銀時と神楽が万事屋から出なくなって3日。
相変わらず万事屋に仕事はなくて、沖田と新八は仲良く家事に勤しんでいた。
銀時がなんとか頼みこんで、沖田の服装は着物と袴に戻ったが、そーたん?新たん?は相変わらずだった…

「沖田くーん、そろそろ1週間になるんだけどさぁ、君の仕事ってのはまだ終わんないの?」

痺れを切らした銀時が、やんわりと沖田に訊いてみると、沖田の目がうるっ、とにじむ。

「ヒデぇよ旦那!俺と新たん?を引き離すつもりですかィ!?」

そんな沖田を見た新八が、バッ、と沖田を抱き込んで銀時にくってかかる。

「銀さん酷いですよっ!僕とそーたん?の幸せがそんなに妬ましいですかっ!?あー、もぅ!そーたん?が泣いちゃったじゃないですか!!」

「…あー、…うん…………スマン………………」

銀時は後悔した。
関わってしまった事を、後悔した。

沖田をぎゅうと抱きしめて、何かささやいている新八と、うっすら頬を染めて大人しく新八の腕に納まる沖田。
もういい。もうお腹一杯だ。
頼む、誰かあの2人どっかやってくれ。300円あげるから。
銀時が心の中で土下座していると、2人は仲良く家事に戻った。

「銀ちゃんバカアルカ?もうほっとくヨロシ。」

達観した神楽が、はぁ、と溜息をついていると玄関の扉がガラガラと開く。

「すまん、お邪魔するぞ?」

そんな万事屋に救世主登場!
いつもならうっとおしいだけの桂も、それ以上うっとおしい奴らの前ではその存在もかすむ。
何も知らないまま、エリザベスと一緒に万事屋に遊びに来てしまった桂。

「ヅラァ―――!良く来たな!まぁ座れ!!」

「待ってたアルヨ!」

いつもにない歓迎に、ちょっと顔を赤くして喜ぶ桂。
エリザベスに自慢気だ。
ちょっとイラッとする。

「なんだ?今日は珍しく皆歓迎してくれるな!」

嬉しそうな桂に新八がお茶を出す。

「桂さん、いらっしゃい。今日は何ですか?」

新八が笑顔で尋ねる。
後ろにつき従っていた沖田の表情が凶悪に変わり、にやぁり、と笑う。

「かぁ―――――つらぁぁぁぁぁぁぁ―!待ってたぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

どこからかバズーカを取り出して、桂めがけて撃つ。

「ちょっ…そーたん!!」

飛び出そうとする新八を片手で制して、沖田が抜刀する。

キィン…

沖田の刀を、エリザベスが立て看板で受けて桂を入口の方に押しやる。

「…てめぇ…」

『中々やるな、若造!』

反対側の手からもう1枚看板を出して、それで沖田を攻撃する。
沖田は、その看板をするりと避けて、又刀を振り下ろす。

キイン…キィン…と何度か鋭い音が響いた後、外から桂の呼ぶ声がする。

「エリザベス!逃げるぞ!!」

『中々良い勝負だった。又な。』

新しい看板を出し、沖田に向かって投げ付けてすぐにひらりと身を翻す。
後に残されたのは、バズーカに破壊された万事屋と、呆然と佇む3人。

「ちっ、ここまでしてもダメかぃ…」

沖田が悔しそうに舌打ちする。

「どっ…どういう事?そーたん…」

「新八ィ、その呼び方やめなせぇ…痒くならぁ。総悟さん、って呼べィ。ココに桂が出入りしてる、ってぇ話を聞いたからねぇ。潜入捜査でさぁ!」

沖田がニヤリと笑う。
先程までの初々しさは、微塵もない。

「えっ…?あの…え…?」

未だ呆然としたままの新八の腕を掴んで引き寄せて、噛みつくように唇を奪う。

「んっ…んー!んー!!」

ダンダンと、沖田の胸を叩いて抵抗する新八の腕を掴んで抱き込んで、思う存分新八を堪能した沖田がやっと離れると、がくり、と新八が崩れ落ちる。

「新八ィ、1週間楽しかったですぜ?でも俺ァされるよりする方が好きなんでさぁ。今度ァオメェがメイド服着てくだせぇ。」

縋りつく新八に、もう一度ちゅっ、と音を立てて口付けて、そっとソファに座らせる。

「じゃぁ旦那、俺の仕事はここまででさぁ。修理代は依頼料から出してくだせぇ。あ、パフェは今日この時までなんで。まさか1日であんなに食うとは思いやせんでしたぜ。おかげで気色悪ィマネさせられちまったィ。ま、新八が可愛かったから役得っちゃぁ役得ですがね。ずっと一緒にいられたしねぇ。」

ニヤリと笑った沖田が、言いたい事言って、後ろ手に手を振って帰ってゆく。

「なっ…」

「なっ…」

「「「何だったんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」」」

あまりに突然の出来事に頭が追い付かない万事屋3人が現実世界に戻ってきた時にはすでに手遅れで、依頼料の半分は家の修理代に消え、食べ放題は3日で終わり、夢見てた新八は、3日間寝込んだ。

真撰組の依頼は2度と受けない!
万事屋家訓に新たな1文が加わった。


END