最強の女性
きょうは、しんぱちのちちうえが近藤さんの道場に出げいこに来るんで、しんぱちもいっしょにこっちに来ることになってる。
いっつもはおれが江戸に行ってるからどこにも行けないけど、きょうはおれがいろいろあんないしてあげよう!
姉上にもみらいのおよめさん、しょうかいしなくっちゃ!
たのしみだなぁ!はやくこないかなぁ…
お昼まえに近藤さんの道場に行くと、すぐにしんぱちのちちうえと門下の人たちがやってきた。
やっとしんぱちにあえるよ…あれ…?なんかいっぱいいる…
「よう、ちゃぱつ!ワタシもきてやったヨ!」
ちゃいなも来たのかよ…ここの所あそんでやってなかったからな!さみしかったのかな?
「そー君こんにちわ。僕も他りゅーはの稽古を見に来たよ!」
きゅーちゃんだ。ねっしんに稽古してるんだな!
「総悟君こんにちわ。新ちゃんだけじゃ心配だから、皆で来たのよ。」
姐さん…は来ると思ってた…
「そーくんこんにちわ!きょうもいっぱいあそぼうね?」
あ、しんぱち!!きょうもしんぱちはかわいいな!
「しんぱちぃー!いらっしゃい!!きょうはおれがこのへんあんないするよ!」
「うん!たのしみにしてきたの!」
にこにこ笑うしんぱちのてをつないで、おとなのひと達が道場に入って行ったあとについて道場に入る。
きゅーちゃんはしんけんにおれ達の道場の鍛練ほうほうを見て、たまにフムフムとかうなずいたりしてる。
「お?ちっこいのが一杯だな。」
「皆いらっしゃい。飴食べる?」
ひじかたとやまざきがおれ達によってくる。
なんだよ、おまえらジャマだよ!あ、でも、しんぱちいがいのめんどー、まかせられるかも!
よし、まずちゃいなだ!
「おいちゃいな、あのまっくろのほう、おれより強いぜ?」
なんて、うそだけどな!
ちゃいながギラリと目をかがやかせる。
「まじか!?じゃあアイツをたおせばオマエよりつよくなるネ?」
にやりと笑って、ちゃいながひじかたに飛び蹴りをする。
「お、なんだ?ちびっこ。」
「オマエをたおしてワタシが1ばんになるネ!!」
ひじかたが、遊びたいのか?とか言いながらちゃいなの蹴りをよける。へん、ちゃいなのパワーをなめるなよ!!
さて、つぎは…
「姐さん姐さん、やまざきがなんでも言うこときくって!」
「あら、そうなの?確かにパシリっぽい顔してるわね。」
姐さんがトコトコとやまざきに近付いていって、いろいろちゅうもんしてる。
にこにこ笑ったやまざきが、姐さんとどこかに行く。
…よし!
「しんぱちぃ!皆いそがしそうだから、おれ達は外にあそびにいこうぜ?」
「うん!」
しんぱちと手をつないで道場からでて、おれのうちに行こうともんにむかって歩いていくと、姉上が道場に来た。
あれ?姉上どうしたんだろ…?
おれがしんぱちをつれて、とたとたと姉上のほうにはしって行くと姉上が笑って手をふる。
「姉上、どうしたんですか?」
「近藤さんに、今日はお客さんが沢山来るからお昼御飯を作るのを手伝って欲しい、って頼まれたのよ?あら、そーちゃんお友達?」
姉上がしんぱちの前にきてしゃがむ。
「そーくんのあねうえ?こんにちわ!」
「はい、こんにちわ。あら?もしかして新八君かしら?そーちゃんがいつもお世話になってます。」
姉上がにこにこ笑ってしんぱちのあたまをなでると、しんぱちがまっかになっておれの後ろにかくれる。
「そーくんのあねうえきれいね…」
えへへ、てれてる!かわいいなぁ!
