手は沖田君の腰に回された。
ちっ…近いィィィ!!
「沖田く…!」
「彼女になったんだからこーやってちゃんと掴まりなせェ。」
「かっ…彼女…なの…?」
「おう、今からパチ恵は俺の彼女でィ。」
そう言って振り向いた笑顔が幸せそうで、私も一緒に幸せな気持ちになってしまった。
やっぱり好きだな…沖田君の事…
「じゃぁ、これからよろしくお願いします、彼氏君。」
「ずっとしっかり掴まっとけよ、彼女ちゃん。」
ちょっとだけ時間がかかったけど、そうして私達のいつもの日常は形を変えて始まったのでした。
ちなみに私達がお付き合いを始めた事は、学校に着いた瞬間にいつもの3人のケンカでそこいらじゅうに知れ渡り、放課後までには全校に広がっていました…
END
25萬打フリリク企画で匿名様にリクエスト頂きました『沖パチで沖田とは良い友達だったのに、沖田から告白されてから急に意識しはじめて恋心に変わっていくパチ恵ちゃん。』でした。
初めはぬしに届け〜!と言っておりましたが、よーく考えるとちょっと違うかなぁ…?と思い至りました。
ウチのパチ恵ちゃん…ドリームかケータイ小説な感じかなぁ…と…一人称アタシは言いませんけどね。
なので、そんな感じで書きなおしてみました。
ぬしに届けも下書きは書いたのでいつかは日の目見せようかと思っとります。
少しでも楽しんで頂けましたら幸いです。
そして、たいっっっっっっっへんお待たせしてしまい申し訳ありませんでした!
この度はリクエスト有難う御座いました!!
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