春のストーカー
僕の姉上にはストーカーが居る。
同じクラスの近藤君だ。
そんな言い方失礼だ、とか言わないで欲しい。
だって、気付いたら姉上の側に居るんだよ?
姉上はまだ気付いてないみたいだけど、たまに天井裏とか軒下に潜んでる事も有るんだ…
ちょっと怖すぎるよね!!
流石にそれは僕と総悟君で止めたんだけど…
姉上にバレたら、折角向いてきている姉上の気持ちがどこか遠くに行ってしまって、戻ってこなくなっちゃうよ…
「近藤君、さっさと姉上に告白してもうこんな事やめてよ!」
僕は姉上の気持ちも知ってるから、さっさと付き合っちゃって欲しいよ…
このままずっとうろうろされても、色々不都合だし!
「でもなぁ新八君…俺は妙さんに好かれて居ないから…」
「でもなぁじゃねぇですぜ、近藤さん。そろそろ姐さんも限界だろィ。最近ちっとヤベェ感じになってやすぜ?」
総悟君が呟く。
何が…?
「えっ?姉上がどうかしたの!?」
「なぁ、新八ィ。今姐さんは何処にいやす?」
「え?部屋じゃ…」
「いや、妙さんは部屋にも何処にも居なかったぞ?」
近藤君…全部チェック済みなんだ…
ソレを聞いて、総悟君がはぁ、と溜息をつく。
「手遅れか…」
「なっ…何が!?」
慌てる僕を制して、総悟君が近藤君に向き直る。
「近藤さん、早く家に帰ってやりなせぇ…んで、ちゃんと気配探ってやりなせぇ。」
「「は?」」
不思議そうな近藤君を玄関の方に押しやって、総悟君が又溜息をつく。
え?何?やだなぁ…総悟君…
「総悟君、今の言い方じゃあ、まるで…」
「先週かねぇ…姐さんが猿飛と話してるのを聞いちまってねェ…天井裏の忍び方とか聞いてやしたぜ…?」
「姉上ェェェェェェェェェェェ!?」
飛び出そうとした僕を制して近藤君が走る。
その日の晩に、姉上は近藤君に送られて帰ってきた。
…2人とも、すっごく幸せそうに笑ってたから、そう言う事なんだろう…
END
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