はらはらしながら見守ってると、やっぱり坊主さんは怒っちゃって…銀さんをぶっ飛ばした…
その流れで神楽ちゃんとまで喧嘩になって…神楽ちゃんとは家に帰れ、帰らないで揉めはじめた。その喧嘩はだんだん激しくなって、2人はファミレスのガラス破って外に出て行ってしまった…

あぁぁぁぁ…請求は星海坊主さんでお願いしますぅー!と叫びつつ、僕らもファミレスを駆け出す。

夜兎族同士の喧嘩は、いかに親子喧嘩といえども強烈で…通行人に被害が出ないか、はらはらしつつ遠くで見守る。
誰かに怪我なんかさせたら…きっと神楽ちゃん凄く落ち込むよ…

「…ヤベェな…行ってくるわ。」

僕が心配していると、そう銀さんが呟いて走り出す。
丁度飛ばされた神楽ちゃんが、避難していた親子にぶつかりそうになった所に、銀さんが滑り込んで神楽ちゃんをキャッチする。

良かった…神楽ちゃんもホッとしてるよ…

そのまま3人で何か話してて、銀さんだけが僕の方に帰ってくる。
…あれ…?神楽ちゃんは…?お父さんと仲直りしたのかな?

「新八、帰ぇるぞ。」

「…あ…はい…」

神楽ちゃんはお父さんのとこに泊まってくるのかな?
気になったけど、久し振りの親子の団欒だし、邪魔するのも野暮だよね。
僕はそのまま銀さんについて、万事屋に帰った。


次の日になっても神楽ちゃんは万事屋に帰って来なかった。
随分ゆっくりしてるんだなぁ…と思って銀さんに聞いてみると、神楽ちゃんを解雇した、とかあっさりと言いやがった!
親子一緒の方が良いだろ、とか言うけど…確かにそうだけど…でも…銀さんは知らないんだ!神楽ちゃんがどれだけ銀さんを…万事屋を好きかなんて!どれだけ大切に思ってるかなんて!!
ぶつぶつ言ってる銀さんに鼻フックデストロイヤーをきめて、僕はターミナルに走った。
僕だって、神楽ちゃんといつまでも一緒に居られるとは思ってないけど…でも…まだ早いよ…!

僕がターミナルに着いた時には、神楽ちゃんの乗った宇宙船はもう出発する所で。
チケットも何も持っていない僕は当然止められるけど…何か理由が変じゃね!?彼女居ない歴年の数って…
残念だったな!僕はモッテモテなんだからなっ!

…ほとんど男にだけど…

係員の人達にも鼻フックデストロイヤーをきめて、なんとか神楽ちゃんの乗った宇宙船が飛び立つ前にそこに行けた。
でも…もう飛び立ちそうだよっ!
周りを見渡すと、壁には上まで梯子が掛かっていた。
アレに登れば…神楽ちゃんから見える所まで行けるっ!
必死で梯子をよじ登ると、さっきぶっ飛ばした係員の人達が僕を追ってきた。

ヤバい…

梯子を登るスピードを上げて、声の限りに神楽ちゃんの名前を呼ぶ。
まさか聞こえるとは思わなかったのに、宇宙船の窓に神楽ちゃんの顔が見えた…

「神楽ちゃんーっ!!どこいくんだァァ!」

僕が叫ぶと、神楽ちゃんが僕に手を差し伸べる…

神楽ちゃん…

僕も手を伸ばすけど、梯子の下から係員の人達が僕を捕まえる。

しまった…追いつかれた…!

なんとか振り切ろうと、体を捻って逃れようとするけど係員の人達も必死で振り切れない。

ちくしょう…ここまで来たのに…

もう1回宇宙船の方を見ると、機体が何か変だった。
…何だ…?アノ飾り…宇宙船になんかボコっとしたモノが…

って、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?アレ…えいりあん…

って、ちょっ…宇宙船がこっちに落ちてくるんですけどォォォォォォォォォォォ!?
ぶっ…ぶつかるっ!ぶつかるぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!

なんとか逃げようとしたけど、宇宙船が落ちてくるスピードには敵わなくて…
僕の目の前は、真っ白になった。



「おい…おい、坊主しっかりしろ…」

どれぐらい時間が経ったのか、僕が目を覚ますと目の前は焼け野原…いや、星海坊主さんの頭だった。

…僕…生きてる…?

きょろきょろと辺りを見回すと、そこはターミナルの端の方で…僕は坊主さんに助けられたんだ…

「有難う御座います…あの…神楽ちゃんは…?」

僕が尋ねると、坊主さんも神楽ちゃんを探しているようだった。
まだ…宇宙船に残っているのかな…?
宇宙船の方を見ると、えいりあんの間に、ちらちらとピンクが見え隠れする。

………神楽ちゃんっ!?
えいりあんと…闘ってる!

僕が慌てて立ちあがって宇宙船に駆け寄ろうとすると、坊主さんが僕の前に立ちはだかる。

「どいて下さいっ!僕…神楽ちゃんの所に行かないとっ…!」

「行ってどうする…お前みたいなひ弱な生き物が…」

「なっ…」

「俺達の生きる場所は違うと言ってんだ。これ以上神楽に関わるな。これ以上神楽を苦しめるな。」

「そんな…こと…」

「お前は夜兎を知らない。人が簡単に変われると思っているのか?」

そう言って、自分は宇宙船の方にゆっくりと歩いて行く。
ファミレスで見た時とは全然違う、獣のような瞳で…

これが…夜兎族…

怖いけど…でも…僕だって神楽ちゃんの事心配なんだ!
力じゃ全然敵わないけど…
でも、僕だって神楽ちゃんを守るんだ!!

だから、未だえいりあんと闘い続けている神楽ちゃんに向かって、僕も駆け出した。


つづく