あっと言う間に全部喰い終わって、それでもまだ一緒に居たくってテレビとジュースを勧めると、意外とすんなり新八くんは残ってくれた。

「あ、僕後片付け…」

「俺がやりまさァ…後で…」

「イヤ、それ絶対やらないですよね。気になるんで僕洗っちゃいます。」

「…すいやせん…」

さっさと台所に行っちまうなんて、本当はもう帰りたいのかねィ…
本当は…零時に一緒に居てェ…なんて…無理だよなァ…

見るとはなしにぼんやりとテレビを眺めてると、洗い物が終わったのか新八くんが戻ってくる。

「…あの…沖田君…ケーキ…食べませんか…?」

「へ…?ケーキ…?」

「あの…本当は明日ですけど…沖田君誕生日だから…」

誕生日…?俺の…?

「新八くん知ってたんですかィ!?」

「あ…はい…」

ショートケーキの上の苺と同じくらい真っ赤な新八くんの頬っぺたは甘そうで…
イヤイヤイヤ…そんな上手い話が有る訳ねェし…
でも…もしかして…

「…なんで…俺の誕生日なんざ…俺達ァ話だってそんなにしねェのに…」

「……だから…」

「へ?」

「僕は…沖田君の事が好きだから!誕生日なんてチャンス見逃せなかったんだよ!!」

…今…俺告白されやした…?

「俺ァ…まごうことなく男ですぜ…?」

「そんなん知ってますよ!僕だって間違い無く男です。でも、好きになっちゃったんだからしょうがないだろ!!」

夢…じゃないですよねィ…?
現実…ですよねィ…?

本当なら自分のほっぺたをつねる所なんでしょうが、俺ァんな痛い事しやせん。
目の前の可愛い子を、ギュッと抱きしめる。

…あぁ…暖けェ…
結構筋肉付いてやがらァ…

「おっ…沖…沖田君…?」

「好きだ、新八くん…俺も新八くんが大好きでィ!」

「えっ…夢…」

「夢じゃねェよ。」

親切にもほっぺたをつねってやると、ギャァァァァァァァ!と悲鳴を上げる。

「な?夢じゃない…」

「手加減しろよっ!!本当に好かれてんのか僕っ!?」

「あったり前でィ。俺ァサディスティック星の王子様、ですからねィ。」

「…あぁ、そうでした…それでも好きなんだからしゃーないですよね…」

スゲェ近くに、ふわりと笑う新八くん。
それなら、もしかしたら…

「新八くん、お願いが有りやす…きいてくれやすよね?」

俺が最高の笑顔でそう言うと、新八くんがビクリと震える。
でも、すぐにゴクリと唾を飲み込んで俺の目を見つめてくれる。

「…きける範囲なら…」

「午前零時まで…一緒に居てくれやせんか…?この世で一番に誕生日祝って下せェ。」

俺が決死の覚悟でそう言うと、安心したように笑ってギュッと抱き返してくれた。

「はい…僕も沖田君を一番に祝いたかったんです…このまま居座っちゃおうかって…想ってました…」





日付が変わってすぐに、新八くんはおめでとうの言葉とキスをくれた。
そんなんされて黙ってる俺じゃねェだろ?
当然全部をプレゼントして貰いやした。
新八くんは『仕方ないなぁ…』とか言ってやしたが、ノリノリだったのは俺にだって判りやしたぜ?
だから、気絶する勢いで寝ちまった朝は何が何だか判らねェで。
隣ですうすうと寝息をたてる新八くんを幻かと思っちまった…
でも、この温もりは現実で。
抱きしめた後の照れた笑顔も本物で。

あぁ、夢じゃなかった!

調子に乗って又上に乗ったら、強烈な蹴りが俺の息子を襲ってきた。
だから、おいおい何するんでィ、新八くんにとっても大事なムスコだろ?って怒ったら脳漿が飛び散るんじゃないかってぐらいのチョップをくらった…

…本当は夢だったんじゃねェ?
新八くんが俺の事好きだなんて夢じゃね…?

「沖田君、沖田君…」

「なんでィ、新八く…」

俺が顔を上げると、ちゅう、と音を立てて唇が吸われる。
…新八くん!

「沖田君の誕生日に僕をあげたんですから、僕の誕生日には沖田君を下さいね?」

「任せろィ!で?新八くん誕生日は何時ですかィ?」

「調べて下さい。楽しみにしてますから。」

にこにこ笑う顔は可愛いけど、ちょっと恐い…

「まぁ、期待してて下せェ。」

可愛い恋人の為だから、普段はしないけど頑張ってみせまさァ。
どんとこい!新八くん誕生日!!


END