04・大きな子供
「ココで会ったがヒャクネンメッ!今日こそ決着付けるアルッ!!」
「望む所でぃ。いい加減諦めやがれ。」
「イヤヨ!新八はワタシのアル!!」
「ざぁ―んねぇ―んだったな―。もう俺のモンでぃ。」
「…イヤイヤイヤ、僕は僕のモンだけどね…」
公園のベンチでのんびり沖田さんとお話をしている所に、神楽ちゃんと定春が遊びにやってきた。
いつもの如く、2人は顔を合わせた瞬間喧嘩を始めた。はぁ…
僕は、いつものようにそこいらに居た子供達と定春と一緒に、ブランコの方に避難する。最終兵器のぶつかり合いみたいなモンだもんな…近くに居てとばっちりをくらうのは、コリゴリだ。
…まったく、仲が良いんだか悪いんだか…僕に言わせりゃぁ、アレは一種のコミュニケーションだと思うんだよね。…なんか2人とも楽しそうだしさ…ちぇ…
「新八兄ちゃんも大変だよね。2人ともあれじゃぁ大きな子供だよ。」
一緒に避難していた子供達が、はぁ――――――っ、と溜息をついて吐き棄てる。ついでに僕の袴をポンポン、と慰めるように叩く。
…こんな年端もいかない子供達にこんな事言われるなんて、沖田さん…アンタもマダオの仲間入りだよ…
僕が乾いた笑いを浮かべていると、定春も近寄ってきて慰めるように鼻を擦り寄せる。
…ありがとう、定春…なんか、よけい虚しくなったよ………
ふかふかの定春の毛皮を撫でていると、少しだけ気分が上昇したんで、まだまだ続きそうな2人の遊びが終わるまで、子供達の乗ったブランコでも押してのんびり待っていようと思う。
まぁ…あんまり続くようだったら、置いて帰るけどね、2人とも。
後で泣いて謝ったって許してあげないからね。
だから、早く止めて帰ってこ―――――い!!!!!寂しいだろうがっ………
…って、僕も子供かよ………
END
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