似てる2人は、きっと仲良し



ここ最近はずっとソコで逢っていたから、今日は買い物の時に総悟さんに逢わなかったなぁ…と少し寂しく想いつつ万事屋を後にした帰り道。
自宅近くの路地で、夕方の見廻り中の総悟さんに出逢った。

「総悟さんっ!」

嬉しくなって駆け寄ると、僕を見付けた総悟さんも、にっこりと笑ってくれる。

「おー、新八くん待ってやしたぜ。」

にこにこと笑う総悟さんの手には、大江戸ストアのビニール袋…
あれ…?見廻り中じゃなかったのかな…?
でも、制服だしなぁ…

「もう仕事上がりですか?」

「イヤ、今日は遅番でさァ。この後頑張んのに、新八くんのメシ、喰わしてもらおうと思いやして。」

ニヤリと笑う顔は悪そうだけど、僕もきっと今同じ顔で笑ってると思う。

「又サボリですか?イケナイ人ですね。」

「メシ休憩でさァ。新八くんに逢ってパワーを貰いてェって男心、察しなせェ。」

一転、切なそうな表情で僕の頬に触れてこられると、心臓がドキドキと高鳴って意地を張って何でも無いフリなんか出来なくなる。

「…僕も…今日いつもの所で逢えなくって…寂しかったです…」

幸いな事に辺りには誰もいなかったんで、僕の方からぎゅうっと抱きついて総悟さんを堪能する。

やっぱり僕はこの人が凄く好きだ。
一緒に居ると幸せな気分になる。
ぴったりとくっついていると、凄く安心する。

暫くそのままでいると、総悟さんがゆるりと僕の髪を梳いてくれる。
それが又気持ち良くてうっとりとしていると、総悟さんはそっと僕の身体を離す。

総悟さんは…嫌だったのかな…?

悲しい気持ちでそっと顔を上げた先には、ほんのりとピンクに染まった顔が見えて…
総悟さんもこうしているのが幸せだ、って想ってくれてたら凄く嬉しい。

「もっと新八くんとイチャイチャしてェのは山々なんですがねィ、今日はそうそうサボっていられねェんでィ。悪ィな、俺の為にメシ、作ってくれやすか?」

そう言って、僕の手を引いて歩きだされると寂しいけど、真面目に仕事をする時はするんだなぁ…と感心してしまった。

家に着いてすぐに、台所に立って夕飯を作り始める。
総悟さんが買ってきた材料は、豚肉に野菜に豆腐…

「新八くん、俺生姜焼きが喰いてェです。後、アゲと豆腐の味噌汁!新八くんの料理はどれもすっげェ旨いけど、俺ァコレが一番好きなんでさァ!!」

「はい、任せて下さい!ちょっと待ってて下さいね?」

リクエスト通りの料理を作って卓袱台に運ぶと、総悟さんは上着を羽織ってくうくうと寝ていた。

…お仕事忙しいのかな…?
そういえば、ここ数日少ししか逢えて無かったよな…
本当はゆっくり寝かせてあげたいけど、さっきサボれないって言ってたし…

そっと、柔らかい髪を撫でて声を掛ける。

「総悟さん…ご飯…出来ましたよ?起きて下さい…?」

「…ん…」

身動ぎをして、すぐに覗く綺麗な蒼…

「美味しく出来ましたよ…?」

「ん…」

寝ぼけ眼で、ちゅう、とキスを1つくれて、もうすっかり指定席となった場所に総悟さんが座り込む。

「はい、ご飯とお味噌汁。こぼさないで下さいね?」

「…ん…」

口数が少ないのは、まだちゃんと起きてないせい。
そんな事が分かるくらいには、僕らは一緒に居るんだなぁ…とか又幸せな気分になれた。

やっとぱくぱくとご飯を食べだした総悟さんは、にこにこ笑いながらしきりに、美味い、とか俺好み、とか言ってくれる。
その言葉がやっぱり嬉しくて、この人はどこまで僕を幸せにしてくれるんだろう、なんて、頭の中だけでちょっと惚気てみた。
それがちょっと恥ずかしくて、何か話題が無いかと考えてみる。

…そう言えば…

「そう言えば、この間の休みに銀さんが街に出かけたそうなんですけど…その時どこに行っても土方さんに会ったってそりゃぁ煩くって。土方さんの嗜好って銀さんと似てるんですかね?」

「あぁ、そういやぁ土方さんもそんな事言ってやしたね…俺の行く所行く所何処でもついて来やがって…とか言ってやした。」

ご飯を食べ終わった総悟さんが、無表情でそう言ってくれる。
あんまり乗り気じゃ無いのかな…?この話…

「あの…結構気が合いそうですよね…?あの2人…」

恐る恐る僕が言うと、パチパチと目を瞬かせた総悟さんが、ニヤリと笑う。

「新八くん知らなかったんで?意外と仲良しですぜ?あの2人。」

「え!?本当ですか!?」

…喧嘩してる所しか見た事無いけど…
そう言えば、昔から喧嘩する程仲が良い、とかって言うよな…

「じゃぁ、あの2人、友達になれたりしたら良いですよね!」

「イヤイヤ、恋人だろィ。そーすりゃあ土方はもう新八くんに手ェ出そうなんざ思いやせんぜ?」

そう言ってくつくつと笑う総悟さんの顔は悪そうだ…

「…銀さんも落ち着きそうですねぇ…」

そう言ってニヤリと笑う僕の顔もきっと悪い顔になっているに違いない。

「んじゃ、照れ屋な2人の仲は俺らで取り持ってやりやしょう。」

「そうですね。ついでに山崎さんにもイイ人居ませんかね…?」

「適当に見繕っておきやす。」


うふふ…あはは…


爽やかに笑い合う僕らの腹は真っ黒だ。
でも、仕方ないじゃない。しょっちゅう幸せを邪魔されてるんだから。
如何な温厚な僕だって、いい加減にして欲しい。
銀さんには申し訳ないけど、もしかしたら銀さんも僕みたいに幸せになるかもしれないし!


全力で恋のキューピッドしたいと思います。


つづく