うるとらハニー



今日も1日御苦労さん。
仕事もしっかり終わらせたんで、俺は美味い飯にありつく為に、新八の家へと急ぐ。
いっつもなんだかんだ言って喰わせてくれるんだよな〜、晩飯。
俺ァ愛されてるねぇ。

さーて、今日は何喰わしてくれるかねぇ。

ウキウキと恒道館道場に向かうと、キッチリと門が閉められてるんで壁を乗り越えて入り込む。
ちっ…玄関の鍵まで閉めてやがる…
こないだ作った合いカギを使って家に入ると、居間に新八の姿はねぇ。

「新八ィー?」

新八の自室を開けてみても、新八は居ねェ。
しっかし、いつ見ても萎える部屋でさァ…こんなに寺門さんに見られてちゃぁ、きっすのひとつも出来やしねぇ…

「新八ィー?」

かわやを覗いてみても、居ねェ…

「新八ィー?」

脱衣所を覗いてみると…あぁ、風呂か。
着物がちゃんとたたまれて、籠に入ってら。
折角だから、俺もひとっ風呂浴びるとするか。

バサバサと服を脱いで、綺麗に洗われてたたまれているタオルを1枚拝借して肩に掛ける。
ガラリと浴槽に通じる戸を開けると、むわっと湯気が流れてくる。

「新八ィ、こんな時間から風呂…」

湯気が晴れた先には、真っ白い、華奢な身体が1つ…
あれ…?姐さんだったか…?
ヤベ、近藤さんに殺されらァ…ってか姐さん着ヤセにも程があらァ。
結構乳デカイじゃねぇか…
俺が呆然と固まってると、髪を洗ってた姐さんが、顔を上げる…
ヤベ、近藤さんより先に姐さんに殺される…すまねぇ新八…先立つ不幸を…

「…沖田…さ…ん…?」

相手も固まる。
その声は…新八…?

「新八…?」

「きゃーっ!?」

まるで女みたいな叫び声をあげて、新八が湯舟に飛び込む。
あれ…?今…ちんこ無かった…?
俺が仁王立ちのまま固まってると、真っ赤になった新八がくるりと後ろを向く。

「おっ…沖田さん…前…隠して下さいぃぃぃぃぃぃぃ…」

「新八ィ…?オメェ…何の病でィ…?」

なんとか脳味噌が戻ってきた俺が、ズカズカと中に入って、湯舟に隠れる新八をぐるりと回して振り向かせる。
…やっぱり乳が有る…作り物か…?
慌てて手で隠そうとするのより早く、ぐいっと乳を掴む。

「やっ…痛いっ…!」

…本物か…?コレァ本物なのか…?
やわやわと揉むと、真っ赤になった新八が、俺の手首を掴む。

「やぁっ…止めて…下さいっ…」

「あ…悪ィ…」

あ、しまった、手ェ離しちまった。
も少しあのやわっけぇの触っときゃ良かった…

「とりあえず…出て行ってくれませんか…?後でちゃんと説明しますから…あの…ホント目のやり場に困るんですけど…」

あ、ヤベ、勃っちまった…

「イヤ、折角だし。このままじゃ寒ィし。」

俺がよっこいしょ、と湯舟の中に入ると、ギョッとした新八が叫ぶ。

「なっ…なっ…何するんですかァァァァァァァッ!?」

「イヤ、寒ィから湯舟に浸かって温まろうかと。」

俺が頭にタオルを乗せて、ふぃーっ、と沈むと、複雑な顔をした新八も、隣で沈む。

「んで?新八ァ女なのかィ?」

前を向いたまま俺が言うと、沈んだままの新八がもそもそと答える。

「…男に見えますか…?」

ちらり、と見ても、やっぱり変わんねぇ…

「イヤ、見えねェなぁ。おっぱい有るし、ちんこも無ェし。あ、元男…」

「違いますっ!元から女ですっ!!」

立ち上がって叫んだ後、又ぶくぶくと湯に潜る。

「…何でまた男のフリなんざしてんでィ。良いじゃねぇか、美人姉妹ー!とか宣伝した方が流行るんじゃねぇか?この道場。ってーか、姐さんが男装した方が良いんじゃねェか?強ェし、乳もバレねェんじゃ…」

俺がちらりと新八の乳を見て言うと、新八が慌てて手で隠す。

「姉上に聞かれたら殺されますよっ!?ってか見ないで下さいっ!」

「何でィ、ケチ。良いじゃねェか、減るもんじゃあんめーし。」

「…むしろ減って欲しいですよ…」

新八が、はぁ、と溜息をつく。
女顔だと思ってはいましたがねェ…
そりゃぁ、可愛い筈でィ…ほんのり頬染めやがって…襲うぞ、コラ。