沖田さんが顎で示す先には、山崎さんと伊東さんが居た。
珍しい組み合わせ…

「こんにちわ、お仕事ご苦労様です!!」

あ、今度はキャラ違うんだ…
僕が様子見でそっと沖田さんに付いて行くと、なんだか賢そうな笑顔…

「何ですか?君達は?」

「真選組の方ですよね?いつも江戸の平和を守ってくださって有難う御座います。」

にっこり、と沖田さんが笑う。
伊東さんが満更でもない顔で眼鏡を上げる。
山崎さんは…あれ?引っ掛かってなさそうだ…用心深げに沖田さんを見てる。
どうしよう…僕が何とかしなくちゃ…

「あっ…あのっ…もしかしていつも河原でバトミントンやってる方ですか…?」

「えっ?僕の事知ってるの?」

山崎さんが嬉しそうな顔で僕の話に食い付いてくる。よし…

「あ、やっぱりそうなんですか?いつも犬の散歩の時に見かけて…上手だな、って思ってたんです…」

ちょっと頬染めてみたりする。

「あ、そうなの?いやぁ、まいったなぁ…」

山崎さんがポリポリと頭をかく。すんげ、得意気だ…

「どうしたらそんなに上手に出来るのかな、って思ってたんです…」

「あ、俺教えてあげようか?とりあえず、ココ入ろうか。何か甘いものでも御馳走するよ!伊東さん、良いですよね?」

山崎さんが伊東さんの方を見ると、沖田さんと何か難しい話をしていた。
わぁ、沖田さん凄い…

「あぁ、ちょうどこの御夫人と議論が盛り上がっていた所です。立ち話も何ですから一緒に入りませんか?」

「でも…悪いです…」

沖田さんが遠慮がちに伊東さんを見上げる。

「いや、僕もこんなに議論を交わせる女性に出会ったのは初めてです。是非もう少し僕に付き合って下さい。」

「では、遠慮なく…」

甘味屋さんに入って沖田さんは何だか難しい事を伊東さんと話してる…
僕は、山崎さんのミントン話を延々と聞かされた…まぁ、全然聞いてなかったけど。
うん、ココの特製クリームあんみつは美味しいなぁ♪
僕がクリームあんみつを食べ終わった頃、沖田さんは伊東さんを看破していた。

「いや、有意義な一時だった。又僕と議論を交わして頂けますか?」

「はい、喜んで。」

沖田さんが笑顔で伊東さんとメアドの交換をしていた。
ソレを見て、山崎さんがナプキンに何か書いて僕に渡してくる。

「今度は実戦でミントン教えてあげるよ。はい、俺のメアド。」

「あ…ごめんなさい、私携帯持ってなくて…」

「この娘の連絡先、私で大丈夫ですから私がもらっておきますね?」

沖田さんがするりと山崎さんの連絡先をさらって、メアドの入った紙を渡す。

「あ、はい!いつも一緒ですから!!」

僕が笑うと山崎さんも笑う。

「仲良しなんだねー」

「「はい。」」

二人にお礼を言って別れると、沖田さんは凄くご機嫌になった。

「沖田さん凄いですね!僕二人が何言ってるか全然分からなかったです!!」

「あー?あんなの適当適当。伊東先生は半分以上新八のおっぱい見てたから適当に丸めこんでやれやしたぜ?」

「えっ!?伊東さんが!?ウソっ、だって真面目そうなのに…」

「ムッツリなんでさァ。山崎なんか凝視してたじゃねぇか。」

「えぇぇっ!?…まぁ…少しは視線感じましたけど…」

「今日は良い日でさぁ。ホレ、こんなに収穫が!」

沖田さんが携帯を開いて見せてくれる。
銀さんのでれっと鼻の下を伸ばした顔や、土方さんのちらちら顔。それに、二人が僕のおっぱいを掴んでる所や、伊東さんがでれっとしてる顔、山崎さんが僕のおっぱいを凝視してる所なんかの写真がいっぱいだ…いつの間に撮ったんだ…?

「…沖田さん、コレ…」

「お宝でさぁ。これでアイツらをからかうネタが増えたってもんよ。」

沖田さんがわっるい顔でニヤリと笑う。
はぁ…皆可哀想に…

「じゃ、帰りやすか。姐さんの土産が悪くなっちまわァ。」

沖田さんが又僕の手を引いて、恒道館への道を走る。
なんだかんだ有ったけど、結構楽しかった。
あぁ…何時になったら男に戻れるんだろ…でも、沖田さんが一緒なら、なんとかなる気がするよ…

家に帰って姉上にお寿司を渡す時、沖田さんってば僕が姉上用に買わせた、って言ってくれた。
姉上は喜んで僕の頭を撫でてくれたけど、沖田さんの頭も撫でた。
…姉上…分かってるんだよね、きっと…
それから、折角だから、って二人で女の子の格好で写真を撮った。
携帯で撮るからって、ぎゅーってくっついてピースしてると、何か良い匂いする…

僕、女の子のまんまでも…沖田さんだったら大丈夫かな…とか思ってしまった…

「あのね、沖田さん…僕………って戻ってるゥゥゥゥゥゥ!!」

ぎゅう、と抱きつくと、ゴリッとした感覚。
ばしばしと胸を叩いても、おっぱいは無くなってた。
慌てて下も見ると、有るゥゥゥゥゥ!有るよ僕のビッグマグナムゥゥゥゥゥゥゥ!!!

「やった!戻った!!あぁー!重かった!肩こった!!」

早速着替えようと自室へ向かおうとすると、沖田さんがぐい、と僕の手を引く。

「新八ィ、僕、何なんでィ?」

ニヤァリと笑う顔に、さっきまでの沖田さんが重なる。
うおっ…ヤベ…僕とんでもない事言うトコだった!!何か言い訳、何か言い訳っ!!

「トイレ行きたかったんですよっ!ヤベー、洩れるー!!」

僕がバタバタとトイレに向かって走ると、へぇ〜、って声が聞こえる。
誤魔化せたかなぁ…?

「ま、良いか。色っぺぇ新八の表情、撮れたしねぇ…」

僕がトイレから帰ってくると、ニヤニヤ笑いの沖田さんが、最後に撮った、って写真を見せてくれた。
…これ、誤魔化せないよな…どうしよう…

その後、銀さんたちと一緒に僕も沖田さんの下僕になったのは、言うまでも無い…



END


にゃん子さま!参萬打企画にリク頂き有難う御座いました!
リクを見た瞬間に大体浮かんだんですが、いかんせん文章にすると何か違ってきました…
少しでも楽しんで頂けたらこれ幸いです。