沖田さんの背中に回していた腕を上げて、頭を押さえる。
ええい!僕の本気、思い知れっ!
そのままぐっと引き寄せて、唇にちゅっとキスを贈る。
「…新八ィ…?」
「僕の本気、分かりました?」
「…へい…」
うっすら顔を赤らめた沖田さんがにっこり笑う。
「俺も愛してまさァ、新八ィ…」
ぎゅっと抱きしめられて、ちゅっちゅっとたくさんキスをされる。
な…んか…変な感じ…凄くあっつい…
頭を掴んでた手を首に回すと、深く深く口付けられる…
あ…何か…体の奥の方が…きゅんっ、ってする…
「おきたさ…すき…」
「新八ィ…全部…くれねェか…?」
「ぜんぶ…?」
「そう、全部。」
ふっと見た沖田さんの笑顔に、全部持っていかれたよ…
「ぜんぶ…もらって…?」
僕が言うと、耳の傍で
「いただきやす」
と言われる。
そんなトコで囁かれたら…力抜けちゃうよ…っ…
もう1度ちゅうとキスされて、ソファに深く沈み込む。
凄く近いトコロでもういっかい、すき、って言うと、沖田さんも、あいしてまさァ、って言ってくれる。
なんだかラブソングみたいで…凄く心地良い…
いっぱいきすしてわけ分からなくなって、沖田さんの手が僕の着物の中に入ってくる。
あ…なんか…変な感じ…うずうずして…
「…ふっ…あん…っ…」
やっ…変な声出たよっ…恥ずかしいっ…
「新八可愛い…」
沖田さんが嬉しそうに笑うんで、恥ずかしいけど……
「隊長ー、局長が呼んで…うっ…」
がらぴしゃ、といきなり山崎さんが襖を開けた…って、えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?
みっ…見られたっ…見られた…っ…
僕が真っ赤になって泣きそうになると、沖田さんの雰囲気が変わって怖いものになる。
「ザキィ…新八が怯えてんだろが…」
沖田さんがゆらり、と立ち上がると、山崎さんが逃げ腰になる。
でも、何かに気付いて呆然と立ちつくす。
「沖田隊長…?新八、って…思い出したんですか!?新八君の事!!」
「は?俺が新八の事忘れる訳ねェだろ。」
「沖田さん!良かった!良かったー!!ごめんなさい!ごめんなさいー!!!」
山崎さんが沖田さんにがっちりと抱きつく。
沖田さんは嫌そうな顔をしてるけど、何かむかっとするなぁ…僕の沖田さんなのに…
僕が後ろから沖田さんに抱きつくと、山崎さんがはっとして沖田さんから離れる。
「俺、局長と副長に報告してくるから、後はゆっくり続きしちゃってよ。」
ばちーん!とウインクして、良い笑顔で走り去るけど…
「出来るかァァァァァァァァァ!!!!!」
2人でソファに有ったクッションを山崎さんに投げ付けるけど、そこには山崎さんの姿は無く…
「…新八ィ…」
沖田さんがじっと上目遣いで見上げてくるけど…
「沖田さん…流石に無理です…」
「…まぁ、今日は我慢してやらァ。まだ暫くココに居れるんだろィ?」
「…沖田さんの容体が良くならなかったら…」
「んじゃぁ、もう暫く忘れてますかね?」
「はい。」
2人でくすくすと笑い合う。
たまに…ゆっくりしても良いよね…?
だって、大好きな人と想いが通じたんだから…
もう1回、抱き合ってそっと顔を近付ける…
「好きです、大好きです。」
「俺も好きでさァ。大好きでィ。」
お互いのぬくもりが暖かくって、とろとろと眠気がやってくる。
ぎゅっと抱きあって、ちょっとだけ、寝てしまおう。
どうせすぐに大騒ぎになるんだから…ね…
END
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