大好きな笑顔 (山新?)
皆さんこんにちわ、山崎退です。
今日も今日とて、俺は副長の雑用やら、局長の尻拭いやら、沖田隊長の憂さ晴らしの的やらをやらなければいけなくって大忙しです。
この後も、副長のマヨネーズを買いに大江戸ストアに行かなければならんのですが…
せめてそこで万事屋の新八君に会えたらいいなぁ…とか…
少しでも癒されたいなぁ…とか小さな望みを持ってたりしてます。
だって、今日は俺の誕生日だから。
いつも碌な事の無い俺だけど、一年に一度、誕生日くらい良い事有っても良いんじゃね?
細々した雑務をこなしている間に、大江戸ストアのタイムセールの時間が迫ってきた。
おっと、遅れちゃ大変だ!
俺はいつもの副長の買い物用の特大エコバックを持って、大江戸ストアに急いだ。
タイムセールの時間には、余裕で間に合った。
俺がお目当ての新八君を探してキョロキョロしていると、肉売り場で奮闘している新八君が目に飛び込んでくる。
よし、ここで良いトコ見せて好感度アップしておこう。
自分の地味特性を思いっきり活かして、スルスルとおばちゃん達の間を抜けて標的に近付く。
今日の特売は…豚コマか…
出来るだけ良さげなヤツを選んで2つ3つ手に取る。
さてと、新八君は…
あ、やっぱり弾かれてる。
戦利品を片手に俺が近付いて行くと、新八君が気付いて軽く会釈してくる。
ぴょこん、と頭を下げる姿も可愛いなぁ!
「こんにちわ、山崎さん。今日もマヨネーズですか?」
「うん、副長のおつかい。」
「いつもご苦労様です。」
クスクスと笑ってくれる顔は可愛過ぎて、荒みきった俺の心を癒してくれる。
あー、やっぱり好きだなぁ、新八君。
「新八君はタイムセールだよね?どう?良いの買えた?」
勿論弾かれたのは知ってるけど、敢えてそこには触れない。
新八君にもプライドが有るだろうしね。
そんな事で嫌われたりなんかしないよ?俺は。
「あー…残念弾かれちゃって…」
少し頬を染めて頭を掻く姿すら可愛い。
ほんと癒されるー!
「なら、これ譲るよ。俺もタイムセールに惹かれてついつい手に取っちゃったけど、良く考えたら今晩の食堂のメニューも肉だったんだよね。」
俺が、ははは、と誤魔化し笑いをして頭を掻くと、新八君の目がキラキラと輝く。
「えっ!?良いんですか!?」
「うん、新八君さえよかったら。」
俺が微笑んで豚コマのパックを渡すと、新八君は本当に嬉しそうに、満面の笑みで俺を見上げる。
それも、ぎゅっと俺の手を握って真っ赤な顔で上目遣いで!
うわぁ!もう反則だろこの可愛さ!!
思わず抱きしめそうになった俺をするりとかわして、コクリと首を傾げるのはやめてェェェ!
俺、暴走しちゃうからァァァ!!
「有難う御座います!わー銀さんも神楽ちゃんも喜ぶな…あ、山崎さんはマヨネーズですよね?今日も又いっぱい買うんでしょう?僕、お手伝いしますね!」
又俺の手を取って、にこにこと笑った新八くんがマヨ売り場に俺を引っ張っていく。
あわわわわ!手繋いじゃったよ!!
ちっちゃくて柔らかくって気持ちいい…
「あっ…有難う新八君!」
「いいえ、ほんのお礼ですから。」
マヨ売り場に着くと、真剣な顔の新八くんがマヨを選んでくれる。
「うーん、健康の為にはこっちが良いけど…土方さんこれはあんまり好きじゃないんだよな…」
ごっそりとカゴにマヨを詰め込んでくれた新八君が、又俺の手を引いてくれてレジに一緒に並ぶ。
なんだかいつもより会計が多い気がするけど気のせい気のせい。
折角なんで万事屋まで送ると言ったら、申し訳ないと必死で遠慮するんで見送るだけにした。
本当に謙虚だよな、新八君!
何度も何度も振り返って頭を下げてくれる姿が可愛くて、俺は新八君が酷く嬉しそうに曲がり角に駆け込むまでずっと見送っていた。
あー、癒された!
これで又明日まで頑張れる!
…本当は、顔を見るだけで満足なんかじゃ無い。
偶然を装って待ち伏せするんじゃ無くて、ちゃんと待ち合わせしたい。
もう少し仲良くなれたら…せめて、万事屋まで送れるような関係になったら…
告白…とか…頑張ってみようと思いました。
END
何を思ったのか、山崎誕生日おめでとう!遅れたけど。
ちゃんと幸せにしようと思っていたのにこの体たらく…
はっきりはしていないので、山崎頑張れ!でも万事屋家族!でも土方の!でも沖田陰謀説!もしくは高杉来てる!でもお好きなように勘ぐって下さい。
そういうピースも実は有ったりしますよ。
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