様子をみているのか、テロリストの言うなりに踊ったりモノマネしたりカレーを作る真選組を囮にして僕らがカレーを運んで行くと、お通ちゃんと一緒に沢山の女性達も掴まっていた。
だから僕らは真選組が何か派手な事をしている隙をついてその女性達も逃がしていたのに…途中で気付かれてしまった。
ヤバい!お通ちゃんが!!
なんとか僕達の方にテロリストが意識を向けているうちに逃げて…と思っていたら、1人の女性がお通ちゃんの方に駆け寄り、お通ちゃんを抱き上げて飛んだ。
それは、いつから紛れていたのか、女性に扮していたらしい山崎さんで…無事お通ちゃんを保護して真選組に声をかける。
え…?山崎さん…?全然気付かなかった…
なんか…カッコいいじゃん…って何考えてんだ僕!
お通ちゃんを助けてくれたから贔屓目だな。
と、一斉にバズーカを構えた真選組が遠慮なしに撃ってきた!
僕らも女性達もなんとか逃げだしていて助かったけど…ホント、チンピラ警察24時だよ!!
「近藤さんっ!」
「おー、万事屋御苦労。上手い事やってくれたな!」
「え…?」
銀さんと…打ち合わせしてたっけ…?
「なんかやるような顔してたからな!」
…それだけで僕らを信じてくれたんだ…
やっぱり凄い人なのかな…?近藤さんって…
すぐに報道陣がお通ちゃんと真選組を取り囲んで写真を撮り始める。
カメラを見た途端、銀さんと神楽ちゃんも走り出してその中に写りこもうと必死だ…
あ、沖田さんも写ってる…こっそり隣に並んだら一緒に写った写真とか新聞に載るかな…?
下心満載でそろりと沖田さんの隣に移動すると、銀さんやら神楽ちゃんやら近藤さんやら土方さんが僕に被って来る…駄目か…
「新八くぅーん!さっきお通ちゃんに頼んでサイン貰ったんだ!副長に言っといたのに自分の分しかもらって無くてさ!はい、コレ!」
山崎さんが僕にお通ちゃんのサインをくれる。
あ、又『新八君へ』って入ってる…僕の為に貰ってくれたのか…
「有難う御座います山崎さん…さっき…お通ちゃんの事助けてくれた時…カッコ良かったです…」
うん、これぐらい良いよね…?
だってお通ちゃんを助けてくれたんだし!
実際そう思ったんだし!!
「え…?え!?マジで!?」
「は…」
全開の笑顔で笑ってくれる山崎さんに僕が答えようとしたら、僕らの間を滅茶苦茶可愛い影が通り過ぎる。
お通ちゃんんんん!
「隊長さん、さっき頼まれてたサインだヨークシャテリア!」
にっこりと最上級の笑顔で沖田さんにサインを渡す。
…沖田さんも…サイン頼んでたんだ…?
でも、その割にはサインを受け取った沖田さんがみるみる赤くなって…やっぱりお通ちゃんほど可愛いコ相手だと沖田さんでも赤くなるんだ…
なんだかムカムカした気分になってしまう。
なんだよ僕は!お通ちゃんの事大好きなのに…お通ちゃんが相手なら嫉妬だなんて出来る訳無いのに…仕方ないのに…
でも…沖田さんは…沖田さんだけはトクベツで…
「もう!仕方ないなまこメッサぬるぬる!!」
あわあわしてる沖田さんからお通ちゃんがサインを奪い取って、くるりと僕に向き直る。
え…?
「はい、新二君!隊長さんからキミにだよ?コレールガンぶっ放せ!」
「え…?」
僕に渡されたサインは…
他の2人のとは違ってスペシャルで…
『愛しの新八くんへ 沖田総悟』
とお通ちゃんのメッチャ可愛らしい字で書いてあった…え…?
「お通ちゃん…コレールガンぶっ放せ…」
「いつも応援アリガト。新二君にはいつも元気貰ってるんだから!でも、最近は元気無かったでしょ?だから万事屋さんに話を聞いて私も力になりたいな、って思ったんだっふんだ。」
「お通ちゃん…」
僕が感激で泣きそうになってると、にっこりと笑ったお通ちゃんが僕の肩をぽんぽんと叩く。
「ちゃんと可愛い語尾付けなきゃ切腹だぞーさんのウンコメッサデカイ」
「えぇぇぇぇぇっ!?」
「逃げやすぜィ、新八くん!」
いつの間にか復活してた沖田さんが、僕の手を引いて走り出す。
あ…
すぐに僕らは大騒ぎの皆に追いかけられたけど…
でも、沖田さんが、僕の手を引っ張って逃げてくれてるから恐くなんかない。絶対逃げ切れる!
だから僕らは、もういちどちゃんと話をしなければいけないんだと思った。
つづく
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