「姉上!しんぱちははぼくのみらいのおよめさんなんだ!」
おれが言うと、姉上がもっと笑ってしんぱちをだっこする。
「あら、そうなの?じゃあ私とも仲良くしてね?」
まっかになったしんぱちが、こくんとうなずく。
姉上がしんぱちのあたまをなでると、しんぱちがきゅう、とあねうえにしがみつく。
…おれの姉上なのに…しんぱちはおれにだけだきつけばいいのに…
かなしいきもちになって姉上にはしっていくと、しんぱちがほわっとした顔でおれに言う。
「そーくんのあねうえ、いいにおいする…ははうえみたい…」
おれが姉上のきもののすそにつかまってしんぱちをみあげると、しんぱちがえへへ、と笑う。
「新ちゃん!!」
声のしたほうをみると、道場からみんなが出てきた。
姐さんがおれにむかってはしってきて、げんこつする。いたい…
「もうっ!二人だけで勝手に居なくなるから、どこに行ったかって心配したじゃない!」
姐さんなきそうだ…しんぱいかけちゃった…
「そー君、僕と稽古しようよ!新しい稽古、ためしたいんだ!」
きゅーちゃんの目がキラキラしてる。なにかつかんだのかよ!?
「ちゃぱつー!とっしーはおもしろいアル!ワタシきにいったヨ!!」
「とっしー言うな!」
ちゃいなはひじかたにだっこされてごきげんだ。
よし、ちゃいなはじゃましなくなったぞ!!
でも、ひじかたはうわさの『ろりこん』ってやつだったんだ…きもい……
「総悟君びっくりしたよ!お茶淹れて戻ったら2人とも居ないんだもん!!」
やまざきなんでなきそうなんだ?
すこしのあいだでげっそりしてる…やるな!姐さん!!
「あの…どちら様ですか…?」
しんぱちをだっこしてる姉上をみて、姐さんがけーかいする。
「あら、皆そーちゃんのお友達?私は姉の沖田ミツバです。よろしくね?」
姉上がしんぱちをだっこしたまま、みんなのあたまをなでる。
「そ−ちゃんのお友達がこんなにいっぱい来てくれて嬉しいわ!おいしいお昼御飯作らなきゃね!
姉上うれしそう…あれ?なんでみんなかお赤いんだ…?
おれがくびをかしげてると、きゅーちゃんがおれのとなりに来て、みみうちする。
「そー君、そー君の姉上はきれいで優しくていいにおいがするね!母上、って、こんな感じなのかな…?」
えへへっ、とはずかしそうに笑ってる。
そうか、そういえばみんな、ははうえがいないんだった…おれもいないけど、おれには姉上がいるもんな…
しかたないな!きょう1にちだけはおれの姉上はみんなにかしてやるよ!
それからみんなで、お昼ごはんをつくる姉上のお手伝いをした。
あやうくりょうりがまっかになるところだったけど、ひじかたとやまざきがなんとかそししてくれた。
たすかったー…たまには役にたつな!
お昼ごはんをたべおわって、あそびに行こうとおもってたのに、みんな姉上のまわりをうろうろしててあそびに行かない。
…ちぇっ……
「ミツバお姉さん!私、後片付けお手伝いします!!」
「あらお妙ちゃん、有難う。」
「ぼっ…僕もお手伝いします!!」
「九ちゃんもお手伝いしてくれるの?嬉しいわ。」
姐さんときゅーちゃんが、姉上のおてつだいをするのに台所についていくと、しんぱちとちゃいながじーっと見てる。
「しんぱちぃー!あそびにいこうよ!」
「ぼく、みつばおねえさんとあそぶ。」
「そんなぁ…しんぱちぃ…」
おれがしょんぼりすると、しんぱちがナデナデとあたまをなでてくれる。
「ごめんねそーくん。でもね、ぼくね…」
あ…しんぱちなきそう…!
おれ、しんぱちがなくのはやだよぅ!!
「しっ…しんぱちぃ!姉上とあそぼ?かたずけおわったら、おれ、つれてくるから!」
おれがあわててゆうと、しんぱちが笑ってくれた。
かたずけおわった姉上をおれがつれてくると、みんなすっごくうれしそうだった。
おてだまとかおはじきとか、おんなのこのあそびばっかりだけど、みんなすごくうれしそうで、たのしそうだからおれもつきあった。
ちょっとはなれて、みんながあそんでるのを見てたおれのとなりにしんぱちがやってきて、
「そーくんありがと…」
といって手をつないで、ほっぺにちゅうをしてくれた!
みんながすごいかおでにらんだけど、姉上がいたから何もされなかった。
…こわいから、これからはいつも姉上といっしょにしんぱちにあいに行こうかな、とおもった。
END
未完太郎さまに相互リンク記念で送り付けた仔沖仔新小説。
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