天気も良くって何か良いニオイ。
地球でも、この季節には花見をするらしい。サクラを見ながらご馳走なんて、ベタだけどネ。
花見の風景
今日は万事屋を休みにして、銀ちゃん、アネゴ、定春、新八、ワタシで近くの公園に花見に来た。
お気に入りの皆と、美味しいお弁当を食べながらマッタリするだけだけど、すごくワクワクする。
楽しみで楽しみで、昨日はチョットだけ寝れなかったヨ。
いつも美味しい新八のお弁当、今日は何が入ってるカナ―?たこ様ウインナは入れてくれてるよナ―♪
銀ちゃんがビニールシートを引いてくれたキレイなサクラの下に定春と一緒に飛び込むと、ニコニコ笑いながら新八とアネゴも座り込む。新八が飲み物をついでくれて、ミンナで乾杯!早速新八のお弁当をつつこうとすると、アネゴがナニかを広げる。
…かわいそうなタマゴ…
アネゴがニコニコ笑いながら食べろと言うけど…多分、食べたら死ぬアルヨ………でも、アネゴのウシロにオニが見えるんで、なんとしても食べなきゃぁ…
ワタシが暗示をかけながらソレを食べてると、新八が食べなくてもイイとワタシのタマゴを食べてくれた。新八は優しい…
気が付いたら、ゴリが居た。まだアネゴのストーカーやってるネ…
アネゴがゴリを殴り飛ばした先に、例のムサイ集団も居た。ココ最近新八の周りをウロウロしてるアイツも当然一緒に居て、やっぱり今日も新八にカランできた………ムカツクヨ………せっかく楽しい気分だったのにダイナシヨ!
「よぉ、新八くんも花見ですかィ?折角だし、俺と一緒に酒飲みなせィ。」
アイツが、持ってたお酒を振る。
…新八はそのお酒につられるように、アイツの所へかけよる。…なんだヨ…
「沖田さん又お酒飲むつもりですか?それも何か高そうな…美味しそうな…」
「美味いに決まってまさァ、結構な銘酒らしいですからねィ。それも、新八くんと一緒に飲むんだし。」
「…アンタ又何か良からぬ事考えてんでしょ。僕はもう引っ掛かりませんからねっ!」
…なんか楽しそうアル…なんだヨ新八そんなヤツとばっかり楽しそうで…ワタシもココに居るのに…
ワタシが悲しいキモチになっているうちに、瞳孔ヤロウが場所取りだかなんだかで、銀ちゃんにからんできた。
ケンカになるか?負けないヨ?と思ってると、アイツが変なカッコウで入り込んできて、ゲームで決めようとかイイヒトぶった。
なんだヨ、新八の前だからってイイカッコしようとしてるのミエミエヨ。新八は気付いてないけどな。
対決するゲームは『叩いてかぶってジャンケンポン』とゆうらしく、ジャンケンして勝った方がピコピコハンマーで負けた相手を叩くらしい。負けた方は、ヘルメットをかぶって攻撃を防ぐとセーフなんだそうネ。
はん、ヘルメットなんて無意味ネ。ヘルメットごとハンマーでぶちぬいてやるヨ。今日がオマエのメイニチだ。
…ワタシがソウ思ってると、その想像どおりにアネゴがゴリを地獄に送った…
さすがアネゴネ。ワタシがやりたかった事、先にやっちゃったネ。ワタシもアネゴに続いてアイツを殺っちゃうネ。
「俺の相手はチャイナ娘ですかい。サッサとケリつけて楽しい花見をやらせて貰おうじゃぁねぇか。」
アイツがにくたらしい顔で宣戦布告してくる。
「それはコッチの台詞ネ!ワタシを嘗めない方がいいアル。オマエなんか瞬殺してやるヨ。2度と新八の前に現れないようにしてやるネ。まぁ、オマエなんか新八は相手にしてないけどナ!このストーカー2号!」
ワタシが言ってやると、アイツのニヤニヤ笑いが消える。
「へぇ、おめぇ俺が最近新八に会いに来てるって気付いてたんですかィ。ガキでも女のカンってやつを嘗めちゃぁいけねェな。そっちがそういうつもりなら、俺も本気でお前を潰してやるぜ?」
大口叩いてられるのも、今のうちネ。ワタシを敵にまわした事、一生後悔させてやるヨ。
何の合図もなく、イキナリゲームが始まる。
…コイツ、なかなかヤルじゃんか。ワタシのスピードについてこれるなんて。
「…じゃぁ次の…ってもう始まってるしっ!」
新八がこっちに走ってくる。
新八、コイツのストーキングに悩むのも、今日限りヨ!ワタシがコイツにインドーを渡してやるヨ!
