「あっ…アンタ何やってんでぃ!!」
珍しく物凄く慌てた総悟君が駆け寄ってきて、僕を抱き込む。
すぐに僕の顔を覗き込んで、指で唇を拭ってくれる。
…な…んて顔してんだよ、総悟君…いつもの飄々とした不敵な笑いはどこ行ったんだか…
なんだか分かんないけど、こんなに心配してくれるなんて…嬉しい、って思っちゃったら悪いかな…
「や、総悟君、先輩はあんこ取ってくれただけだから…」
「そんな事ねぇ!アイツァ狙ったんでぃ!」
「…本気で行くって…言った…」
「あァ?確信犯か!?やっぱり狙って…って、新八ィ!!見やがれ!アイツ、悪そうに笑ってやがるぜ!」
僕をくるっと回して先輩に向ける。
…何が?いつもみたくキレイに笑ってるけど…
「あーっ!顔変えやがった!!ズリィぜ先輩!!」
「もぅ、何総悟君!先輩に対して色々失礼だよ!!」
僕が総悟君に向き直って言うと、眉毛をしゅん、と下げた顔で僕を見ていた。
…何だよ、可愛い顔したって駄目なもんは駄目だからなっ!!
「すんません…高杉先輩…」
総悟君が、珍しく素直に謝る。
先輩はふるふると首を振って許してくれた。
もぅ、手がかかるなぁ。
それから途中まで一緒に帰って、先輩と別れた後、暫く総悟君と帰る。
「新八ィ…ふぁーすときっす、男に奪われちまいやしたねぃ…」
「なっ…何言いやがるんですかっ!?ンな事ないですっ!口じゃなかったもん!!端だもんっ!!」
「そうなんですかぃ?」
「そうです!当り前です!!ってか、同性はノーカウントですっ!!」
「…そうなんですかぃ…?」
「そうです!!」
「そりゃぁ良かった。」
総悟君がにっこり笑う。
うっ…なんだよ、何で僕はこの人の笑顔に弱いんだよっ!?
総悟君の笑顔が、ぐっ、と近付いてきて囁く。
「本当に好きな人が出来るまで、とっとけると良いねぃ…」
又フッ、と笑って、手を振って帰っていく…
気がつくと、そこは僕の家の前で…家の前まで送ってくれたの…?
なっ…なんだよっ、あの人はっ…!!
ぼくも…何なんだ…なんでこんなにどきどきしてるんだよっ!?
でも、いやな感じはしない…何だろう、この気持ち…
もぅ…分かんないよ…
僕は火照る顔を押さえながら、部屋に直行した。
父上や姉上に、こんな顔見せらんないから…
END
礼
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