お誕生日のプレゼント
『7月8日はそーちゃんのお誕生日なのよ?新八君お祝いに来てくれるかしら?』
だいすきなミツバおねえちゃんにそうおさそいしてもらったのは、そーくんのおたんじょうびよりいっぱいいっぱいまえです。
だからぼくはたくさんかんがえて、そーくんのおたんじょうびのプレゼントをきめようとおもいました。
でもでも、いっぱいかんがえてもそーくんのすきなものはでてこなくって、ぼくはすっかりこまってしまいました。
「あねうえ、そーくんはおたんじょうびになにをもらったらうれしいですか?」
「そうねぇ…あの子いつも家のご飯をおいしそうに食べてるから、父上にご馳走作ってもらったら?」
「それじゃだめです!ぼくがそーくんにプレゼントあげるんです!」
「私じゃわからないわ。ミツバお姉さんになら綺麗なハンカチとか髪かざりをあげたいって思うけど。」
「…そうですか…すみません…」
あねうえにきいてみたけどわかりません。
そーくんのおたんじょうび、なにをあげたらよろこんでくれるかな?
「ちちうえ、そーくんはおたんじょーびなにをもらったらうれしいですか?」
「新八は何を貰ったら嬉しい?」
「ぼくは…そーくんがくれたらなんでもうれしいです!」
「じゃぁ、そー君もそうなんじゃないか?」
「…そうですか…ありがとうございますちちうえ…」
ちちうえにきいてみてもわかりません。
ぼくはそーくんとあそべたらそれがうれしいけど、そーくんはちがうかもしれません。
ぼくよりおにいさんだから、きっといろいろほしいものあるとおもうのです。
「あの、おにいさんたち、そーくんのおたんじょうびのプレゼント…」
「お?新坊お婿さんにプレゼントか?」
「嫁が旦那にプレゼントっつったら『ワタシを食べて』だろ!」
「たべるんですか…?」
「ゴラ!お前ら子供に何教えてる!?新八も邪魔だから道場に入って来るんじゃない!!」
ゴツ ゴツ ゴツ ゴツ
もんかせいのおにいさんはおかしなことをゆうなぁ。
にんげんはたべものじゃないのに!
ちちうえのげんこつはいたいよぅ…ぼくはいっぱいなみだがでました。
ずっとかんがえてもおたんじょうびのプレゼントはきまらなくて、なにもないまんまぼくはあねうえとそーくんのおうちにいくことにしました。
とちゅうであねうえはだがしやさんでおかしをいっぱいかいました。
そーくんのおたんじょうびのプレゼントにするのです。
「新ちゃんもお菓子にしなさいよ。あの子お菓子好きだもの。」
「あねうえといっしょじゃだめです!ぼくはおよめさんなんだから…」
「まだそんな事言ってるの?新ちゃん。じゃぁ何をプレゼントするの?」
「…わかりません…」
あきれたあねうえがどんどんいっちゃうけど、ぼくはまだプレゼントがないからそーくんのおうちにはいけないのです。
そーくんのうれしいおかおがみたいのに…
「新ちゃん早くいらっしゃい!ミツバお姉さんをお待たせするなんてダメよ?」
「でもぼく…プレゼント…」
「だからお菓子買いなさいって言ったのに!もう知らない!」
「あねうえぇぇぇ…」
さきにどんどんいっちゃうあねうえをよんでもとまってくれません。
なみだがいっぱいでてきてまえがみえないよぅ…
ぼくがしゃがんでえぐえぐとないていると、やさしくあたまをなでてくれるひとがいます。
「新ちゃんこんな所で泣いちゃったの?そーちゃん待ってるわよ?」
ぼくがみあげると、そこにいたのはミツバおねえちゃん。
やさしくわらってくれるおかおをみたら、もっといっぱいなみだがでてきます。
「そーくんのプレゼント、まだないのにおうちにはいけません…」
「あら、そーちゃんにプレゼントをくれるの?でも、そーちゃんは新ちゃんと遊べるのが一番嬉しいのよ?一杯笑ってくれたらそれが一番のプレゼントよ?」
「そーくんわらってくれますか…?」
「そうね、とっても喜ぶと思うわ。」
そうゆったミツバおねえちゃんがぼくをだっこして、そーくんのおうちまでつれていってくれました。
そうしたら、そーくんがはしってぼくのところにきてくれたので、ぼくがわらってそーくんに『おたんじょうびおめでとう』とゆったらそーくんはうれしそうにわらってくれました。
END
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