薬が効いてきたのか、僕の身体はひどく熱くなり、心臓がドクリと騒ぎだした。
苦し…っ…
ほっ…本当に大丈夫なのか…?コレ…
ドクンドクンと脈打つ心臓が煩くなって、僕の全てが身体の中に入り込んでくるみたいに締め付けられて…もう限界だと思った時に、爆発したような気になった。
そうしたら一気に身体が楽になって…
「おー!新八スゲェ巨乳〜」
そう言うや否や僕を抱き上げた総悟さんの行動は早くって…
僕は思ったより早くに男に戻れるのかなぁ…なんて思いました…
「おぉー!しんぱちにおっぱいできてるー!」
「…おかーさんがほんとにおかーさんになった…!」
次の朝、寝ぼけ眼で僕を見た桜と風樹は驚きながらも物凄く嬉しそうで…
本当は僕が女じゃないから辛い思いをさせてたのかな…?
それならいっそ、このままずっと女の身体になった方が良かったのかもしれない…
きゃぁきゃぁとはしゃいで僕に抱き付いてくる2人をそっと抱き締めると、何故か2人が離れていく…え…?
「…なんかへんなかんじ…さくらいつものしんぱちがいい…」
そう言った桜が涙目で僕を見上げる。
「おかーさん、ぼくもいつものおかーさんがいいです…」
風樹は既に泣いちゃってるし。
でもなんでだろう?2人がそう言ってくれるのが僕は凄く嬉しい…泣かせちゃってるのにね…
「桜ァ、風樹ィ、おめぇら我儘言うんじゃねェよ。弟か妹、欲しくねエのか?」
「「ほしいっ!!」」
目をキラキラさせて即答する姿は、2人ともお父さんそっくりなんだから…
でも…そうなったら…家族が増えたらこの子達も幸せだよね…
「じゃぁ、女のお母さんも好きにならねェと。勿論俺ァどんな新八も好きだけどな?」
上機嫌の総悟さんがちゅっ、とキスをしてくる!?子供達の前で何やってんの!?
僕がべしりと頭を叩くと、総悟さんが頬を膨らませる。
「なんでィ、子供作るんだろィ?」
「駄目です!子供達の前ですよ!?」
僕がもう1回総悟さんの頭を叩くと、子供達がダメー!と叫んでくる…え…?
「さくらしってるぜぃ!おやじとしんぱちがらぶらぶすると、おなかがふくれてこどもがくるんだからしんぱちはおやじたたいちゃだめでぃ!」
「ぼくもしってる…おかーさんおとーさんにやさしくしなきゃ…」
ぶーぶーと僕にそんな事言ってくるなんて…
ちゃんと分かってるのかな?
「赤ちゃん来るまでお母さんこのままだけど…我慢出来る?」
「もちろん!さくらはおねえちゃんだもん!」
「おかーさんびじんだからみんなにじまんする!」
「じゃぁ、お母さんお父さんに優しくするね。」
僕が笑うと子供達も嬉しそうに笑って寺子屋へ行く準備を始めた。
「じゃぁ俺も頑張らないとねィ…」
ニヤニヤ笑いながら僕のお尻を撫でてくる総悟さんの足を踏みつけて、僕も朝食の支度を始めた。
又騒がしくなりそうだけど…
でもきっと、僕らはもっともっと幸せになれる。
だから…
「頑張って下さいね?お父さん?」
僕が背伸びしてキスをすると、総悟さんはニヤリと不敵に笑った。
「任せろィ、すぐにもう1人家族増やしてやらァ。」
…お手柔らかにお願いします…
僕は心からそう願った…
END
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