ミントンのおうぢさま



1年生の時は同じ剣道部だった山崎君は、ミントン好きが高じて、今やバトミントン部に移ってしまった。
折角仲良かったのに寂しくなっちゃったよ…

でも、ミントンが好きで移っただけあって、山崎君は中々上手いみたいで。 インターハイとか出ちゃったようで。

今日は決勝戦だって言うんで、クラスの皆で応援に来ています。
僕はミントンは良く分からないけど、あんな小さな羽根を凄いスピードで打ち合ってるなんて凄いや。
ってか、ミントンやってる時はカッコ良いよね、山崎くん。

「山崎君凄いね!結構女の子の応援も多いみたいだよ?モテモテだね!」

僕が総悟君に言うと、総悟君が震える。
何だろ…?

「ぶぶぶ…さっきそこで面白い事聞きやしたぜ?」

我慢しきれなくなった総悟君がぶはっ、と吹き出す。何だよ、気になるなぁ…

「え?何…?」

「山崎の呼び名でさぁ…くくっ…そこいらの女子が話してたんだがねぇ…ぶははっ…」

「何!?すっごい気になるよっ!」

僕が総悟君のシャツを掴んで揺さぶると、ぽんぽんと頭を撫でてくれる。

「『ミントンの王子様』なんだそうですぜ?山崎。」

ぶはっ…

僕等の周りにいた皆が、一斉に吹き出す。
悪いけど…僕も吹いてしまった…

あははははははは…

「頑張れおーぢー!」

誰かが声を掛けると、続々と皆が声を掛けだす。

「おーぢ!そこだー!」

「おーぢナイスー!」

ゲラゲラ笑いながらの声援が飛ぶと、真っ赤になった山崎君がビシビシ決めていって、そのまま優勝した。
全部終わってから僕等の方に戻って来た山崎君は、まだ真っ赤で…ちょっと可哀想だったかな…?

でも…

「おめでとう、おーぢさま。」

皆のからかいが、止む事は無い。

「ヒドイよ皆!新八君は、そんな事言わないよね?」

半泣きの山崎君が僕に駆け寄ってくるけど…

「良かったね、山崎おーぢ。モテモテじゃん。」

僕が笑いながら言うと、山崎君が泣き崩れた。
モテモテだから良いじゃん…でも、おうぢは恥ずかしいか…

「お疲れ様、山崎おーぢ。」

山崎君が、崩れ落ちる。
あはは、面白くってやめられないや。

END