「新八ぃ〜!ワタシ受かったアルヨォォォォォォォ〜!どこに居るネ〜!?」
「かっ…神楽ちゃんっ!?」
思わず大きな声で返事をしてしまって総悟君を突き飛ばすと、チッ、と舌打ちをされる。
なんだよっ!キスは…したじゃんっ…
「あ、居た!…ドSも居たネ…早く補習に行くヨロシ。」
「はん、俺ァオメェと違って頭の出来が良いんでね。補習なんぞとは無縁でさァ。」
一触即発な2人の間に割って入ってなんとか宥めると、2人ともぶつぶつ言いながらなんとか抑えてくれる。
「で?神楽ちゃん、受かったって何処に?」
「そうネ!新八の大学の隣の短大に受かったヨ〜!これからも一緒ネ〜!!」
そう言って神楽ちゃんが僕に抱きついてくる。
「わぁ!おめでとう!良かったね〜」
「おうヨ!大学でもタクサン一緒にナルネ〜!」
今度は手を繋いで、ぶんぶん振って一緒に喜んでいると、むすっとした総悟君が、僕の片方の手を取る。
「ハァ?オメェは隣の学校だろィ。」
そのまま僕を引っ張って、腕の中に囲まれてしまった…
今度は神楽ちゃんがムッとしたけど、なんでか悪そうな顔でニヤリと笑う。
「同じ学校だからってユダンしてんなヨ、ドS。オマエの学部は新八と一緒になる授業あんま無いネ。むしろワタシの方がイッパイ有るヨ。」
「はぁ?」
「下調べが甘いよ、沖田君。」
「あ、伊東君…」
いつの間にか神楽ちゃんの隣に伊東君がやって来て、クイッと眼鏡を上げる。
「君の学部は、主にこっちの校舎を使う…」
山崎君が、どこからかホワイトボードを持って来て、僕らの進学先(予定)の校舎見取り図を張る。
神楽ちゃんが受かった短大も載ってる…って、隣ってホントに隣じゃん!?同じ敷地内だよっ!
「僕らは、こっちだ。」
へぇー校舎の端と端だ…って…僕ら…?
あぁ、僕と神楽ちゃん…って、なんで伊東君、僕の肩に手を回してるの…?
そっと手を払いつつ伊東君を見上げると、にっこりと微笑まれる。
「あの…伊東君、伊東君って江戸大学に受かりましたよね…?」
「あぁ、自分が何処まで行けるかと思ってね。でも、僕が学びたい事はこっちの大学に有るんだよ。ここの吉田教授に学びたくてね。」
「へぇ…凄い!そんな事まで僕考えてなかったです!」
「んな訳ねぇだろ。伊東は新八と同じ大学に行きたかっただけだろ。」
僕が感心していると、今度は土方君がやって来た。何でだ…?自由登校なんじゃ…
「土方君…?」
「俺は、違うけどな。偶然俺のやりたい事が、そこの大学に有っただけだからな。でもまぁ、新八には会っちまうな。」
「ツンデレか?ツンデレ気取りか?死ね土方。」
「総悟ォォォォォォォ!!!」
土方君が総悟君を追いかける。
あぁぁぁぁ…総悟君、ちゃんと撒いて戻って来れるかなぁ…
「ちなみに土方さんも、沖田さんと同じ学部だから新八君とはあんまり会う事無いから。あ、僕はね、ココに居るから。」
にこにこ笑いながら、山崎君が大学内の生協を指差す。
え…?
「山崎君…就職決まったって言って無かったっけ…?」
「うん、だからここ。長谷川さんも一緒だよ。」
…どうやって決めたんだろ、2人とも…
「あ、近藤さんもココの教育学部だよ?だから沖田さん、よけいこの大学に決めたんだよねー…騙されないで?新八君。」
山崎さんがそれらしい顔で僕に言うと、何処からか総悟君が僕らに向かって走ってくる。
「やぁーまざきィィィィィィ!!!」
「わぁぁぁぁぁっ!」
総悟君に気付いた山崎君が、脱兎の如くその場から駆け去る。
…もうそろそろ…戻って来て…?
山崎君を追いかけようと、そのまま駆け去りそうな総悟君の腕を掴むと、ピタリと止まる。
「どうしたィ、新八ィ…?」
「ずっと…一緒ですよね…?校舎が遠くたって、一緒の授業が無くったって…」
急に皆に心配させられて、すっごく不安になってしまった…
「あったりまえだろィ。新八が嫌がったって、毎日逢いにいきまさァ。」
ちゅ、と口付けられてにっこりと笑いかけられると、やっぱりそれだけで安心する。
「ありがと、総悟君…」
僕も背伸びして、ちゅ、と口付けて笑い合うと、背後からものっすごい殺気が飛んでくる…
しまった…皆居たっけ…
「ドS−!新八から離れるヨロシ!!」
「なんて破廉恥な!やっぱり君に新八君は任せられないな!」
「総悟ォォォォォォォォ!!斬る!今日こそ斬る!!!」
「沖田さんズルイですよー!まぁ、大学行ってから隙を見て…」
口々に怖い事を言いながら僕らに向かって走ってくるんで、ぎゅっと手を繋いで2人で逃げ出す。
さっきまでは皆とお別れだ、なんてしんみりしてたのに…結局まだしばらくこの賑やかな時が続くんだ。
今は葉っぱばかりが目立つ桜の木も、新しい旅立ちの時には綺麗に花が咲いているだろう。
きっとみんなで一緒にそこを歩いて、僕らは新しい一歩を踏み出すんだ。
いつまでも一緒に居れる訳では無いけれど、もう暫くは、毎日がお祭り騒ぎ。
すばらしい日々が、僕らを待っている。
END
七萬打企画で落榎さんにリクエスト頂きました。
北海道は…卒業式にはまだごっさり雪が残っていて、入学式にも桜は咲いていません。
なので、季節感狂ってたらすんまっせん!
あんまりギャグにもなりませんでした…
リクエスト有難う御座いました!
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