朝目が覚めると、僕は万事屋のソファに寝ていた。
それも、何故か沖田さんと抱き合って…
なっ…何が…っ!?昨夜僕何した!?おっ…覚えてない…確か沖田さんに手伝ってもらって、眠っちゃった銀さんと神楽ちゃんを布団まで運んで…そしたら沖田さんが変で…うん、『僕』とか言ってた!
んで…何したんだっけ…?
そっから何でこの状況…?
僕が必死で昨日の記憶を探っていると、僕を抱きしめてる腕がもぞもぞ動いて、背中を撫でる…あ、起きた…
「何でィ、この状況…何で新八が俺の腕の中で大人しくしてんでィ?遂に俺のモンになる覚悟が出来たんですかィ?俺ァ今すぐにでも出来やすぜ?」
沖田さんがニヤリと笑う。
「僕が出来んわぁっ!何で朝からエロ………」
………………エロ………………………?
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!思い出したぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
僕なんて事…えっ…何で…!?
どっ…どどどどどどど…どうしよう…っ…!昨夜の事沖田さんが覚えてたら僕はもう終わりだっ!
何だったんだ…?いきなり体が熱くなって…何かえっちな気分になって…
…何か変なモノ食べたっけ!?…ってキノコかぁぁぁぁぁ!!
でも!他の皆も食べたよなぁ…お酒なんて万事屋には無いし…やっぱキノコ…?
僕が赤くなって固まってると、沖田さんが僕に毛布を掛けてむくりと起き上がる。
あれ…?いつもならせまってくる所じゃないの…?
ってイヤイヤ!別にせまって欲しくないから!
僕が1人でぐるぐるしてると、顔を洗った沖田さんが戻ってくる。
「新八ィ、朝飯は何でィ?俺もそうのんびりもしてられねェや。」
ふと時計を見ると8時を回っていて…
「あ、ご飯は炊けてるハズなんで…お味噌汁作りますね?」
「おぅ、頼まァ。」
沖田さんが大人しくちょこんとソファに座ってる。
…まだ昨日のままなのかなぁ…?妙に真面目だし…
そんな事を考えながらも、大急ぎでお味噌汁を作って生卵とふりかけを添える。
「すみません…おかずも無くって…」
「イエイエ、暖けェ飯が有るだけで幸せでさァ。」
沖田さんが、本当に幸せそうに笑う。
「…どうしたんですか…?気持ち悪い…」
「ヒデェな新八ィ。何だか新婚っぽいなァ、って思ったんですがねィ…あぁ、おはようのきっすがまだですねェ。」
いつの間にか僕の背後に立っていた沖田さんが、そっと僕の頬に手を添えて近付いてくる。
あ…逃げなきゃ…頭ではそう思ってるのに体が動かない…
何で…?綺麗な瞳から目が離せない…
そっと触れた唇が離れて、柔らかい舌がするりと滑り込んでくる。
「…ん…っ…んぅっ…!」
や…っ…こんな事…っ…しちゃおかしいのに…ぃっ…どうしよう…離れたくない…
僕の中に入ってきた舌に、僕の舌が追いついて、やっと絡めると、ぴくりと震えた沖田さんが離れる…あ…
「新八ィ…?」
沖田さんの驚いた顔が至近距離で僕を見つめる。
…ぼっ…僕…っ!?
「あっ…ご…っ…ご飯冷めちゃいますよっ?銀さん達まだ寝てるのか!?もぅホントだらしないなぁっ!僕、起こしてきますね?」
僕はなんとか逃げるように沖田さんから離れて、昨夜2人を放り込んだ寝室に急ぐ。
…2人ともまだ目を開けたまま寝てる………って、アレ?何か変じゃね?ぴくりとも動かなくね?
恐る恐る2人に触ってみると、暖かくて脈は有る。でも、何か小刻みに震えてね?アレ?もしかして昨夜からおかしかった?やっぱキノコ…?
「どうしたんでィ。まだ起きねぇのかィ?」
「おっ…沖田さんっ!救急車!救急車ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
救急車に乗って病院に行くと、2人はやっぱりキノコにあたってずっとマヒしていたらしい…
念のため僕と沖田さんも検査してもらったら、やっぱり変なキノコを食べていたらしい。
僕は媚薬効果のあるキノコを、沖田さんは良心を引き出す効果のあるキノコを食べたらしい。
…なるほど………
そうか、それなら納得だよ!
昨夜のと、さっ…さっきのはキノコのせいだよね!解毒剤飲んだし、もう沖田さんを見たって平気だよねっ!
じっと沖田さんを見ると、ばっちりと目が合う…
…どくん…
しっ…心臓がおかしいよ…ドキドキいってる…
そんな事は無い…そんな事は無い…
沖田さんの事好きになんて…なってない…
つづく
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