彼はスーパーアルバイター



同じクラスの長谷川君は、いつもアルバイト情報誌を見ている。
アレだけ見てて、まだ決まんないなんて…さすがマダオって言われてるだけはあるよ…
一説では、単位の計算をキッチリして、ギリギリまで掛け持ちでバイトやってる…とも言われてるけど、どうなんだろ?
放課後になると、長谷川君はいつも駆け出していくんだ…やっぱり掛け持ちでバイト、やってるのかなぁ…?

僕はと言えば、今日は部活が休みなんで総悟君とお出かけする予定なんです。
所謂でーと…?えへへっ!
そんな日でも、タイムセールには行く訳で…

「失礼しまーす!」

あ、セール品が来た…って…

「長谷川君…?」

「あれ、新八君。買い物かい?」

「うん、タイムセールで…」

「あ、じゃぁはい、コレ。」

長谷川君がタイムセールの豚肉のパックを僕に渡してくれる。

「あ…有難う…」

「どういたしまして。」

爽やかに笑っておばちゃん達の中にセール品を持っていくと…あ…もみくちゃにされた…

長谷川君の無事を祈りつつ、一旦家に帰ってセール品を冷蔵庫に入れてから着替えて出かける。
待ち合わせのゲーセンに着くと、総悟君はまだ来て無かったんでUFOキャッチャーを見て回る。
…あ、あのぬいぐるみ可愛い…僕にも取れるかな…?
ポケットから100円を出してチャレンジしてみると、あ、引っかかった…

「すみまっせーん!コレ…って長谷川君!?」

「あ、新八君。又会ったね。あぁ、引っかかっちゃった?」

長谷川君がカギを開けて、ぬいぐるみをくれる。

「長谷川君凄いね、バイトかけもち?」

「あぁ、まあね。」

にっこりと微笑む長谷川君に子供が絡む。
…頑張れ〜…

総悟君がやってきて、ゲーセンで遊んでからご飯を食べに行く。
お寿司が食べたくて、回転寿司屋に行くとカウンターには長谷川君が居た。

「は…長谷川君…!?」

「あれ?沖田君と新八君。デート?」

「そうでィ。オメェはバイトかィ?」

「まぁね。何食べる?俺握るよ。」

「長谷川君握れるの!?じゃぁ僕はマグロで!」

「じゃぁ俺はイクラの軍艦で。」

「はいよっ。」

凄いなぁ、長谷川君は何でも出来るんだなぁ!
僕等が感心してると、長谷川君が戻って来る。

「お待ち!」

笑顔の長谷川君が差し出したのは…

「…かっぱ巻き…?」

「俺ァ軍艦頼んだんだぜ!?」

総悟君が睨むと、長谷川君が頭をかきながら笑う。

「いやー、ごめんごめん。そういやぁ俺まだかっぱ巻きしか出来なかった。」

とりあえず2人でかっぱ巻きを食べて、その後は回って来るお寿司を食べた。
でも…異様にかっぱ巻きの多い日だったよ…

「長谷川君、今日はバイトこれで終わり…?」

「んー、この後はラブホでベットメイクの仕事が…」

「そっかー、頑張ってね?」

「有難う。」

長谷川君は、新八君は良い人だなぁ!とか言ってくれてるけど…
この調子で行ったら、確実に鉢合せしちゃうし…
そんな所で会ったら気まずいし…もう顔合わせらんないよ!

「って事で、家に帰ろうね?総悟君。」

「…長谷川ぁー…」

次の日、長谷川君が包帯だらけだったのは、総悟君のせいじゃないよね…?

END