無人島物語・2
かめなしさんの家でテレビを見ると、江戸は大変な事になっていた。
老化促進ガスで、皆老人にされてしまているのだ。
僕らはこの島に来ているので、難を逃れたようだが…江戸に居る人達は、残らず老人になってしまっているようだ。
…沖田さんも…おじいちゃんになってしまったんだろうか…?
沖田さんが年を取ったらどうなるんだろう…?
縮んじゃったりするのかなぁ…?
「おぉぉぉぉぉぉぉ――――ィ!誰か居るかィィィィィィィィ――――!?」
…?…誰だろう…?この島に、僕ら以外誰か居るのかなぁ…?
でも、何処かで聞いた声だなぁ………
僕らが外に出てみると、綺麗な金髪をオールバックに撫でつけた、カクシャクとしたおじいさんが海岸に立って叫んでいた。
…どっかで見たような………
そっと近づいてみると、やっぱり何処かで見たような…ってかアノ人は………!?
「おじいさん、ここの島の方ですか…?」
「違いまさぁ!!俺ァここに人探しに来たんでさァ!!俺の大事な…大事な…」
やっぱり…この人は沖田さん!!!
僕の事を探しに来てくれたんだ!!
こんな…おじいちゃんになっても僕の事…
「俺ァ誰を探しに来たんだったけかのぅ…?新…新…」
「覚えてないのかよっ!!!!!!!」
思わず突っ込んでしまった………
おじいさんはそんな事気にもせず僕に近付いてくる。
「ボク可愛いのぅ、俺の恋人の若い頃にそっくりでさぁ…」
「沖田さん………」
沖田さん(?)が僕の頭を撫でて、飴玉をくれる。
ホントに…分からないの…?僕の事………
「僕です…新八です…ホントに分かんないんですか…?」
悔しいけど、涙が出てきた…
僕がぽろぽろと涙をこぼすと、沖田さんが慌てだす。
「…泣きなさんな、新八ィ…ちょっとしたオチャメじゃぁねぇですかィ。俺がオメェを忘れる訳ねぇだろうが。」
「沖田さんのドSぅぅぅぅぅぅ」
僕が安心して本格的に泣き始めると、沖田さんがそっと抱きしめてくれる…
「…沖田さん…しっぷくさい…」
「何を小生意気な、この若造が!!年寄りはこれがないとツライんでぃ!!そのうち新八もこのニオイ無しではいられなくなるぞぃ!!」
沖田さんが僕の頭をぺしっ、と叩いてニヤリと笑う。
…僕の大好きな笑顔だけど…やっぱりいつもの沖田さんじゃなきゃヤダ………!!
おじいちゃんになってもカッコいいけど、やっぱりいつもの沖田さんじゃなきゃヤダ!!
なんとか元に戻せる方法を見つけなきゃ…
とりあえず、かめなしさんを絞り上げよう。
僕は沖田さんの手を引いて洞窟に戻る…かめなしさんを絞って、元に戻す方法を吐かせる為に…
END
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