いよいようららさんと会う約束の日、なんで僕は公園の茂みの中でこっそり沖田さんとうららさんが会ってる所を覗いているのでしょうか…?

「銀さんっ!コレは一体どういう事ですかっ!?」

「あ〜?だってオマエ、相手は沖田君を新八君だと思ってるだろうが…」

銀さんがもっともらしい事並べ立てるけど…
この人本当は僕の事嫌いなんじゃね…?
僕がもっと詰め寄ろうかと意気込むと、銀さんの所に沖田さんから通信が入る。
そっか…銀さんが沖田さんに頼んだのか…

「沖田さんすみません…良いんですか…?」

僕が申し訳なく思って沖田さんに謝ると、優しい声でまた通信が入る。

「旦那には色々借りが有りますからねェ…それに近藤さんの提言で…」

沖田さんによると、新しく局中法度が増えたそうで…それで良いのか…?真選組…
ってか…初めて沖田さんが僕の名前…呼んでくれた…
何でだろ…それだけで…顔がにやける…
やっぱり眼鏡、なんて呼ばれるのは嫌だったからなぁ…

…それにしても…
沖田さんとうららさんが並んでると…美男美女で…絵になるなぁ…
…沖田さんも、うららさんが可愛いから…満更じゃないよね…きっと…なんか…凄くお似合い…
この後僕なんかが出ていったって…

「新八君、聞いてやすか?」

「え!?はい…ってか、そんな決まり…守らなくても…」

「俺ァ別に構いやせんぜ?むしろ新八君に優しくすんのは嫌じゃねェよ?」

「…えっ…?」

それって…どういう…
うわっ!どうしよう…顔に熱がものっ凄く集まってくる…
凄く…嬉しい…どうしよう…どうしよう…

「どうした新八〜?なに真っ赤に…」

「…しんぱち…?今、しんぱちって…」

銀さんが僕の名前を呼ぶと、聞き覚えのない女の子の声がする。
僕らが振り向くと、眼鏡をかけた、見た事が無い女の子が立ってた。
話を聞いてみると、その女性は迷子になったっていううららさんのお姉さんで、僕が本当の『志村新八』だとばれてしまった。



場所を少し移動して、とりあえず土下座した。
誠心誠意謝れば、きっと分かって貰えるよ!!
ペコペコと頭を下げ続けると、お姉さんも分かってくれて、許してくれた。
その上何故かお姉さんも協力してくれるって事になって、沖田さんに計画変更の通信を送ると、こっちに向かって来てるみたいだった。

「沖田さんは警察の人ですし、とっても優しい人なんです。ちゃんとうららさんを案内してくれてるみたいですから、安心して下さいね?」

お姉さんに話を振ると、少し微笑んでくれる。

「あの、ほんとに優しい人なんですっ!カッコ良いし、しっかりしてる所も有るんですよ…笑うと可愛くって、それに…それに…」

僕が並べ立てると、お姉さんがクスリと笑う。

「…新八さんは沖田さんの事が凄く好きなんですね…」

「へぁっ…!?」

えっ…!?すっ…すっ…すっ…好き…っ!?………なのかな………
えっ…でも…でも沖田さんは男の人だし…

「良いお友達なんですね、羨ましいです…」

とっ…友達…?

あっ…あ…!そっ…そうだよねっ!友達友達っ!
何考えてたんだ僕っ!
なんだか気まずくて往来を覗くと、じゃらりじゃらりとうららさんを鎖で繋いだ沖田さんが、こっちに近付いてくる…

…えっ…?えすこーと………?



なんじゃそりゃ―――――っ!?
何それエスコート!?ドSコートじゃねーかっ!?

あまりの事に呆然としながら、それでも大分距離を取ってふらふらと2人の後に着いて行くと、言ってる事だけは普通にデートみたい…
でも違うから!鎖付いてるからねっ!!
暫く行くと、猫の餌場に着いて…ってそれレストランとかじゃないからっ!!
もうのんびりしてられなくて、僕が沖田さんを倒すべく駆け寄ると、うららさんに蹴り倒されてしまった…
…僕はどんだけ弱いんだよ…
倒れ行く景色に、心配そうな沖田さんの表情が映る…そんな顔…しないで…

その後、ここぞとばかり銀さんとお姉さんが小芝居するけど、うららさんは全く意に介さない。
銀さんが沖田さんに詰め寄ると、落ち込んだお姉さんが泣きながら走り去ってしまった…
泣いて…た…
何かを考える前に、僕の体は動きだしていた。
お姉さんを追いかけて、駆け出していた。





新八には悪いけど〜、全部計画通り。
まさか沖田君があそこまで調教しちゃうとは思わなかったけどね〜?

わたわたと挙動不審になった沖田君が、慌てて新八を追いかける。
うららちゃん?が匂いを辿ってまず車を確保した。
意外と使えるな…アレ…
マヨラーとゴリに会ったからか、冷静な振りしてっけど、沖田君相当焦ってるよな〜…若い若い。

でもね、新八は渡さないよ?
当然、マヨラーにもゴリにも。
新ちゃんは、俺のだからね〜

なんだかんだでビルの屋上で見付けたお姉ちゃんを、俺がカッコ良く助けてやった。
新八、バッチリ見てたよね〜?
後のフォロ〜もばっちりだし、コレは惚れたでしょ、完璧に。

さぁ新ちゃん、いつでも俺の胸に飛び込んでおいで〜





銀髪に美味しいトコロは持っていかれたけれど、家に帰ると言う姉妹を俺達は駅まで送って行った。
なんだかんだ言っても、やっぱり新八の恋は上手くいかなかったみたいで、友達ですよね!とか言われていやがった。
まぁ、計画通りっちゃぁ計画通りだ。
眼鏡の方の女に何か囁かれて、真っ赤になった新八は可愛いったらねぇや。
堪らねぇ…

明日にでも慰めに行くとするか…

俺はいつでも両手を広げて待ってるぜ?
飛び込んで来い、新八!