「おめでと―♪」

女子の皆が何でか僕にお祝いを言ってくる…何が…?

「えっ!?今日誰か誕生日…?僕じゃないよ?」

僕が不思議に思って聞いてみると、ニヤリ、と笑われる。

「も―、皆知ってるよ?志村君、沖田君と付き合ってるんでしょ?」

ぼふんっ!!!

かっ…顔が爆発したかと思ったっ!!
何でみんな知って…!?
僕がキョロキョロと周りを見渡すと、にやぁり、と笑った花子さんと目が合う。

いっ…言いふらしたぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?アノ人皆に言いふらしたぁぁぁぁぁぁぁっ!!

僕が赤くなって花子さんを睨むと、

「すまんすまん。」

とか言ってるよっ!?文句言わなきゃっ!!
花子さんの方に向かって踏み出そうとすると、隣に居た総悟君が僕の肩に腕を回す。

「いやぁ、ばれちまったらしょうがねぇ。新八は俺のなんで、皆手を出さねぇように。」

とか言いやがったぁぁぁぁぁぁっ!?ちょっとぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?

女子の皆がキャ―!とか言って、オキシン?シンオキ?とか訳判らない呪文を叫んでる…何が…?

僕が更に赤くなって涙目で総悟君を睨むと、男子の半分が、うっ、と言って教室の外に駆けだして行った。
あ―…皆ごめん…気持ち悪いよね………

「もぉっ!ちょっと総悟君何してんだよアンタっ!男子の皆が気色悪がって教室出て行っちゃったじゃんっ!」

僕が怒ると、総悟君が呆れたような顔で僕を見る。
何かムカツクなぁ!

「イヤ、アレは新八狙いのヤツらだろ。振られたショックで泣きに行ったんでィ。」

「はぁ!?何馬鹿な事言ってんだよっ!もぅアンタ、僕の半径1m以内に入らないで下さいっ!」

「新八ィ、それはいけねぇや。アンタじゃなくて、アナタだろィ?あ、ダーリンでも良いぜ?」

総悟君が飄々と僕に言って、女子の皆にはオキシンでィ、とか言ってる。
何の呪文なんだよ、ソレ…

「だぁ―っ!うるさいっ!とにかく離れてよっ!僕、そう言う節度の無い人嫌いです、沖田さん。」

僕が冷たく言い放つと、総悟君がぎゅ―っと抱きついてくる。
ちょっとぉっ!?

「そんな事言わねぇで下せぇ―!節度持ちやすから―!」

ずるいよ…そんな下からうるうるした目で見つめられると、許さなきゃいけないじゃん…

「分かりましたから、離れて下さい。」

僕が溜息をつきながら言うと、ちゃっ、と離れる。
まったく…


「既に尻に敷かれとるんやね、沖田はん…」

花子さんがニヤニヤ笑いながら言うと、皆が笑う。
しっ…尻になんか敷いてないよっ…

「そんな事ありやせん―、俺は亭主関白でさぁ!これは俺の寛大な優しさでィ。」

僕らが赤くなってると、女子の皆がかぁ―わぁ―うぃ―うぃ―、とか言ってる…
もぅ…良いおもちゃだよ…

でも、良かった…皆お祝いしてくれるなんて…
男子の皆には引かれたけど…そのうち分かってくれる…よね…

「お〜っ、皆席に着け〜」

坂田先生が、今日もダルそうに教室に入ってくる。

さて、新学期の始まりだ!
何か新しい事でも有ると良いなぁ…
有ると面白いよね!

「は〜い、皆落ち着け〜?なんとこのクラスに転入生が来ま〜す。それも男女1人ずつ!更に外国帰りで〜す。」

うわっ、早速新しい事有ったよ…
あれ?でも海外帰りって…九兵衛さん…?

「じゃぁ2人とも入ってきて〜」

坂田先生が呼ぶと、カラリ、と教卓側のドアが開く。
…あ、思った通り九兵衛さ…ん…?
って、何で学ランんんんんん!?
その後ろからは、長髪で糸目の男の人が入ってくる。
…この人も年上の人…かな…

「ちょっと東城く〜ん、君ここのクラスじゃないでしょうが。さっさと戻って〜?」

「先生!私は若のお目付け役なんですよ?何で別のクラスなんですか!?おかしいでしょう!!」

「そんな事知りませ〜ん。はいはい戻って〜」

坂田先生が東城さん(?)を教室からつまみだす。
外からはガンガンとドアを叩く音と、わぁ〜かぁ〜!と言う叫び声が聞こえる。
その声を聞いていた九兵衛さんが、顔を赤くしてつかつかとドアに近付いてボソリと何かつぶやくと、外が静かになった。

…九兵衛さんも大変だなぁ…