咲けよ花々
いつもの如く、今日も万事屋に仕事は無い。
でも、僕は朝から大忙しだ。
まずは万事屋に出勤してすぐに、駄目な大人と可愛い妹を起こさなければいけない。
「銀さーん!朝ですよー、起きて下さーい!!」
適当に和室に声を掛けて、すぐに神楽ちゃんの部屋に行く。
神楽ちゃんは女の子だからね!コンコン、と押入れをノックして、そっと声を掛ける。
「神楽ちゃーん、朝だよ起きて?ご飯作るよー?」
僕がそう言うと、ガラリと押入れの扉が開いて、まだ眠そうに目を擦りながらも神楽ちゃんが顔を出す。
あーあ、寝癖凄いよ…
「おはよう、神楽ちゃん。」
「新八ぃ…おはようネ…」
寝癖を撫でつけてあげると気持ち良さそうに目を細める。
まだまだ子供だなぁ…可愛い!
「早く顔洗ってきちゃってね?あんまり遅いと僕が全部作っちゃうよ?」
くすくす笑ってそう言うと、焦った顔をしてバタバタと走り出す。
「すぐ洗ってくるアル!ちょっと待つヨロシ!!」
「はーい。」
最近料理に目覚めたのか、神楽ちゃんは僕のお手伝いをしてくれるようになった。
…女の子だしね、好きな男の子でも出来たのかな…?
イヤイヤイヤ!
神楽ちゃんはまだ小さいし!!
万が一そうでも、憧れとかそんな程度だからね!!絶対!!
畜生、変な奴だったら僕がボッコボコにしてやんよ!
…銀さんも居るしね!あの人ああ見えても神楽ちゃんはメロメロに可愛がってるし、生半可な奴じゃ許さないよ!
イヤ、どんな好青年だって許さないけど。
僕がそんな事考えながらゆっくりと台所に行くと、大急ぎで顔を洗ってきたのか神楽ちゃんがまだ顔を濡らしたまま走ってくる。
「もう神楽ちゃんってば…ちゃんと待っててあげるから顔を拭いて?」
「新八が拭くヨロシ。」
そう言って目を瞑って待ってるんで、走ってタオルを取ってきて顔を拭いてあげると凄く気持ち良さそうだ。
僕にだけはこんな風に甘えてくれるのが、凄く嬉しい。
なんだかんだ言っても、神楽ちゃんは僕の事頼ってくれてるんだよね!
お兄ちゃん…とか思われてたりして!!照れる!!!
「新八ぃ…まだ作らないアルか?ワタシもうお腹ぺっこぺこネ!」
「あ…ごめんごめん!じゃ、作ろうか。」
「おう!新八エプロンするヨロシ!!」
2人で選んで100均で買った、神楽ちゃん用のウサギの絵の付いたピンクのエプロンを後ろでリボンに結んであげると、満足そうに背筋を伸ばす。
今日の朝ご飯は卵焼きと焼き魚とお味噌汁。
神楽ちゃんが卵を割ってかき混ぜている間に、僕が魚を焼いてお味噌汁を作る。
「出来たアル!」
そう言って綺麗にといた卵を誇らしげに差し出されると、可愛くてしゃーない。
「上手になったね神楽ちゃん。」
初めは卵が半分以下に減ってたんだけどね…
頭を撫でてあげると、神楽ちゃんが嬉しそうに頬を染める。
「神楽様にかかればこんなのオチャノコサイサイヨ!」
僕が卵を焼いている間、神楽ちゃんが魚をひっくり返して焼いてくれる。
そうして朝ご飯の用意が出来て居間に運ぶ頃、やっと銀さんが起きてくる。
「「いただきます!」」
2人がご飯を食べている間に洗濯機を回していると、2人分の食器を神楽ちゃんが台所に運んできてくれる。
それを2人で洗って、洗濯物を干して掃除をしていたら、もう昼ご飯の時間で…
あぁ!ホントに忙しい!!
昼ご飯は3人で食べて、お茶を飲んでまったりしているともうタイムセールの時間で。
神楽ちゃんと一緒に大江戸ストアに行って、晩ご飯のおかずをゲットする。
今日は少しだけだけど鶏肉が手に入ったから…親子丼にしようかな!
「新八ぃー!酢昆布買って…」
「はい、今日もいっぱいお手伝いしてくれたからちゃんと買って有るよ?」
「キャホー!新八ダイスキアルー!」
僕が買い物袋の中から酢昆布を出してあげると、神楽ちゃんが走り出す。
そんなに慌てなくっても酢昆布は逃げないよ…
僕が外で食べると行儀悪いよ、って注意してから、神楽ちゃんはちゃんと家に帰ってから酢昆布を食べるようになったんだ。
…まぁ…僕が見て無い所ではどうか知らないけど…
ふふっ、と笑いながら大江戸ストアを出ると、すぐ横でパチンと何かが割れる音がする。
あ…今日も居る…最近よく会うなぁ…
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