「ちょっ…高くないですか…?ココ…?」
沖田さんが、予約してあるんでさぁ!と連れてきてくれたのは、ものっっっっっすごく高そうなホテルのレストランで…めっちゃ夜景の綺麗な、僕が生まれてこのかた入った事はおろか、覗いた事も無いような所だった。
「心配しなさんな。俺ァこう見えて高給取りでさぁ。」
沖田さんは余裕の笑みを見せて、黒服のボーイさんに何か言っているけど…僕…場違いだよなぁ、こんな所…一応途中で、ぷれぜんとでさぁ、とか言われて、これまた高そうな着物に着替えさせられたんだけどさ…それでも…落ち着かないよ…
メニューを見せられてもさっぱりなんで、全部沖田さんにお任せしたけど…これって、フルコース、ってやつかなぁ…?次から次へと運ばれてくる料理を、しっかり味わいながら食べる。
うわー!高そうなだけあって美味しいよ!!こんな柔らかい肉、食べた事ないよ!!このお魚も甘い!!こんな料理、2度と食べられないかも…顔が自然とにやけてくるよっ…!!
「新八ィ、美味ェかい?」
嬉しそうに微笑みながら、沖田さんが聞いてくる。
「はい!とっても!!こんな美味しい料理、生まれて初めて食べました!!」
「そりゃぁ良かった。ま、俺ァ新八の手料理の方が美味ェと思いやすがねぇ。」
沖田さんが小声で言って、にっこり笑う。
なっ…何だよっ…ちゃんと出来るんじゃん。沖田さん…カッコいいじゃん…
デザートまで食べ終わってゆったりしていると、なんだか緊張した沖田さんが、チャリ…とルームキーをテーブルに置く。
「…誕生日プレゼントでさぁ…俺の事は、受け取ってもらえやすかィ…?」
…え…?…俺…?…って…え−と…
えっ!?えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――っ!?
そっ…それは…つっ…つまりそういう………どっ…どうし…
僕が真っ白になってあわあわしていると、沖田さんが悲しそうに笑う。
「…まだ早かったですかねぃ…イヤなら止めときやしょう。俺達ァまだまだ先は長いですからねぃ。」
「!?やっ…イヤじゃ…ないですっ………」
ルームキーをしまおうとする沖田さんの手を掴んで止める。びっくりした顔の沖田さんと目が合って、にっこりと微笑まれる。
「受け取って、もらえるんですねぃ?」
「…はい…」
レストランを出て部屋まで行くと、そこもまた、見た事もない綺麗な部屋で…
ちょっ…コレは…
もう何も聞くのは止めよう………きっと金額を聞いたら、僕は気絶するよ…
僕が呆然としていると、後ろから沖田さんが抱きしめてくる。
「これでも精一杯考えたんですぜ?何も聞きなさんな。こんな贅沢2度としねぇから、今日だけは堪能しなせぇ。」
うわ…僕が考えてた事、全部ばれてる…そんなに顔に出てたかなぁ…?
「はい…一生に1度の贅沢だと思って堪能します!」
「おう……俺ァ先にフロ入ってきやす。」
…どくん…
「はっ…はいっ…」
「…緊張しなさんな。」
ぽふぽふと僕の頭を撫でて、沖田さんがバスルームに消える。
…うわーっうわーっうわーっ…!!一気に現実味を帯びてきた…でも…今日は逃げない…だって…沖田さんの事、大好きだから…全部欲しいもん…
僕が見るとはなしにテレビを見ていると、沖田さんがお風呂から出てくる。
うわっ…ちょっ…濡髪が色っぽいんですけどっ!?ダっ…ダメだ…ドキドキが止まんないよっ…
「じゃっ…じゃぁ僕もお風呂頂いてきますねっ…」
僕がさかさかとお風呂場に急ぐと、後ろから声が掛かる。
「…新八ィ…待ってやすぜ?ゆっくり入ってきなせぇ。」
振り向くと、綺麗な笑顔。
だっ…ダメだ…鼻血出そう…
お風呂に入って、わしわしと、どこもかしこも綺麗に洗う…うっ…うん…大丈夫だよな…
お風呂を上がって考える。
…アレ?これ、服は着ていった方が良いのかな…?パジャマとか有ったっけ…?浴衣…?洗面所をゴソゴソと漁ってみるけど、何も無い…タオル一丁ってのもなんだし…やっぱり服を着ていこう、とたたんで置いておいた服を見ると、いつの間にかその上にバスローブが置いてあった。
…沖田さん…?これを着ろ、って事かな…?
僕がそれを着て出ていくと、テレビがついたままだった。
沖田さん…は…ベットの上に寝転がってテレビをを見ている………
僕が覚悟を決めて近づいても、沖田さんはテレビを見たまま動かない。
そぉっとベットに乗って、声を掛ける。
「…沖田さん…?お風呂あがりました…」
…返事が無い…
あれっ…?
「沖田さん…?]
上から覗き込むと、沖田さんは、グーグーと寝ていた…
「あれっ?沖田さん?沖田さん!?」
肩に触れて、そっと揺すってみるけど、起きる気配は無い。
「ちょっとぉーっ!?何ですか、ソレっ!!僕の覚悟は何だったんですかっ!!」
僕が叫ぶと、沖田さんがムクッと起き上がり、僕をぎゅうと抱きしめて、深く口付ける。
なっ…!?寝たフリっ!?
「新八ィ…誕生日おめでとうぅ…俺をもらって下せぇ…」
へにゃっ、と笑ってぎゅうと抱き込まれたままベットにダイブする。
ひゃぁぁぁぁ…遂に………………アレ…………?
そっと沖田さんを見上げると、幸せそうに笑ったまんま、グー、と寝ている。
…………疲れてたのかな…………?
僕は、沖田さんが起きないようにそっと腕をまわしてぎゅうと抱きしめる。こんなに幸せそうに寝てるんだもん…起こさないようにしなくっちゃ。
でも…寝ててくれてちょっとホッとした…やっぱりちょっと怖い…このままの方が幸せ、って言ったら沖田さんはガッカリするかな…?
幸せな気分のまま、うとうとする。
フカフカのベットは気持ちよくて、沖田さんはあったかい。
テレビも電気もついてるけど…姉上が怒る訳じゃないし、良いよね…
恋人が出来て初めての誕生日は、すっごく幸せです!
来年も再来年もその次もずっとずっと…一緒に居てお祝いして下さいね?沖田さん…?
END
新八はぴば!!
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