「ちっ…チャイナ、オメェなかなかやるじゃねェか。でもなァ、新八くんは俺のモンでィ。アイツだって俺の事好きなんだぜ?見てみろィ、あの心配そうなツラ。ありゃァ俺の事が心配で堪らねェ、って顔だぜ?」
「ウソヨ。新八いつも困ってるね。そんなのオマエのモーソーネ。大体あの顔はワタシのコトが心配、って顔ヨ。オマエは、アイドルのライブで『目が合っちゃったD』とか言ってる勘違いヤロウネ!」
いつの間にかピコピコハンマーをブッ飛ばし、素手での戦闘になってた。
コッチの方がいいネ。ハンマーは邪魔ヨ。
しばらくつかみ合いのケンカをしていると、新八がジミな男とどこかへ行ってしまう!
「あ―――っ!新八ドコ行くアルカっ!ワタシたちまだ決着ついてないネ!」
「山崎ィ!おめぇ、新八を何処に連れてくつもりでィ!」
ジミーがびくりとふるえるが、新八はワタシたちのどなり声なんてまったく気にしてない。ちょっと目を細めて、ちらりとこっちを見て吐きすてる。
「沖田さんも神楽ちゃんもいい加減止めて下さいね。まだ続けるっていうなら、ピコピコハンマーでも使って喧嘩して下さい。アンタ達が本気で殴り合いなんかしたら、洒落にならないんだから。僕はどっちがケガしても知りませんからねっ?2度と口利いてあげません。」
…怒られた…ワタシは新八をつれてかれたくなかっただけなのに…
アイツが足元に転がってたピコピコハンマーを拾ってかまえたので、ワタシも拾ってかまえる。
さっさと終わらせて新八と『花見』したいのに…あのオイシイお弁当が食べたいだけなのに…なんだか皆楽しそうだ…
ぜんぶ…ぜんぶコイツのせいだ!
「いくヨ!変態ヤロウ!」
「決着つけるぜ、チャイナ!」
お互いのピコピコハンマーが、お互いの頭にヒットする。
ここからは殺し合いアル…
「はい、引き分けね。」
すぐにワタシたちのハンマーを押さえて新八が間に入った。
「もう気が済んだでしょ?神楽ちゃんも沖田さんも。もう遊ぶのは止めて、一緒にご飯食べますよ?」
新八は、ニッコリと笑ってるけど、ほっぺたに怒りマークを付けていた。
「…わかったアル…」
「…唐揚げは残ってますかィ…?」
コレ以上新八怒らせたらコワイネ…きっともうご飯作ってくれないし、遊んでもくれないヨ…
大人しくうなずいたら、新八がワタシの手を引いてビニールシートまでつれて行ってくれた。
アイツはつまらなさそうに後ろをついてきた。
それからは、楽しかった。
新八のお弁当は美味しかったし、アイツらの持ってきたお弁当も美味しかった。新八をはさんで、こっそりと闘いは続いていたけど、それもなんかちょっと楽しかった。
…しかたない、今日は新八にめんじて許してやるネ。コイツをぶっ飛ばすのはまた今度にしてやるヨ。
つづく
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