「って沖田さんっ!アンタ何してくれてんだぁぁぁぁぁ!!!!!」

僕が目を覚ますと、沖田さんのドアップ!?
あれ?僕は確か沖田さんに驚かされて…階段落ちして…アレ?
近付いてきてた沖田さんの顔をぐいぐい押しやりながら、状況把握するまで少しかかる。

「新八ィー!何するんでぃ!」

「何するはコッチのセリフだ!!アンタが驚かせてくれるから階段落ちしたでしょうが!!あー、もう!体中痛いよ!!」

僕が叫ぶと、がらりとドアが開いて、銀さんが大慌てで走ってくる。

「あれ?銀さん。ココどこですか?万事屋じゃないですよね?」

「新八―――っ!良かった!思い出したのか?俺が分かるか!?」

[は?何言ってんですか、銀さん…」

にひゃり、と笑った銀さんがどこかに走ってく。

何だよ、もう…

「ちょっと沖田さん、何なんですか、この状況!?説明して下さい。」

僕が怒りながら振り向くと、沖田さんが抱きついてくる。
もう!甘えても知らないよっ!

「ここは病院でさぁ。新八、記憶喪失になってたんでさぁ。俺の事も旦那の事もチャイナも姐さんも、皆忘れちまってたんでさぁ。」

「えっ…?」

記憶喪失…?僕が皆を…?…沖田さんを忘れた…?

「でも俺ァどっちでも良いですぜ?新八はもう1回俺に惚れてくれやした!何が有ろうとも、俺と新八は離れられないんでさぁ!忘れちまったら、もう1回やり直せば良いんでい!!どんなに忘れたって、新八は俺に惚れ直すし、俺が新八に惚れない訳ねぇしな!」

沖田さんが自信満々で胸を張る。
…もぅ…この人は…

「随分自信有るんですね。」

僕が笑うと、沖田さんが素早くキスをする。

「あたり前でさぁ。俺が新八に惚れないなんざ、あるわけねぇや。」

そして、にっこり笑う。

「そうですね、僕が沖田さんの事好きにならない訳無いですよね。」

僕が言うと、沖田さんがゆっくり近づいてくる。
そっと目をつぶると、唇が重なり、深いキスになる…

「新八―――――!思い出したアルカ!?ワタシがわかるアルカ!?」

突然乱入してきた神楽ちゃんが、沖田さんを突き飛ばす。
咄嗟の事で避けきれなかった沖田さんが壁に思いっきり頭をぶつけた…

「おっ…沖田さん!?神楽ちゃん!危ないよっ!!」

僕が叫ぶと、泣きながら笑った神楽ちゃんが、僕に抱きついてくる。
そこに駆け込んできた姉上が、僕らを抱きしめる。

「…心配掛けて、すみません…」

僕らがぎゅうぎゅうと抱き合ってると、一瞬気絶していた沖田さんが目を覚ます。
なんとか2人を引き離して沖田さんに駆け寄ると、頭に大きなたんこぶが出来ていた…
痛そう…そおっと頭を撫でる…

「…大丈夫ですか?沖田さん…?」

「…沖田、ってのは、僕の事ですか…?」

「…沖田さん…?」

僕の笑顔が引き攣る。
アレ…?何かおかしいぞ…?

「ココはどこですか?僕は…誰…?」

「…冗談ですよね…?」

「何が冗談なんですか!ってか、あなた誰ですか!?」

「…冗談って言って下さいよっ!!」

僕が半泣きで叫ぶと、マジマジと僕を見ていた沖田さんの顔が赤くなる。
そして、いきなりキスされた…
なっ…なんだよ、やっぱり冗談だったんじゃん!

「もぅ、びっくりさせないで下さいよ、沖田さん…」

「僕はあなたにに惚れました!!僕と付き合って下さい!」

「へっ…?」

僕が呆然としていると、固まってた神楽ちゃんが沖田さんに飛びかかる。

「ふざけんな、ドS―――っ!」

「なんだテメー!このガキ!」

いつもなら互角の2人だけど、何故か沖田さんがボコられてる…!?ちょっ…

「かっ…神楽ちゃんやめて―――っ!」

「こっ…コイツおかしいアル!よけないヨ!」

神楽ちゃんもオロオロして、沖田さんを僕に渡してくる。
僕が抱き留めると、ぐったりした沖田さんが、ぎゅうと抱きついてくる。

「う…腕っ節は弱いかもしれませんが、僕のあなたを好きな気持ちは誰にも負けません!僕の恋人になって下さい!!」

…捨てられそうな子犬みたいな瞳はやめろ!
もぅ…僕が断る訳ないじゃん……

「はい。どんなに忘れても、やり直せば良いんですよね?」

僕が笑うと、ぎゅーと抱きついてくる。
どっちかが全部忘れたって、変わらないよね、僕ら。
そんな簡単じゃないんだからさ。



その後沖田さんの記憶は1週間ぐらい戻らなかった。
でも、全部忘れてた時の沖田さんも可愛くて良かったなぁ…なんて思ったのは僕だけの秘密です。
うーん、僕ってそんなに沖田さんの事好きだったんだ……


END