って、殺気!?
目を開けて辺りを見回すと、フォークを銜えてぐっと拳を握り締めて僕らをガン見する神楽ちゃんと、ものっ凄く怖い顔で沖田さんを引き寄せてる銀さんが目に入って来た。
あっ…危ないっ…皆の前で僕ってば何て事を…
でも…皆の前じゃなかったら…?僕は…沖田さんとキス…してた…?
「旦那ァ、何すんでさァ!邪魔しないで下せェ!」
上から押さえつけられてた沖田さんが、なんとか銀さんの腕を避けて抗議する。
「イヤ、何すんだはこっちのセリフだから。俺の新ちゃんに何しようとしてんの沖田君。」
「は?俺の?いつから僕は銀さんのになったんですか?」
聞き捨てならない銀さんの言葉に僕が突っ込むと、珍しく真面目な顔で僕を見る。
…なんだよ…なんでそんな真面目な顔…銀さんらしくない…
「そんなの、産まれた時から…」
「は?」
…なんだ、変な冗談か。ビックリした。
「旦那ァ、冗談はアンタの存在だけにしときなせェ。新八君は俺の嫁になるんでィ。な?」
「は?」
「は〜?沖田君何言っちゃってんの。俺と新ちゃんの絆に入り込めるとでも〜?」
「そんなモン、俺がたたっ斬ってやらァ。」
なんか2人で勝手に変な方向に話を持ってってるけど…僕は僕のだし。
嫁には行かない…し…
あれ…?なんで僕…ドキドキしてんだよ…なんでちょっと嬉しいんだよ…
「新八モテモテアルネ〜」
神楽ちゃんがニヤリと笑ってフォークをブラブラさせる。
モテモテ…って…だって僕男だし…それに…きっとそんなの冗談だよ…
「新八っ!銀さんと沖田君、どっちが好き!?」
「新八君!好きです愛してまさァ!!本物の夫婦になりやしょう。俺ァ本気ですぜ!!」
「銀さんだって愛してます〜!俺ら、もう夫婦だもんな〜?間男は消えて下さい〜」
やっ…やだなぁ…2人とも…何でそんな…
銀さんは…真面目な顔…何でキメ顔なの…?
沖田さんは…何で…そんな切なそうな顔…して…
「…ホントに…本気…なんですか…?」
2人が怖くなって、俯きそうになるけど…でもそんな事出来る雰囲気じゃない…
「本気に決まってるだろ〜?銀さんこんな事で嘘つきません〜」
ワザと軽く言ってくれる…
僕が…俯きがちになったから…だよな…
優しい銀さん…きっと銀さんと一緒に居れば、今まで通りの平穏な日々が待ってる…でも…
「僕…僕は…銀さんは父上みたいだなぁ…って…思ってて…」
「ちっ…父上って…新ちゃんヒドい…」
銀さんが、がっくりと崩れ落ちる。
…あんな落ち込むなんて…申し訳ないけど…でも…
「旦那は父ちゃんですかィ…んじゃぁさしずめ俺ァ兄貴ってェとこですかィ…?」
沖田さんが酷く悲しそうな顔で僕を見る。
なんでか沖田さんが消えてしまいそうで…僕は慌てて沖田さんの腕を掴んだ。
「そんな事有りませんっ!沖田さんは…兄上には見えません。沖田さんは沖田さんですっ!!」
僕が叫ぶと、沖田さんがふわりと笑う。
そんな顔を見ると…心臓がドキドキ騒ぎ出して、なんか変な気持ちになる…
「僕…男ですよ…?可愛くないし…それに沖田さん凄くモテそうだし…からかってるんですよね…?」
「そんな事ねぇよ!男とか関係ねェし。それに新八君は…その…かっ…かわっ…かっ…かっ…」
沖田さんが真っ赤になってどもり始める…凄い可愛い…って、何考えてんだ僕っ!?
「新八君は、かっ…かわっ…かわっ…可愛いでさァっ!俺はメロメロでィっ!!」
真っ赤な顔のままそう言いきって、にっこり笑った沖田さんが可愛くて…心臓が壊れそうなくらいドキドキと煩い。
…もう無理かも…僕だってちょっとは思ってたんだ…もしかしたら、って。でも、認めるのが怖くって…
だけど…もう認めなきゃ…
「…沖田さんこそ可愛いです…僕…心臓がおかしくなりそうです。責任…とって下さいね…?」
僕も赤い顔で言うと、全開の笑顔の沖田さんにぎゅうと抱き締められる。
そぉっと背中に手を回すと、腕の力が緩む。
そして僕の顔を覗き込んで、そっと囁いた。
「…新八君…ちゅうして良いですかィ…?」
「えっ…あの、だって…銀さんも神楽ちゃんも居るし…」
「許しません〜!イチャイチャ禁止です〜!するなら銀さんとしようね?新ちゃん。」
復活した銀さんが僕を引っ張るんで、離れない様にぎゅうっと沖田さんに掴まると、そっと忍び寄った神楽ちゃんが銀さんを殴って気絶させる。
えっ!?神楽ちゃん!?
僕がビックリして神楽ちゃんを見ると、神楽ちゃんがニヤリと笑う。
「気にしないで良いアル。思いっきりイチャイチャするヨロシ。」
「イヤ、無理無理無理っ!」
「新八君は、恥ずかしがり屋さんでさァ。」
沖田さんがそっと僕の頬にキスをくれる。
なっ…顔が…顔が燃えるっ……
「…ヤバイアルヨお前ら…こんなオイシイ話、姐御に報告しないと殺されるネ!オイドS!この後の事もちゃんと報告するヨロシ!」
「任せろィ。」
2人が、ぐっと親指を立てて良い笑顔で笑い合う…
いつもは仲悪いくせに、変な所は仲良いなぁこの2人…ってか姉上に報告!?
僕が殺されるっ!!
「止めて神楽ちゃんー!そんな事したら僕殺されるよぅっ!」
「心配しなくても良いネ、悪いようにはしないヨ!次の新刊は沖新アルー!」
「…は…?」
不思議な呪文を唱えながら、神楽ちゃんがものすごいスピードで駆け去ってしまった…
でも…姉上怒らない、って事かな…?
「良く判んねぇですけど…姐さんも公認、って事ですかねェ…?んじゃ折角なんで、愛を確かめあいやしょうぜ?」
「え…?」
そのまま僕は横抱きに抱えあげられて連れ去られ、思う存分愛を確かめられました…
END
七萬打企画でハル様にリクエスト頂きました。
遅くなりましてすみませんでした!!
何と言うか…銀さんが可哀想な事に…なりましたが…
沖田さんと争うと勝ち目は無いですぜ…
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
リクエスト有難う御座いました!!
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