そんなある日の学校帰り、いつもとは違う道を探検しながら帰っていると、前を新八が歩いているのが見えた。
…変だ…心臓が痛ェ…すげぇドキドキする…やっぱり変な病なんでィ、俺ァ…
一応挨拶しとくかと思って走っていくと、隣にピンクの髪の女が居て、仲良く話ししてた。
…彼女か…?
からかってやろうと思ったのに…すげぇ心臓が痛くなって足が止まっちまった…
これァ何の病なんでィ!近藤さんでも治せないなんて、俺ァヤバいんじゃねぇのか…?
俺が立ち止まって俯くと、前の方から声が掛かる。
「あれ?総悟君?今学校の帰り?」
たたっ、と音がして、新八が俺の顔を覗き込む。
…又顔が熱くなってきた…熱…出てきたのかよ…
「今日は違う道を探検してたんでィ…」
俺が顔を上げると、いつもより優しい笑顔が俺を見る。
「探検か…僕はいっつも同じ道だからなぁ…じゃぁ今度一緒に探検に連れてってくれる?」
にこにこ笑う新八を見てると、もっと心臓が煩くなり始めた…何だコレ…
「おぅ、良いぜ。新八先生となら行ってやらァ。」
「うん、約束だよ?」
新八が、俺の目の前に小指を差し出すんで、指切りをする。
小指が…あっちぃや…
「新八、そのガキ何ネ。」
「新ちゃ〜ん、ソイツが例の教え子〜?」
ピンク髪の女と白髪の男が、ドタドタとこっちに走ってくる。
…結局誰なんだ…?こいつら…
俺が新八の腕にぎゅっと捕まると、ピンク髪の女が、ガンを飛ばしてくる。
ムッとしたんで俺もガンを飛ばすと、今度は殴りかかって来た!
迎え撃とうと俺が構えると、俺の前に新八が立って腰に手を当てる。
「神楽ちゃんっ!何しようとしてんの…?総悟君は神楽ちゃんより小さい子なんだからっ!喧嘩売らないのっ!!」
ピンク髪の女が首をすくめて小さくなる。
「だって新八…」
「だってじゃないのっ!」
すごい怒ってる…隊長の時より怖ェや…
「…ごめんヨー…」
「僕にじゃないでしょ!総悟君に謝って!」
「………ごめんな、ガキ………」
ピンク髪がものっ凄いヤな顔でペコリと頭を下げる。
あ、そう言えば…
「…新八せんせー…この女、彼女…?」
「は!?そんな訳ないよ!!神楽ちゃんは友達!友達だよっ!!」
新八が真っ赤になってものっ凄く否定する。
…ほっ…
って、なんでィ!何でこんなに安心…
あからさまに安心した俺を見て、白髪がニヤリと笑う。
「なになに〜?ボクちゃん新八せんせーに惚れてんの?でも駄目だよ〜?新ちゃんは俺んだから。」
そう言って新八を抱きこもうとしたら、新八がするりとかわして、冷たい目で白髪を見る。
「は?銀さん先輩何言ってんスか?総悟君ごめんね?糖尿が変な事言って。」
凄い怖い笑顔で新八が言い放つ。
あの白髪…何言った…?
俺が…新八に、惚れてるって…?
だって新八は男だし…俺も男だし…でも…
そう言われてみたら、全部納得がいく…
「全く!総悟君はね、まだまだピュアなんですからっ!銀さん先輩みたいに穢れてないんですよっ!!男女交際なんて穢れて見える年頃なんです!頼れるお兄ちゃんに彼女が!?って思ってショックだっただけです〜!ね〜?総悟君?」
新八が何か変な戯言を言って小首をかしげて俺を見ると、俺の心臓が、どくん、と跳ねる。
あぁ…そう言う事か…
近藤さんが治せない病で…おマセさんなんだ…俺…
「白髪の旦那、有難うごぜぇやす。」
この人のおかげで自覚したんだから、礼ぐらい言ってやるぜィ。
俺って大人〜!
「えっ?総悟君、何お礼言ってんの?」
不思議そうな顔で俺を覗き込む。
まだまだ子供だと思われてんだよな?俺。
…暫くソレを利用してやるか…
「あの女、怖かったでさァ!俺、殺されっかと思った…」
ちょっと目を潤ませて見上げてやると、新八がぎゅうと抱き締めてくる。
「そうだよね、怖かったよね!まだ小さいのに…神楽ちゃんは僕が怒っておいたから大丈夫だよ?うん、僕家まで送って行くから一緒に帰ろうね?」
そう言って、俺の手を繋いで歩き出す。
へへっ…チョロいぜ。
「…ガキのクセにやるなぁ、オイ…」
白髪の旦那がボソリと呟く。
おっさんなんかに負けねーよ。
ニヤリと笑うと、ピンク髪が叫ぶ。
「新八!ソイツ悪い顔で笑ったネ!ウソついてるヨ!!」
「…神楽ちゃん…?まだ反省してないの…?」
「なっ…ヒドイネ〜!!」
新八が、半泣きのピンク髪を置いてスタスタと歩き去る。
…怒らせたら怖ェんだ…覚えとこ…
「大丈夫だよ?総悟君。怖いおねぇちゃんから、僕が守ってあげるからね?」
俺がぎゅうっと抱きつくと、よしよしと頭を撫でてきゅっと抱きしめてくれる。
へへっ…油断してくれてる間に落としてやる。
覚悟してろよ、新八ィ…
END
伍萬打企画で千舟様にリク頂きました!
素敵設定を活かせてないィィィィィィィィ!!!
すみません、何か中途半端になりました…
少しでも楽しんでいただけると幸いです…
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