ぼく達にはまいとしサンタさんが来るのに、おとおさんとおかあさんにはサンタさんが来なくてかわいそうです。
だから、ことしはさくらちゃんといっしょにおこづかいをためて、おとおさんとおかあさんにプレゼントをあげようとおもいました。
沖田家のクリスマス
もうすぐクリスマスがやってきます。
けいかくどおりに、ぼくとさくらちゃんはおこづかいをぶたさんのちょ金箱にためました。
きょうはふたりにないしょで、さくらちゃんとプレゼントを買いに町にでかけるよていです。
「さくらちゃん、ちゃんと分かってるよね?おとおさんとおかあさんのプレゼント、なにが良いかな…?」
「忘れるわけねーじゃねぇか!おやじと新八、よろこぶぜ!ぜったい!!」
「そうだね、よろこんでくれるといいね!!」
えへへ、と笑ってさくらちゃんがぶたさんのちょ金箱をたかく上にあげる…って、きゃーっ!?
「さくらちゃんっ!わらなくてもお金出せるよっ!!」
「え?そうなんで…?なーんだ。」
ぼくがぶたさんのおなかにある黒いフタをとってお金を出すと…えーと…そこには500えんもはいってた!
「すごい!500えんもはいってる!!」
「がんばってちょ金したからねぃ!こりゃぁいっぱい買えちゃうぜ、なにが良いかな?」
「そうだね!ふたりをビックリさせようね!」
おさいふに500えんをつめて、無くさないようにぼくが首からかける。
コートをきててぶくろをはめてマフラーもまいて、あったかくして、おかあさんにはあそびにいってきます、って言ってふたりで手をつないでかいものに出かける。
さいしょはおかあさんのプレゼントをみにいこう!
「いつもはかっぽうぎだから、エプロンとかどうで?」
「すごい!さくらちゃんさえてる!!」
「新八のプレゼントはずっとかんがえてたんでぃ!」
さくらちゃんはやっぱりすごいな!
エプロンならいつも使ってくれるもの。
しょうてんがいのようふく屋さんをみにいくと、きれいなエプロンがいっぱいあった。
でも…
「…エプロンたけぇな…」
「…そうだね、500えんじゃおとおさんのプレゼント、買えなくなっちゃう…」
おとおさんにはネクタイとかいいな、とかちょっとおもってたからいっしょにみたら、ネクタイはもっとたかかった。
「どうしようか…」
「ほかになんかさがそうぜ…」
ようふく屋さんはあきらめて、手をつないでべつのお店をさがしにいく。
でも、どこも良いものはみつからない。
しょんぼりしたまましょうてんがいを歩いていると、とおくからやまざきさんが走ってきた。
「風樹君、桜ちゃん、どうしたの?今日は二人だけでお買い物?新八君は一緒じゃないの?」
「…きょうはぼく達だけです…」
「いっつもいっしょとおもってんじゃねぇや…こどもじゃねぇんだぜ…」
「イヤイヤイヤ、まだ子供だからね!?君ら!ってか元気無いね、どうしたの?」
やまざきさんがしゃがみこんでぼく達をのぞきこんでくる。
…おとなの人だったらどこか安いところ知ってるかな…?
「クリスマスのプレゼント…おとおさんとおかあさんに買おうとおもってきたのに…」
「どこもボってんでぃ!たかくてかえねぇや!!」
ぼく達がそういうと、やまざきさんがにっこり笑う。
「二人の予算はいくらなの?」
「「500えん!」」
じしんまんまんでいったのに、やまざきさんは顔がひきつった。
「そっか…500円か…子供のお小遣いならそれぐらいだよね…」
「すごいたい金なんだぜ!」
「いっようけんめいちょ金したのに…」
「そうだよね…あ!100均は行ったの?」
「あ!」
「いってない…!」
100えんショップなら、いろいろあるかも!
ぼくとさくらちゃんとやまざきさんと3にんで100えんショップにいくと、やっぱりいろんなものがたくさんあった!
さっそくエプロンをみてみると、いっぱいあったけどあんまりきれいじゃない…
ネクタイもみたけど、かっこよくないよ…
「エプロンは、またこんどにしようか…」
「ネクタイも、もっとおっきくなってからにしようぜぃ…」
すごくいい考えだとおもったのに…
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