そんなうららかなはるのひ



今日はホワイトディです。
バレンタインディには、沖田さんも手作りのチョコをくれるっていう嬉しいハプニングが有ったので、今日は張り切ってクッキーなんて作ってみました!初めて作った割には上手くいったかなー?なんて思います。
…沖田さん…喜んでくれるかなぁ…?

特に待ち合わせなんてしてないけど、僕はクッキーを大切に袂に入れて町へと歩き出す。
沖田さんを探している時間も、ドキドキして楽しいんだ、僕は。

屯所には居なかった。
駄菓子屋のベンチにも居なかった。
ウチの道場にも来なかったし、万事屋にも居なかった。
そうなると、後は…

僕が急ぎ足でいつもの公園のベンチに向かうと…

あ!やっぱり居たっ!

いつもの変なアイマスクを着けて、ベンチの上で気持ち良さそうにお昼寝をしてる。

そっと近付いて覗き込むと、すーすーと寝息が聞こえる。
すっごく気持ち良さそうだから起こすの可哀想だし…ベンチの前にしゃがみ込んで、じっと寝顔を見てみる。

…アイマスク…邪魔だなぁ………

そーっと避けようとアイマスクに手を伸ばすと、バシッと横から手を掴まれる。

「あ…ごめんなさい、起しちゃいましたか…?」

僕が焦って沖田さんに声を掛けると、もう片方の手でぐいっとアイマスクを外して、寝ぼけまなこでぱしぱしと瞬きをする…可愛いっ…!

「…新八ィ…おはようごぜぇやす…」

「おはようございます…」

僕が返事をすると、むくりと起き上がってベンチの空いた所をぱしぱしと叩く。
大人しくベンチに座ると、まだ目をしぱしぱさせながら、ポケットから可愛らしくラッピングされた小さな包みを取り出して、

「ほい」

と言って、僕の手の上に乗せる。

「ちょっ…何で手の甲に乗せるんですかっ!?落としちゃったらどうするんですかっ!!」

僕がそーっと手をずらして素早くそれを掴むと、満足そうに微笑む。

「やー、新八ならちゃんと落とさないって信じてやしたぜ?」

…なんか笑顔が憎たらしい…

「まぁ…これぐらいならちゃんと掴めますけど?でも、万が一落としたら怒るくせに…」

「そんな事はねェ…と良いねェ…」

「もうっ!」

僕がぷりぷりと怒ると、ニヤリと笑って僕の頭を撫でる。

「今回はちゃんと百貨店で買ってきやしたんで、美味いと思いやすぜ?」

小さな包みを指さしながら言うけど…

「そんなっ!チョコもすっごく美味しかったですっ!」

「そーかィ?」

「そうですっ!」

僕が力説すると、沖田さんの体がぐらっと傾いで、僕の太ももの上に頭を乗せる。

「おー、きもちー…」

ふにゃふにゃと目を瞑るんで、慌てて袂から僕のクッキーを出して、沖田さんの腕の上に置く。
さっきの仕返しだもんっ!
微妙なバランスで腕に乗っている箱を、いとも容易く掴んで目の前に持っていって、じっと見る。

「…そこそこ上手に出来たと思うんですけど…」

僕がぼそぼそと言うと、にっこり微笑んで

「ありがてぇ。」

と言って、それを大事そうにポケットにしまう。
すぐに横を向いて、眠る態勢に入ってしまうけど…髪から覗いてる耳が真っ赤ですよ…?
凄く、凄く、愛しくなって、そっと、柔らかくてさらさらで綺麗な色の髪を撫でていると、沖田さんは本格的に眠ってしまった。

…これは…チャンスかも…
ホワイトディのプレゼントで…貰って良いよね…?
そっと沖田さんの頭を動かして、上を向かせる。
…だいすき…ですよ…?



僕は、珍しくアイマスクの無い綺麗な寝顔を、心ゆくまでじっくり眺めたのでした。


END