それから暫くして、今度はちゃんときららさんから僕宛に手紙が来た。
地元で友達も沢山出来たみたいで、とっても楽しそうな写真が同封されていた。
手紙を読みながらうとうとしていると、夢の中から優しい声が聞こえる…
あぁ…あれ以来…逢えてない…寂しかったんです…僕…
僕は、気付いてしまったんです…
うららさんは…やっぱり外見が好きだっただけなんだって…
本当は…本当は…アナタが好きです。
…そんな事…夢でしか言えないけれど…
「…すき…です…」
「おーい、近藤さん来てやせんかー?」
僕がうっすら目を開けると、無表情の沖田さんが窓の外から僕の顔を覗き込んでた!?
「おっ…沖田さんっ!?あ、近藤さん…近藤さんは…」
「お、それ、例の姉ちゃん達からの手紙かィ?」
「あっ!はいっ!!良かったらどうぞ!!」
僕が手紙を差し出すと、ニコリと笑った沖田さんが手紙を受け取る。
さらっと目を通して、最後の方で固まる。
…何か変な事書いてあったのかな…?
「…へぇ…元気そうでなによりですねェ…」
「あ、はいっ!お友達もたくさん出来たみたいで一安心です!」
「へぇ…妹さんの方、本当に良かったんで?俺がヒトコト言やァ、アンタに惚れたってェのに。」
沖田さんが、真剣な顔で僕に言う。
そんなの…
「…そんなの何か違いますから…僕は…本当に僕を好きになって欲しいですから…」
じっと沖田さんを見ると、沖田さんもじっと僕を見返す。
…そんな真剣な目…ちょっと怖い…
「…じゃぁ…俺なんてどうですかィ…?」
…沖田さん…?今…なんて………?
僕が固まったままじっと沖田さんを見ていると、きららさんの手紙をピラリと僕に見せる。
『新八さんも、早く沖田さんと想いが通じると良いですね!』
そこにはそんな文が書いてあって…
ぇぇええええええええっ!?
きっ…きっ…きっ…きららさんーっ!?
「コレ…本当ですかィ…?」
沖田さんの無表情が怖い…僕が…本当だって言ったら…どうなるんだろう…
でも…嘘をついて誤魔化したら…もう一生伝える事は出来なくなるんだ…僕の気持ちも…嘘になる…
「…本当です…僕は、沖田さ…」
「待ちなせェ!」
僕の告白は、沖田さんに途中で止められてしまった…最後まで…言わせても貰えないの…?
俯きそうになった僕の顔を、沖田さんがグイッと持ちあげる。
僕の目に飛び込んできたのは、満面の笑顔。
「こう言うのは、男が言うもんでさァ。好きですぜ、新八君。」
そうして、唇にふわりと触れる、柔らかい感触…
僕の…想いは通じたの…?
「それじゃ、早速報告の手紙でも書きやすかね。」
いたずらっぽくニヤリと笑った顔もカッコ良く映る僕は、末期だよね。
「僕だけじゃなんて書いて良いか分かりませんから…沖田さんも一緒に考えて下さいね?」
「お安いご用でィ。」
そうして沖田さんと一緒に書いた手紙は、今迄きららさんに送った中で一番の傑作になりました。
END
七萬打企画で千鶴様にリク頂きました。
大変お待たせいたしました!
リク内容に沿っているか、甚だ不安では有りますが…
こんな感じになりました。
初めっから沖新じゃねーか!という突っ込みは自分でしておきます。
少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。
リクエスト有難う御座いました!!
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