屯所に着くまで、沖田さんはずっと近藤さんの弁解をしてるけど…
なんだかそれが、凄くイライラしてくる…

「なぁ、何するつもりでィ?土方さんには何やっても良いですけどねェ…近藤さんは本当に良い人なんでさァ…」

あわあわと焦る沖田さんを見れたのは得した気分だけど…
でも、ちょっと庇い過ぎじゃない?

「全裸で脱糞するような人に、それ以上どんな辱めが有るって言うんですか…?」

「まっ…まぁ…そうですよねィ…」

安心したような表情が、更にイラッとする…

「何するかは楽しみにしていて下さい。」

そう言ってにっこり笑うと、沖田さんがぶるっと震える。
そして又、近藤さんを庇い始める…

「…沖田さん、そんなに近藤さんが好きなら、近藤さんと連れあいになったら良いじゃないですか!」

そう言って僕が膨れると、一瞬ビクリとした沖田さんが、満面の笑顔で僕を見る。

「そんなんじゃねェよ。近藤さんは身内じゃねェか…新八くんの姐さんみたいなもんでィ。連れあいにしたいのは、新八くんだけでさァ!」

キメ顔でそんな事言われたら…
許してあげたくなっちゃうよ…

「…分かりました。そう言う事にしといてあげます。」

「そう言う事にしといて下せェ。」

微笑み合って、真選組屯所のさっきの部屋まで行くと、そこには近藤さん土方さんに、山崎さんと銀さんと神楽ちゃんと定春が居た。

「新八っ!」

すぐに神楽ちゃんが僕に飛びついてくるんで、抱きとめて頭を撫でてあげる。

「有難う、神楽ちゃん。銀さんと定春も有難う。」

僕がぺこりと頭を下げると、銀さんが微笑んで定春がくぅんと鳴いた。

「…で…近藤さん、土方さん…先程はお世話になりました………待て!」

僕が気合を込めて言うと、2人と山崎さんが動けなくなる。

「なっ…ちょっ…新八君…?」

「テメェ!志村…!!」

「よくも騙してくれましたね…問答無用です。」

ゆっくりと眼鏡を外して、赤く変色した瞳で2人を見つめると、ビクリと震えて僕を見つめる。
さてと…どうしようかな…?

「土方さんは…屯所の前で…裸踊りでもしてきて下さい?」

にこりと笑うと、のそりと動いた土方さんが部屋の外に出ていく。
いつもクールな鬼の副長が、ご近所さんを楽しませてくれるんだから良いよね?

「近藤さんは…そうですね…カッコ良く姉上に告白してきて下さい…途中まで。」

又、にこりと笑うとキリッと顔を引き締めた近藤さんが部屋を出ていく。
それを呆然と眺めていた沖田さんが、ぶるりと震える。

「…えげつねェ…」

「そんな、これぐらいで許してあげるんですから優しいでしょ?」

眼鏡を掛けてにこりと笑うと、銀さんと神楽ちゃんがゲラゲラ笑う。

「確かに甘ェよな〜!裸踊りぐれぇで済ましてやるなんざ。」

「やっぱり新八には逆らいたくないネ〜!」

「でも、近藤さんは…」

「いつもと同じですよ。姉上の機嫌が悪いだろうから、今日はちょっと沢山怪我するかもしれませんけど…でも、人狼ならすぐに治るでしょ?」

「…まぁ…そうですけでねィ…」

そう言って、沖田さんがしょっぱい顔をして大きな溜息を吐く。

「俺ァ…大変な人を連れあいにしちまったかねィ…」

え…?沖田さん…後悔してるの…?
そんなの…もう遅いんだからなっ!!

「こっ…後悔したってもう遅いんですからね!ずっと、ずーっと一緒に居る、ってやくそくですからね!」

僕がちょっと焦って沖田さんの隊服に掴まると、ニヤリと笑った沖田さんがちゅう、とキスをくれる。

「尻にひかれる気は無いんでねェ。ずっと一緒に居たいんなら、俺には優しくして下せェ。」

「もう…沖田さんが怒らせなきゃ良いんです!」

「努力しまさァ。」

ぎゅうっと抱きあうと、甘過ぎる…と呟いて皆が部屋から出て行ってしまった。

これから、ずっとずっと長い間一緒に居る事になるんだろうけど…
きっとこの人となら、いつまでだって退屈する暇なんか無い。
だから…
今度は僕からキスをして、意外と広い胸に顔を埋めた。





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