「うぅぅぅぅううううぅぅうううぅうううううううううううう………………」

気持ち悪い唸り声が聞こえて、僕が振り返ると、3人の腕が取れて、筋肉がぐうんと伸びてくる。

…天人…!?なんで天人が攘夷浪士なのっ…!?

僕に向かって伸びてきた筋肉が、僕の体を絡め捕る。

「甘いな少年。大方攘夷浪士とでも間違えたんだろう?」

「俺達は、先日地球に拠点を作ろうと、破壊活動をしていて潰された組織の者さ。」

「宇宙をまたに駆けるテロリストさ!!仲間の命奪われた恨み、オマエで晴らさせてもらう。」

僕の胴体に巻き付いていたモノが首に伸びてきて、ぎゅるり、と絞めてくる。

……ゲホッ……首が…絞まる……息が…出来ない……
…ちくしょう…しくじった…沖田さん……沖田さんっ…!!
僕が諦めかけたその時、何かが僕らの間をすり抜ける。
すっ、と僕の首を絞めていたモノが無くなり、僕はどさっと地面に落ちる。

……助かった…のか……?

「てめぇら…何勝手に俺のモンに触ってんでぃ…?」

本気の沖田さんを、初めて見た。
静かに…静かに燃える炎のようで…綺麗だけれど…アレは誰だ…?
僕の知ってる沖田さんは…沖田さんは……

ソレは、一瞬の事だった。

何か、銀色の物が、3人に向かってひゅるりと走ったと思ったら、次の瞬間には3人は胸から血を噴いて倒れていた。

返り血を浴びる事も無く、するりと立つ沖田さんは…こんな事思うのは不謹慎かもしれないけど…ひどく綺麗だった…
でも…ソレは、この世のモノとは思えなくて…

すぐさま振り返った沖田さんが、酷く慌てた表情で僕に駆け寄ってくる。
その顔はもう、いつもの沖田さんで…

「新八ィ!!大丈夫ですかィ!?ドコか怪我なんてしてやせんかぃ!?」

…焦った顔は…さっきまでの無表情とは違っていつもの沖田さんで…
なんでだろう…沖田さんは沖田さんなのに、怖かった…
僕の全く知らない人になったみたいで…
沖田さんが遠くへ行ってしまった気がして怖かった……

安心した僕は、知らず知らずのうちに泣いていた。

「しっ…新八ィ泣かないで下せぇ…ホラ、悪人は俺が退治しやしたから!!もう大丈夫ですから!!」

目の前で泣き出した僕を見て、沖田さんがオロオロしだす。
泣きやまなきゃ…泣きやまなきゃ沖田さんが困ってるのに…僕の目は、涙を止める事が出来ない。

「…ぅ…ひっ…く…沖田さん…沖田さぁん――――っ…」

僕が本格的に泣きだすと、凄く困った顔の沖田さんが、ぎゅうと抱きしめてくれる…
…暖かい…大丈夫…いつもの沖田さんがここに居る…強くて優しくてちょっとイジワルだけど、大好きな沖田さんが…

安心したら、より一層涙が出てきた。
暫く僕は、子供のように泣きじゃくってしまった。
そんな僕を、沖田さんはずっと抱きしめて背中をぽんぽん、とたたいてくれる…

さっきの沖田さんは…怖かった。まるで命を命と思っていないようで…
平気ですべてを捨ててしまいそうで…
それが沖田さんの仕事だって分かってる…
でも!…あんな沖田さんは、もう見たくない。

僕は…もっともっと強くなろう…この人を、今のままの優しいヒトでいさせる為に…
僕がこの人を守れるように……


END