卓袱台の前に座布団を敷いて、沖田さんにお茶を出す。
あ!お風呂!お風呂沸かしてこなきゃ…
僕今日結構汗かいたし…マナーだよねっ!
バタバタとお風呂場に走ってお風呂を沸かしてくる。
入浴の用意もしてソワソワと居間に戻ると、お茶を飲みながらのんびりとテレビを見ていた沖田さんがクスリと笑う。
「新八くん、落ち着きなせェ。」
あぁぁぁぁ…がっついてるって思われてるよ…
俯いてお茶を飲んでいると、沖田さんが僕の頭を撫でる。
「大丈夫ですぜ?安心して俺に任せなせェ…」
頬に手を当てられて、凄く良い雰囲気になるけど…
でも今日は僕が!
「あっ…あのっ!そろそろお風呂湧いてると思うんですけど…沖田さんもお風呂入りますかっ!?」
「おう、頂きまさァ。」
「じゃっ…じゃぁ先にどうぞっ!僕、用意してきます…!」
走ってお風呂場に逃げようとすると、僕の背中に沖田さんが声を掛ける。
「一緒には入らないんで?」
振り返ると、ニヤニヤと笑う顔と目が合う。
「そっ…そんなの…っ…!」
赤くなって抗議すると、ニヤニヤ笑いがニコリと変わる。
「へいへい、俺らにはまだ早かったですねィ。そんじゃ、お先に頂きまさァ。」
スタスタとお風呂場に歩いて行ってしまうんで、寝巻きとかバスタオルとかを用意して僕は居間に帰る。
長いような短いような時間をソワソワと待っていると、湯上りでうっすらと頬を染めた沖田さんが居間に戻ってくる。
「良いお湯でした。」
「じゃっ…じゃぁ僕も入ってきますっ!」
思わずそのまま沖田さんを押し倒しそうになって、慌てて逃げるようにお風呂場に走る。
そのままお風呂場に駆け込んで、ゴシゴシと念入りに身体を洗う。
でも、早く出ないと沖田さん待たせちゃうし…でも、しっかり洗わないと万が一汚れてたりしたくないし!
お湯につかるのもそこそこに、バタバタと走って居間に戻ると沖田さんは座布団を枕にくうくうと眠っていた…
仕事で疲れてるのかなぁ…?
なんだか酷く悪い事をしているようで、一気にヤる気が消えて、代わりに愛おしいという気持ちで一杯になった。
そっと近付いて、綺麗な髪をサラサラと撫でると凄く気持ちいい。
うん、今日はゆっくり休んでもらおう。
一緒に居るだけで、凄く幸せな気分になってくるもの…
そのまま、サラサラと髪の毛を触っていると、突然その腕を掴まれる。
「あ…ごめんなさい、起しちゃいました…?」
そっと微笑むと、寝ぼけ眼が僕を捕らえる。
「…すいやせん…寝ちまいました…んじゃ行きやすか。」
にこり、と無邪気に笑った沖田さんが僕を抱き上げて、あれよあれよという間に僕の部屋に連れ込まれて、抵抗する間もなく、僕が、食べられてしまった…
あれ…?
今日は僕が…
「沖田さんっ…!今日は沖田さんをくれるんじゃ…」
「あ?まだ足りねェ?新八くんのえっちー」
ニヤリと笑って、又気持ち良くされてしまう…
え…?えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?
「今日は…っ…僕が沖田さんを…貰う筈…だった…っ…のにっ…!」
「だから、いっぱいやってるだろィ?俺を…」
余裕で笑われると、悔しくなってぎゅっと締めてやる。
「たんじょー…び…なのに…僕が…沖田さんを…」
「逆はねェよ…お前さんは…これからもずっと…俺の下で幸せ感じてなせェ…」
「う…来年の誕生日には…っ…逆転しますから…っ…」
僕がそう言うと、一瞬目を見張った沖田さんが、にっこりと…それは嬉しそうににっこりと笑う。
「…楽しみにしておきまさァ…来年も…再来年も…」
そう言ってキスして抱きしめられて…その暖かさがなんとも心地よくて…
この人と一緒に居られれば、幸せかなぁ…なんて、ちょっと流されそうになったけど。
でもいつか…いつか、この可愛い人を、僕が可愛がってあげたいと。
僕と同じ幸せを感じて欲しいと思います。
いつか…
END
新八誕生日2010!
誕生日おめでとう!!
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