反撃の狼煙は今上がった!
きょうは江戸に行くけど、しんぱちのトコには行かないんだ。
九ちゃんとおれがなかよくなったから、近藤さんの道場がやぎゅうの道場にしょうたいされたんだ!
道場のやつら、みんなはりきっておかしいの!
えりーとには負けないぜ!なんて言ってるけどぜったいアイツらみんなビビってるぜ?
おれは、九ちゃんともう1かい闘えるのはうれしい!こないだもいい勝負だったしな!
強いヤツと闘うのはすごくたのしいからな。きょうも負けないぜ!!
おれたちが、いきよーよーと九ちゃんの道場に行くと、そこはものすごく大きくて…家だけでもどんだけあるんだよ…ここ…
近藤さんは、門をくぐってどんどん行くけど、やっぱりみんなビビってやがる。
あるく早さがゆっくりになって、キョロキョロとまわりを見てる。
おれは近藤さんについて、スタスタ行くけど、アイツらはぐれるんじゃないかなぁ…
なんとか家のげんかんについて近藤さんがこえをかけると、ちっちゃいおっさんがふたりと九ちゃんが来た。
近藤さんがちっちゃいおっさんたちとはなしてると、九ちゃんがおれのほうにはしってくる。
「そー君こんにちわ。又闘えてうれしいよ。」
「九ちゃん、おれ来たぜ!こんども負けないからな!」
「僕だって負けないよ!」
ふたりでニヤリとわらいあってると、みんなが道場にいどうする。
なんで、おれたちも道場にむかった。
九ちゃんの道場は、家に負けないくらい大きくてりっぱな道場だった。
すごい…こんな大きな道場はじめて見た…
ちょっとドキドキしながらよういをすると、九ちゃんの道場のもんかせいもよういをして道場に入ってきた。
りょうほうのもんかせいたちが打ち合いをしてるんで、おれと九ちゃんも横のほうで打ち合いをする。
「今日こそ勝って、しんぱち君をおよめさんにする!」
「しんぱちは、おれのおよめさんだ!」
しぜんと力がはいって、はげしい打ち合いになる。
いつもとちがってきょうはみんなといっしょの打ち合いだ。ちょっとせまいトコだから、おたがい突きばっかりになった。
九ちゃんがおれの速い突きを避けて、おれも九ちゃんの素早い突きを避ける。
やっぱり九ちゃんは強い。
でも、そうじゃなきゃやりがいがないぜ!
おれも九ちゃんもだいぶつかれてきて、ちょっとした隙がではじめる。
九ちゃんのふいを突いた攻撃をギリギリでかわして、ぎゃくにそのすきを突いてだした攻撃が、うまく決まった。
九ちゃんが竹刀をおとして、カラン、というおとがする。
「…やっぱりそー君は強いな…」
「九ちゃんも強いよ。でも、しんぱちはわたせないから。」
おれたちがにっこりわらいあうと、道場がしずかになる。
あ…練習おわりだ…
「それではこれより模範試合を…」
ちっちゃいおっさんが声をかけると、道場のそとからおおきな声がきこえる。
「そーくんのばかっ!」
…しんぱち…?
おれがあわててそとを見ると、おっきな目にいっぱいなみだをうかべたしんぱちが、道場の入口にいた。
はしってそこに行ったら、しんぱちがボロボロなみだをながしてないた。
おれ…なにかした…?
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