すい〜とたいむ
いつもの万事屋。
お昼ご飯を食べ終わった神楽ちゃんが、定春を引き連れて公園に遊びに行ったんで、僕はここぞとばかりに掃除を始める。
「し〜んちゃん」
いつの間にか僕の後ろに来てた銀さんが、ニコニコ笑いながら僕の頭を撫でる。
お付き合いするまで全然知らなかった。
銀さんが、こんな甘えん坊だったなんて…
でも、ちょっと嬉しいんだ!
皆は普段のだらだらした顔や、闘ってる時の怖い顔しか知らないんだから。
僕にだけ見せてくれる、こんな甘えた顔や優しい笑顔…
優越感感じちゃうよ。
「なぁ、掃除なんて良いからさぁ〜、こっちおいで。」
そう言って僕の手を引っ張って、ソファに座って太ももをぱんぱんと叩く。
膝の上に座れ…って事かな…?
僕が覗き見ると、とろっとろに甘い笑顔。
そんな顔見せられると、全部どうでも良くなってきちゃうよ…でもっ!
「ダメですっ!お掃除はちゃんとやらないと…」
「良いって良いって、今日ぐらい掃除しなくたって死なないって!それとも…新八、銀さんとイチャイチャするの…嫌…?」
僕が腰に手を当てて怒ると、ソファに座ったままの銀さんが、上目遣いで僕を見上げてくる。
…そんな…捨てられそうな子犬みたいな目で見られても…困るし…
「嫌じゃ…無いですけどっ…でも、掃除しないとココ、大変な事になるし…僕しか掃除しないじゃないですかっ!放っといたら、アンタ達散らかしっぱなしで…すぐにゴミ屋敷になっちゃいますからねっ!ココ…」
僕が言いきると、すねた顔をして銀さんがゴロリとソファに横になる。
「…新ちゃん俺の事好きじゃないんだ…俺ばっかりが新ちゃんの事想っててさ〜…」
ソファでゴロゴロ転がる銀さんが可愛くて、僕は掃除用具を片付けてからもう1回ソファの前に立つ。
わざと大きく溜息を付いて、にっこり笑う。
「銀さんが転がってたら、僕の座るトコ、無くなっちゃいますよ。」
そう言うと、ピタリと動くのを止めて、顔を伏せたままソファの端に座り直す。
…なんで耳赤くなってんだよっ…!僕まで赤くなるじゃんっ!!
僕の顔も赤くなったまま、開けてくれたソファの端に座ると、少しして銀さんが僕の太ももにコロンと頭を乗せてくる。
…なんだよっ…まだ顔赤いじゃん…
「銀さんばっかりが僕の事好きだなんて無いですからね。僕だって…ちゃんと銀さんの事…好き…なんですからねっ…!」
全然僕の方は見てくれないから、銀さんの頭に向かってそう言うと、僕に見えない様に頭を僕の膝に埋めて隠すけど…
うなじまで赤くなってるの、見えるからねっ…!
僕も…なんか…照れるじゃん…
バクバクと煩い心臓を誤魔化すように、銀色でふかふかの銀さんの髪の毛にそっと指を差し込む。
そおっと撫でてみると、ふかふかの髪の毛が気持ち良い…
銀さんも、気持ち良さそうにクスクス笑って、僕の顔を見上げてくれる。
そおっと僕のほっぺたを撫でて、微笑む顔は本当に幸せそうで…
その顔を見ているだけで、僕も幸せになってしまう。
少しすると、すうすうと規則的な寝息が聞こえてくる。
本当に…寝ちゃったのかな…?
「銀さん…寝ちゃいました…?」
僕が声をかけても、すうすうという息遣いは変わらない。
本気で寝ちゃってるよ…
「…10分だけですからね…?起きたら掃除、手伝って下さいよ…?」
ちょっと意地悪言ってみたけど、幸せだから。
もう10分寝かせてあげようと思います。
END
七萬打企画で葵砂さまにリクエスト頂きました。
いつもよりなんだか甘くなった気がしますが…
久っし振りに上手く纏まった気がします。
銀新は今まで書いた事が無かったので、勉強になりました!
少しでも気に入って頂けたなら嬉しいです。
リクエスト有難う御座いました!!
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