姐さんの許可は下りた。
すぐにでも一発かまして女に戻してやるぜ…なんて思ってたのに。
イザ眼鏡くんを前にすると、その柔らかい微笑みや、ふと触れる柔らかい身体に心臓がおかしくなってどうにも出来ねェ。
その上眼鏡くんは俺を友人と認定しちまったらしくて、無防備にどんどん俺に近付いてくる。
そんなんされたら、手を出すなんてもう出来やしねェ。
それなのに、俺ァ話せば話すほど新八くんにどっぷりハマっちまう。
『新八くん』と呼べるようになるまで結構かかった。
たまにデートに誘ってみたり、毎日タイムセールに付き合ったりして俺の存在をアピールしたりもしてみた。
それなのに、アイツは全く気付かない。
その上確かに男だと思いこんでるようで、俺に対して無防備過ぎる。
月のものを痔だと思っているらしく、薬を塗っているんだと俺に報告し、上手く塗れないから今度塗ってくれないか、なんてとんでもない事をぶちかましたり、少し背が高い俺を上目遣いで、それも頬を染めて見てきたり…
思わず新八くんも俺を想ってくれてるんじゃないか、なんて思っちまうけどそれは友情で。
ソイツをぶっ壊しちまったら、新八くんはきっと凄く悲しむ。
そんな気持ちにはさせたくない。
だから、俺は今日も優しい友人のままで居る。
…でも、そろそろ限界かもしれやせん…
そんなある日、いつもの如く近藤さんを迎えに恒道館に行くと、新八くんが半裸で俺を迎えてくれた。
サラシの上に、ぷるんと乗るおっぱい。
目がおっぱいから離せない。
ぽよんぽよんと揺れるソレは、前に見た時より大きくなってて…ぷるぷると揺れて俺を誘惑する。
ソイツが俺目がけて近寄ってくるから、俺と俺の息子はピンチを迎え、しゃがみ込んでなんとか誤魔化した。
落ち着け…落ち着け総悟の総悟…
「…沖田さん…?具合悪いんですか…?」
心配そうに手を伸ばされると、思わず腕の中に閉じ込めたくなる。
それを誤魔化すように、窓を乗り越えて部屋の中に侵入する。
半ギレで説教すると、息子もだいぶ大人しくなった。
これから寺門通のライブなんだと言う新八くんは、ビクビクしていて…
俺が今にも襲いかかりそうなのバレてんのか…?
何にしても、こんな格好で外に出す訳にはいかねェ。
なんとかおっぱいだけでも隠さなくては!
Tシャツとか着せるか…?でも、白とかだと乳首透けちまう。黒が良いな…いや待てよ?透けないにしても、興奮して立ちあがったらどうすんでィ!?Tシャツは駄目だ!じゃぁ何が…
俺が悩んでるってェのに、新八くんはおっぱいを曝け出したままヘラヘラと笑ってる。
なんでそんな気付かねェんだ!?
「いい加減にしなせェ!アンタは…!………あ………すまねェ…」
思わず箪笥に叩き付けちまうと、新八くんが泣きそうな目で俺を見る。
あ…
離してやると、サラシを巻き直すと外し始めた…あ…ヤベェ…
目が…離せねェよ…
「できな…っ…」
涙目でそんな事言われたら…俺の理性が…
テンパった俺は、新八くんのおっぱいを鷲掴んで、ギュウギュウとサラシを巻き直した。
スゲェ…柔らけぇ…ってギャァァァァァァァ!俺ァなんて事を…!
なっ…なんとか誤魔化せ俺ェェェェ!!
「うし、巻けやした!…新八くん…?」
「うぁっ!はいっ!!ありがとうごじゃいましゅっ…!!」
そのまま有無を言わさずパトカーに新八くんを押し込んで、会場まで送ってった。
畜生、何噛んでんだよ!可愛過ぎんだろうが!!!
