あ―っ!総悟君!優等生の時の総悟君だ!!
僕が振り返って総悟君を指さすと、ムッとした顔が返ってくる。
「後でねィ」
とか言うけど…あの優等生顔、伊東さんのマネだったんだ…
って、はっ!?伊東さんっ!!
「やっ…僕別に男の人が好きな訳じゃないですからっ!」
僕が叫ぶと、横から引っ張られて何かに当たる。
何…?横を向くと、九兵衛さんが僕の腕を引っ張って引き寄せていた。
あ、助けてくれたのかな…?
「じゃぁ僕はどうだい?新八君?」
「はぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「僕なら女の子だし、文句は有るまい?僕のおっ…お嫁さんになってくれ!!」
「いや、ちょっ…何…?九兵衛さん…?」
僕が真っ赤になって固まっていると、総悟君が九兵衛さんを押しのけて僕を引いた…と思ったら飛んだ…
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
なっ…何がっ!?何がっ!?
「若は可愛い女の子なら触られても平気なんですが、ムサい男に触られると虫唾が走って投げ飛ばしてしまうのです。」
あ…東城さん…
「人聞きの悪い事を言うな!」
「だって本当の事でしょうがぁぁぁぁぁ!」
九兵衛さんがムッとして、東城さんを足蹴にしてる…
「新八君、僕の事も忘れないで欲しいな。」
伊東さんが反対側から現れる。
こんなドタバタしてるのに、冷静だ…すごいっ!
「僕も新八君をお嫁さんにしたいね。どうだい?僕は将来有望だよ?」
ぐいっと肩を抱かれて、伊東さんが近付いてくる。
やっ…ちょっと…
ぐいっ、と体をねじって逃れようとすると、今度は正面に引かれる。
ぽすり、と当たったその場所は、大好きな匂い…総悟君っ!
「アンタら何寝言言ってんでぃ!新八には俺が居るんですぜ?おとといきやがれ!!」
総悟君が2人を睨んで僕をぎゅっと抱きしめる。
僕だって総悟君以外と付き合う気ないもんっ!ぎゅっと抱き付いて2人を見る。
九兵衛さんが、うっ、と言って一歩下がるけど、伊東さんはにっこりと笑う。
「沖田君、君じゃぁ新八君を苛め倒してお終いだろう?僕は好きな子をそんな目に逢わせたくないんだ。だから…」
そう言って手を差し出す…
「ぼっ…僕、総悟君に苛められてなんかいませんっ!総悟君はすっごく優しい人です!」
僕が言うと、伊東さんが驚いたように目を見開く。
「へぇ、変わるものだね…」
にこりと笑って僕らに手を差し伸べると、その手が叩き落とされる。
「僕だって新八君が、すっ…好きだっ!大晦日に出逢った時間違えたのは、本当は新八君が僕の運命の相手だったからなんだ!!」
九兵衛さんが、顔を真っ赤にして叫ぶ。
「えぇ―っ!?だって九兵衛さん、姉上…」
「新八君とやら!貴方、若が初めて興味を持った男性なんですよ!?もしかしたら若が男性に興味を持つなんて、これが最後かもしれません!!ささっ、この婚姻届にサインを…」
「何とんでもない事さらっと言ってんだアンタっ!僕は…」
「シンザンモノのくせにナマイキネ!そういう事ならワタシもアキラメないヨ!新八はワタシがイタダクネ!」
僕が東城さんに怒鳴ろうとしてると、九兵衛さんに掴まれてる反対側に神楽ちゃんが張り付いてくる。
「いやいやいや、神楽ちゃん納得してくれたんじゃ…」
「そんな事言うなら僕だって!1回や2回振られたってまだ好きだからね!」
「やっ…山崎君…!?応援してくれるんじゃ…」
じゃぁ俺も!僕も!って、さっき走り去った男子達が立ち上がってこっちに駆け寄ってくる。
一体何が…
いくらクラスの皆が悪ノリが好きだからって、そんな皆ででノラなくても…
あぁ、じゃぁ私も!!って女子まで…
僕、かなりおもちゃにされてるよ…
総悟君と神楽ちゃんと九兵衛さんに引っ張られてグラグラ揺れてる状態は、1時間目の服部先生が来るまで続いた。
このネタ…暫く皆、面白がってやり続けるんだろうな…
僕には総悟君が居るのに!
新しい何かが始まるといいな!って思ったけど…こんな大騒ぎ、いらないよ…
誰か何とかして………
続く
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