『朝礼終了後、話長かったね、と会話する。』
土曜日曜と学校は休みで…ここ最近見るだけじゃなくて話を出来ていたから、沖田君に逢えないのは凄く寂しかった。
今日は朝から朝礼が有って面倒くさいけど…でも、いつもより近くに沖田君が居るのが嬉しい。
朝礼は身長順に並んでるからね!
…ウチのクラスって皆無駄に身長高いから…
沖田君は僕の後ろなんだ。
教室での席も後ろだけど、机が間に無い分近いよね?
「おはようネ、新八ぃー!」
「おはよう神楽ちゃん。」
神楽ちゃんと朝の挨拶を交わすと、ニコニコ笑った神楽ちゃんが携帯を差し出す。
「今日は朝礼が有るネ!次はコレヨ!!」
『朝礼終了後、話長かったね、と会話する。』
うん、これはかなり自然だよね。
「うん、頑張るよ!」
「おう、頑張るネ!」
気合を入れつつ、時間になったんで体育館まで行って列に並ぶ。そっと後ろを振り返るけど…
…沖田君…まだ来てない…今日も遅刻かなぁ…
遅刻したら、一番後ろに並ぶから…話出来ないかも…
いきなり躓いてがっかりしていると、後ろがざわざわと騒がしくなる。
…何か有ったのかなぁ…?
今度はしっかり後ろを振り返ると、いつの間にか沖田君が来ていた。
良かった!これで朝礼の後話しかけられるよ!!
「…ったく、何で俺が一番後ろに並ばなきゃならねぇんでィ。俺の場所は、ココって決まってんだろが…」
何かブツブツ言ってる…
後ろの方は嫌なのかな?
…まぁ、気持ちは分からなくもないよな…皆おっきいから全然前が見えないんだよね。
息苦しいっていうか、うっとおしいっていうか。
そんな事を考えていると朝礼が始まって、長い校長先生の話が始まる。
でも、今日は後ろに沖田君が居るってのを意識しちゃって全然気にならない。
朝礼が終わったら、何て話しかけよう…不自然にならないように…素早く振り返ったら沖田君まだ前を向いてるかな…?
色々と脳内シュミレーションをしていると、あっという間に朝礼が終わる。
うわぁ…!いよいよだ…よしっ!!
気合を入れてくるりと振り向くと、沖田君はまだ前を向いていた。
「よう、メガ…」
「沖田君っ!校長先生の話長かったね!!」
僕が張り切って言うと、沖田君がニコリと笑う。
「そうですねィ、ありゃぁ長かった。」
「途中から自分のペットの話とかさぁ、興味無いよね!」
「…そうですねィ…」
くつくつと笑ってるけど…
僕が必死過ぎるのがばれてるのかなぁ…?
「すまなかったのぅ、興味無い話で…」
…この力の抜けるような声は………
ギギギ…と音が聞こえる様な動きで後ろを振り向くと、何故かソコには校長先生が居て…
変な触角を震わせて、顔を赤くして怒ってる…?
「あのっ…そのぅ…」
「もっと楽しい話をしてやろうかの〜?校長室に来いや。」
「すいまっせんでしたー!!!」
その後校長室で、更に校長のペットの話を延々と聞かされた…
ちゃんと周りも見ないと駄目だな…うん…
続く
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