「離して下さいっ!姉上なんて…姉上なんてこんな優しいヒトをいつも邪険にしてるじゃないですかっ!その上沖田君までっ…僕が…僕がどんな気持ちでっ…」

僕が姉上を睨むと………アレ…?
姉上…真っ赤…で…涙目で…近藤君を抱きしめてる…
アレ…?アレ…?
もしかして姉上…近藤君の事…

「新八ィ、いつまでよそ見してんでィ。今オメェが見んのは俺だろィ。」

僕がぼーっと2人を見ていると、ぐるり、と振り向かされて正面を向かされる。

「おっ…沖田君…だって沖田君は姉上が好きなんでしょ…?」

「…いつ俺がそんな事言ったんでィ…?俺ァ毎日ずっと新八が好きだ、って言ってきたよな?」

ちょっと怒った顔で、ぐん、と近付いてくるけど…

「だって…今日…全然話してくれなかったし…姉上のトコにばっかり行ってたし…僕より姉上の方が良くなったのかな…って…」

僕が又泣きそうになると、ちゅ、とほっぺたにキスをくれる。

「…泣くなィ…オメェらがあんまりなびかないんで、近藤さんと作戦立てたんでィ…外堀から固めていく、って…オメェと姐さんをそれぞれに味方に付けようって…」

「な…にが…?そんなの…」

「現に上手くいってらァ。俺も近藤さんも。」

沖田君がクイッと顎で示した先には、真っ赤になった近藤君と姉上が手を繋いで立っていた。
あ…良かったね、近藤君…

「オメェも、俺の事、好きになってくれたんだろィ?誰でもなく、俺が良いんだろィ?」

自信満々な顔で僕を見降ろしてるけど…なんだよ…カッコいいじゃんか…
眼鏡…似合うじゃん…

「…そうですね、好きかも…眼鏡が。」

僕が意地悪でそう言うと、ぽかん、とした後にっこり笑う。

「すげぇ…おめざめTVの占いは当たるねぇ…イメージチェンジが吉、ラッキーアイテムは眼鏡だったんでさァ。」

「…占いなんて信じるんだ…」

僕がクスクスと笑うと、ニヤリと笑う。

「そんぐれェ余裕無かったんでィ。ライバルも多かったしねィ。」

沖田君の顔が近付いてきて、眼鏡がガチン、とぶつかる。
…アレ…?今…唇にも何か…

「えっ!?ちょっ…今っ!?」

「ギャラリーにトドメ刺しただけでィ。」

慌てて周りを見渡すと、皆真っ白になって立ちすくんでいた。
そのままぎゅう、と抱き締められるんで抱き返す。
…それだけで、すっごく幸せで…

「自分の気持ち、ずっと気付かないでごめんね…?」

沖田君のほっぺたにちゅっとキスを贈ると、沖田君が真っ赤になった。
えへへ、可愛い…
やっぱり好きなんだ、僕はこの人が…

「僕、沖田君の事好きです。僕の彼女になって下さい!」

「…彼女は新八だろィ…?」

「えっ!?だって僕男ですよ?」

「…俺も男でィ…」

暫く無言で見つめ合ってると、山崎君が復活する。

「僕なら彼女になるよ!新八くぅ〜ん!」

そう叫んで僕らに駆け寄ってくる…いや、無理無理無理!!
山崎君の声と共に、皆も復活する。

「新八君がどうしてもと言うのなら、不本意だが仕方ない…嫁になろう!」

桂君が頬を染めてる…イヤ、そんな嫁要りませんからっ!!

「仕方ない、彼女から始めるが、いずれ逆転してみせるよ?」

伊東君ー!笑顔が怖いっ!!!!!

「…俺に出来るか…?」

土方君ー!出来なくて良いですから!!

「なになに〜?新ちゃんの恋人?俺は譲らんよ?ちゃんと調教しちゃうよ?」

銀八先生がニヤニヤしながら教室に入ってくる。
あ…授業…でも…なんか皆僕らに近付いてくる…

「ぼっ…僕は沖田君が好きなんですっ!恋人になったんですっ!」

僕が沖田君にぎゅう、と抱きつくと、一瞬皆が怯む。

「逃げやすぜ…?」

沖田君がさっと僕を抱き上げて、凄いスピードで駆け出す。

「どっ…どこに逃げるの…?」

「折角恋人になったんだから、愛でも確かめあいやしょうぜ?」

なっ…!?…恥ずかしいけど…でも…
こくり、と頷くと、一瞬固まった沖田君がスピードを上げる。
僕らがどこへ行ったかは、僕らだけの秘密です。

明日からもきっと忙しい日々だろうけど、沖田君が居れば大丈夫。
2人で居れば、なんとかなるよね?


END




伍萬打フリリク企画でメジさまにリクエスト頂きました!
3Zが好き、と仰って頂きまして有難う御座います!
色々考えたのですが、パラレル3Zにさせていただきました。
少しでも楽しんでいただければ幸いです!

リクエスト有難う御座いました!!