私が目を覚ますとそこは知らない部屋で…
なっ…!?
慌てて周りを見ようとすると、動けない…!?
なんとか首を曲げて横を見ると、凄く近くに沖田君の綺麗な顔が有って、嬉しそうに笑ってる…?
動けないのは、抱き締められてるからで…何…?

「やっと起きやした…八恵…」

にっこりと笑われると、顔に一気に血が上る。
なっ…なんで…!?なんで私沖田君と一緒に…?
状況が分からなくて、軽くパニックを起こしてフリーズしてしまう。

………あっ………!!
私…総悟君と…

「おっ…おはよう…」

「おはよーさん。」

もじもじと見上げると、やっぱりまだにっこり笑ってるよぅ…どんな顔したら良いの!?
…笑ってたら…良いかな…?
…ってあれ…?今何時…?私っ…まさか外泊…!?

「そっ…総悟君今何時!?私っ…お泊りしちゃったのっ!?」

がばりと起き上がると、布団の下は何も着て無くて…
やっ…やぁっ!?総悟君も何も着てないよぅっ…みっ…見ちゃった…
慌てて布団をかぶって目をそらしたけど、全く普段のままの総悟君が裸のまま布団ごと私を抱きしめる。

「何でィ今更。もっとスゲェ事したんだぜ?俺ら…」

「やっ…やぁっ…恥ずかしいよぅっ…」

「…まぁ…恥じらう姿も可愛いから良いか…あ、まだ9時んなったばっかですぜ?もう1発ぐらい…」

「帰るっ!!帰りますっ!!」

「…なんでィ…つれねぇの…んじゃ送りやす…あ、フロ入っていきやすか?」

「…いい…帰ってから入る…」

散らばってた服をかき集めて着ようとすると、じいっと見つめられてる!?

「やぁっ!あっち向いててよっ!えっち!!」

「えー?余韻に浸ってるのにー」

「…恥ずかしいもん…」

泣きそうになって見上げると、ヘイヘイと言って後ろを向いてくれる。
その隙に服を着て三つ編みを結び直す。

「…もう良いよ…?」

その間に総悟君も服を着てて、すっくと立ち上がって私の手を引いて歩き出す。

「んじゃ、送りやす。」

そう言って私の手を引いて総悟君は家の前まで送ってくれたけど…歩きづらくてゆっくりな私に合わせて、普段に無いスピードで歩いてくれる。

「…ありがとう…」

「俺の方こそ…無理させちまいやした…」

「突然だったけど…でも無理はして無いよ…?幸せ…だよ…?」

「俺も!ちょう幸せでさァ!!」

ぎゅう、と抱き締められて、唇に軽くキスをされる…こっ…こんな外でっ…!!

「そっ…外でえっちな事なんてダメなんだから!…総悟くんのばかっ…」

ぺしっと軽く頭を叩いてそのまま家に駆け込もうとすると、後ろから声が掛かる。

「おやすみ!」

「…おやすみなさい…」

総悟くんの声に振り向いて挨拶を返すと、へにゃりとした幸せそうな笑顔…
そんな顔見せられたら…こっちまで幸せな気分になるから…
軽く手を振ると、大きく手を振り返して帰って行ってしまう。
後姿を見送っていると、突然、さっきまでのぬくもりを想い出して寂しくなってしまった…
だっ…ダメダメ!また明日逢えるもん!!

家に入って父上や姉上の顔を見ると、なんだか恥ずかしくなってさっさとお風呂に入って寝てしまった。

…明日…総悟君の顔まともに見れるかなぁ…?
恥ずかしくってダメかも…
でも、私が顔見れなくなっても、きっと総悟くん優しいから何とかしてくれるよね…?
…普通通りでいられるよね…?
ううん、今までよりもっと仲良くなれるよね…?

優しく笑ってくれる総悟くんの顔を想い出しながら、幸せな気分のまま私は眠りについた。


END