その場はなんとか納めたが、次に逢ったら押し倒しちまいそうだ…暫く逢わないように…なんて思ってたのに、新八くんは次の日から毎日ものスゲェ可愛い笑顔で俺に逢いに来るようになった。
何だ…?
ライブに送ったから、又友人レベルが上がっちまったのか…?
でも、それにしちゃァいつも顔を赤くしてる。
それに、なんかピンクのオーラを纏ってる気がする。
まさか…新八くんも俺の事…?
意を決して確かめようとしたその日、しかし新八くんは俺の前に現われなかった。
その代わりとも言えねェブッサイクは何か言ってきたけど、俺の脳味噌では全く理解出来ねェから追っ払った。
何か有ったのか心配だったけど、その日に限って何だかんだと忙しくて、俺ァ新八くんに逢いに行く事ァ出来なかった。
次の日、恒道館に様子を見に行ってみたけど新八くんはもう出勤した後だったのか、逢う事ァ出来なかった。
まぁ、新八くんだって忙しい日も有るんだろう。
そう思ってブラブラと見廻りをしていると、突然声を掛けられた。
あぁ、この声は…
「おー、新…!?」
振り向くとそこには女になった新八くん。
可愛らしいミニの着物にぷっくり膨れたおっぱい…こないだより更にデカくなってねェか…?
それに、化粧までした顔はどっからどう見ても美少女で。
俺じゃなきゃ新八くんなんて判らねェだろう。
女に…戻ってくれたのか…?
なら、もう俺の嫁になって貰える。
そう思うと嬉しくて、俺ァすぐに新八くんをデートに誘った。
離れないように手を繋いで、あちこち歩いた。
新八くんも楽しそうで嬉しそうで、絶対俺の事好きだと思った。
だから早速プロポーズしようと思ったのに、新八くんはまだ自分を男だと言う。
その上、俺を好きだと言って逃げ出した。
…何で両想いだってのに逃げるんでィ!?
あ、俺まだ新八くんに好きだって全然言ってねェ。
すぐに新八くんを追いかけると、新八くんは自宅に逃げ込んだ。
玄関の戸を引くと、鍵かけてやがる!
一瞬バズーカでぶち破ってやろうかと思ったけど、ソレをやると上手くいくもんもいかなくなっちまうような気がする。
なんで、庭を回って新八くんの部屋に行くと、姐さんと何か話しているようで…でも、コレばっかりは譲れねェ!
「新八ィ!」
「あら、来たみたいよ?新ちゃんの王子様。」
「なっ…姉上っ!」
ニコリと笑った姐さんが親指を立てて部屋を出て行った。
息を整えて、一緒に気持ちも落ち着ける。
俺ァ…ちゃんと言わなきゃならねェ。
「おきたさん…僕の事知って…」
「新八くん、好きでさァ!俺も…俺も新八くんの事がずっと好きだ!まさか新八くんが告ってくれるなんて思わなかったから…すぐに抱きしめられなくてすまねェ!」
俺が言うと、新八が俺に向かって走ってくる。
だから、俺はしっかりと新八を抱きしめた。
「沖田さん、大好きです…僕を彼女にしてくれますか?」
「それは駄目でさァ。新八くんは俺の嫁さんになるんですからねィ。」
「いきなりですか!?」
「おう。彼女なんて言ってて誰かに盗られたら大変でィ。」
そう言って笑ってきっすをして、窓を乗り越えたら最後まで。
新八は、どこもかしこも軟らかくてアツかった。
身体中に俺の所有印を付けた新八は色っぽくて可愛くて、二度とこの腕の中から離したく無くなった。
だから俺ァもう一度言ったんだ。
「なぁ、新八くん…俺と家族になってくれやせんか…?」
って。
そんな俺の一世一代のプロポーズは、少し照れた、でも優しい笑顔で頷かれ、すぐに現実になったんだ。
END
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