勉強を言い訳に早々に部屋に籠って心を落ち着ける。
んで、パチ恵が部屋に帰ってくるのを見計らって、廊下で待ち伏せる。
「あ、十四郎お兄ちゃん。」
俺に気付いて、たたっ、と駆け寄ってくる姿にやられてる場合じゃねぇぞ俺…でも可愛い…
「パチ恵…話が有る…」
「どうしたの?顔怖いよ…?」
ビクビクと怯える姿も可愛い…
でも俺が脅かしちまってるのか…?それじゃこれから告白するって雰囲気じゃねぇな…笑っとくか…
俺が笑うと、パチ恵が安心してもう一歩近づいてくる。
「お話ってなーに?」
ちょこん、と小首を傾げられると、可愛過ぎてしゃがみ込みたくなる…ここは我慢だ俺!!
「…俺は…俺はお前が…パチ恵の事が好きだ。」
思い切って言うと、キョトンとしたパチ恵がすぐににっこりと笑って頬を染める。
「…嬉しい…私ね、十四郎お兄ちゃんには嫌われてると思ってたの…」
「そっ…それは突然だったからだな…」
「うん、十四郎お兄ちゃん照れ屋さんだもんね!」
えへへ、と笑ったパチ恵がきゅっと俺に抱きついてくる。
なっ…大胆だな…!
すっと顔を上げたパチ恵は今まで見た中で一番可愛かった。
「私も十四郎お兄ちゃん大好き!」
そう言って、背伸びして俺の唇に口付ける…
こ…れは…俺を受け入れて…?
応えようとした頃には唇は離れていて、抱きついていた筈のパチ恵も俺から離れていた。
「おやすみなさい!」
大きく手を振って、走って部屋に入って行ってしまった…
な…んだ…パチ恵も俺の事…好きでいてくれたんじゃねぇか…
畜生!もっと早くに言えば良かった…
お互いの気持ちを確認して、俺達は恋人になったんだ…
次の日、朝からパチ恵の可愛い姿が見られるかと思うと、心なしか足取りも軽くさわやかな気分になる。
「あ、十四郎お兄ちゃんおはようー」
可愛い笑顔で俺を迎えてくれるが…
俺が朝から見た光景は、背伸びして晋助とキスするパチ恵で…
そのすぐ後に、親父にもして、俺にもしてきてくれた…
………あれ………?
あのキスは…
………挨拶………?
…今晩のキスは、俺から仕掛けてみようかと思いました。(作文)
続く
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