「…今日はアイツおかしいアル…」
「本当に…どうしたんだんだろ…具合でも悪いのかな…?」
神楽ちゃんとケンカしないし、ジュース奢ってくれるし…なんでだろ…
そんな沖田さんはすぐにベンチに戻って来て、僕にお茶を、神楽ちゃんにオレンジジュースを渡してくれる。
スルリと僕の隣に座って、3人で飲み物を飲んで一息吐く。
「沖田さん…今日はどうしたんですか?具合でも悪いんですか…?」
僕が額に手を当てて熱を測ると、びくりとして顔を赤くする。
何で…?
「イヤ、そんな事ァねェです…」
ちろりと僕を見て、ゴクゴクとコーヒーを飲む。
あ、このコーヒー…
この間のコーヒー、自分で飲もうとしてたヤツなんだ、アレ…
おしるこ…代わりに飲んでくれたんだ…
「沖田さんって何気に優しいですよね。荷物とか持ってくれるし…女の子よりどりみどりなんでしょう?や、別に羨ましくなんか無いですけど。」
僕がお茶を飲みながらボソリと言うと、沖田さんが僕の顔をじっと見る。
「…誰にでも、って訳じゃねェよ…」
「そうなんですか?」
僕も沖田さんの方を見ると、まだずっと僕の方を見てる。
ま、僕は局中法度とか有るから優しくしてくれるんだろうけど…ちぇっ…
って、アレ?何で僕残念!?
「や、でも沖田さん、僕は良いですよ。局中法度が有るからってこんな色々して貰ったら申し訳ないです…それよりも、他の決まりちゃんと守って下さいよ!」
僕がそう言うと、沖田さんが不満そうな顔になる。
「別に…近藤さんが言ったからって訳じゃねェよ…」
「へぇ?」
僕がキョトン、とすると、沖田さんと、神楽ちゃんまでが僕をじっと見る。
なんだよ、その目…
「気付いてすらねェんで…」
「…頑張れヨ、ドS…」
立ちあがってジュースの缶をゴミ箱に捨てた神楽ちゃんが沖田さんの肩を、ポン、と叩くと、沖田さんが深く溜息を吐く。
何だよ、失礼だな、この人達!
「何がっ!?」
僕が叫んでも、2人は肩を竦めるだけで…
神楽ちゃん…何可哀想なモノを見る目で僕らを見てんだ!?
大体、気付くって何に!?
沖田さんが決まりじゃないのに僕に優しくしてくれてる理由なんて知らないよっ!
毎日偶然会って、お話しして、お茶奢ってくれたり荷物持ってくれたり…
気まぐれ…で毎日…?
偶然…で毎日…?
そんな事…有るの…?
チラリ、と沖田さんを見ると、妙に優しい表情で僕を見てる。
…な…にが…?
だってまさかそんな事有り得ない…
その理由を思いついた途端、僕の顔に血がのぼる。
イヤイヤイヤ、そんな事無いからっ!
沖田さんが僕の事…なんて…ナイナイナイ!!
勢い込んでお茶をあおると、変なトコに入って盛大にむせる。
「大丈夫ですかィ?」
僕の背中をさすってくれる手が、妙に優しいのは…?
「…ゲホッ…だいじょ…ぶです…」
赤くなって俯く僕を見て、はぁ、と溜息を吐いた神楽ちゃんが、荷物を持ってさっさと歩きだす。
「えっ!?ちょっと神楽ちゃん!?」
「一足先に帰ってるアル。今日はジュース奢ってもらったからドSにサービスネ。ワタシは大人アルからナ。」
そのまま振り返りもしないでどんどん歩いて行ってしまう。
…大人って…
『新八君は…大人の男の方が…好きなんで…?』
アレ…?そう言えば…この間逢った時、そんな事言ってたっけ…アレってやっぱりそのままのイミだったんじゃん…
又、顔に血が上ってくる。
どうしよう…顔上げらんないよ…
ちらっと横を見ると、ベンチの背もたれに腕を掛けて、顔を赤くしてゴクゴクとコーヒーを飲む沖田さんが見えた。
その顔が妙に可愛く見えて、あぁ、僕も具合が悪いんだと思った。
空は晴れ渡る快晴で、鳥が鳴いてて…
案外こんな空気も悪くない…ううん、むしろ心地良い。
どきどき言いだした心臓の音を聞きながら、もう少しだけ今の空気を楽しもうと思いました。
END
伍萬打企画で落榎さんにリク頂きました!
沖田さんを好きじゃない新八…はちょっと難しかったです…
が、良い勉強になりました!!
少しでも気に入って頂けたなら、幸いです。
リクエスト有難う御座いました!!
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