可愛い+可愛い=へんたい
今日は私、志村パチ恵の誕生日!
いつもは地味で目立たない私だけど、今日ぐらいはちょっとだけでも良い事有るんじゃないかな〜?なんて少しだけ期待してる。
だって夏休みだっていうのに、よりによって今日、3年Z組だけが登校日なんだもん!
何か有るのかなぁ…?なんて思ってしまう。
少しドキドキしながら教室に向かうと、校内は凄く静かで…
あれ…?
皆来てないのかな…?
あ!やっぱりサプライズ!?
私にバレないように、お誕生日パーティーとか考えてくれてるのかな?
そーっと忍び足でZ組に近付いて、こっそり教室を覗くと………
あれ…?
本当に誰も居ない…
それでもそーっと扉を開けて教室に入ると、教卓の上にプリント…
『夏休み中に登校日なんてダルいんで、このプリント持ってって始業式に持ってくるように! 銀八』
…そんな一文の後に、日付が………終業式の日じゃん!
え!?
もしかして帰りまでにこんなの有った!?
あの日は………
あ、沖田君と神楽ちゃんが喧嘩納めだとか言って喧嘩しながらすぐに教室を出たんで私もすぐに帰ったんだっけ…
え…?あの後にこんなの有ったの…?
もしかして、今日来なくても良かったの…?
凄くがっかりして体の力が抜けたんで、取り敢えず自分の席に座って机に突っ伏す。
あ〜あ…
そうだよね、私に限って今日だけ特別な事なんて無いよね…
「あれ?志村だけなんかィ…?」
頭の上から声がしたから顔を上げると、綺麗な顔を不思議そうに歪めた沖田君のアップ…!?
うっ…うわっ!
やっぱりちょっと良い事有ったかも…
沖田君に逢えたんだから…
「おっ…沖田君!?なんか、このプリント持って帰ったらソレで良かったみたい…」
私がさっき見付けたプリントを差し出すと、ざっと目を通した沖田君ががっくりとうなだれる。
「何でィコレ…ま、良いや、志村に逢えたし…今日誕生日だろ?お前さん。」
「えっ!?知ってたの…?」
「まぁねィ。」
そう言って照れたように頬を染める姿は滅茶苦茶可愛い…!
やっぱり今日は特別な日なのかも!!
「誕生日おめでとうございやす。『僕がプレゼントだよ!(沖田裏声)』」
お祝いの言葉と一緒に差し出されたのは、何故かズボンを脱いだ沖田君の下半身で…
わぁ〜可愛いトランクス…カ○○ラさんとかあるんだぁ〜………
「って何っ!?何がプレゼントォォォ!?」
『イヤだなぁ、僕だよ僕!(沖田裏声)』
きっと可愛い(と思ってるであろう)裏声でぐいぐいと下半身を差し出してくるけど何っ!?
何をくれるって言うのっ!?
パンツ?
パンツなの!?
ってイヤァァァ!
カ○○ラさんが私の顔に近づいてくるゥゥゥ!?
押し返したいけどそれはムリィィィ!!
「イヤァァァ!!」
「何でィ、志村コイツ好きだって言ってたじゃねェか。しゃーねーな…」
仕方なくないっ!
って何でパンツ脱いでるのっ!?
『じゃぁ僕なら好ききゅう?(沖田裏声)』
台詞まで作ったァァァ!!
し○○ん可愛いけど!可愛いけどイヤァァァ!!
「へんたいィィィ!」
「失礼でさァ。剥き出しじゃ恥ずかしがるかと思って可愛いラッピングしたんですぜ?志村が好きだって聞いたから、わざわざこんな可愛いので。」
むぅ、と膨れる沖田君の顔は可愛いけど!
カ○○ラさんもし○○んも可愛いけど!!
3Dになってるのはイヤァァァ!!
「あっ…あの!お祝いの言葉だけ貰いますからっ!おめでとう、って言ってくれて凄く嬉し…」
「遠慮すんなって。ちゃんと悦ばしてヤるから期待しなせェ。」
にっこりと邪気無く笑う顔は可愛いけど!
大好きだけどっ!!
一部分可愛くないィィィ!!
ジリジリと迫って来るし○○んの隙を狙って逃げようと走り出した私がちゃんと逃げられたかは…
『僕とパチ恵ちゃんは仲良しになったきゅう(=・ω・=)つ(沖田ご機嫌な裏声)』
……バカ………
END
はい、浮かんだのは、猛獣を可愛いに包んだおきたさんの話でした。
当然パチ誕の登校日に2人っきりになるように仕組んだのはおきたさんです。
この後、ちゃんと恋人になったと思ってるおきたさんと、何も言われてないから恋人じゃないんだと思ってるぱちえちゃんがわちゃわちゃするに決まってる。
そんなんで、お粗末さまでした!
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