日本酒近藤さん
買い物に行こうと大江戸ストアに向かっている途中、通りがかった団子屋のベンチにここ最近よく逢うようになったムカツクアイマスクがポツリ。
ちょっと近寄りがたい綺麗な容姿とはうらはらに、話してみるとかなり話し易くて面白い人で。
その上サディスティック星の王子様、と異名を持っている割には優しくて。
笑うと可愛くって、子供みたいだと思ったら急に大人になったり…
そんな姿を見ていたら、同性だというのに僕はその人を好きになってしまった。恋愛的な意味で。
だから、今日も逢えた事が嬉しくて、自然と足はその人に向かってしまう。
仕事の邪魔になってしまうかも…とは思うけど、団子屋のベンチでアイマスクを着けて昼寝するような仕事なんて無いだろうから気にしない。
そーっとその人の前に立つと、スースーと寝息が聞こえてくる。
…寝顔…見てみたいな…
「…沖田さん…?寝てますか…?」
そう聞こえるか聞こえないかの声で話しかけても沖田さんは寝たままだから、そーっと綺麗な髪の毛に手を伸ばしてみると、止められる事は無くサラリとしたソレに触れる事が出来た!
凄く手触りの良いソレをつい撫でてしまうと、起こしてしまったのか沖田さんがもぞもぞと動き出す。
だから僕は、慌てて手を離して肩から掛けていたエコバックをぎゅうっと握った。
「…んー…おぅ、新八くんですかィ…」
「あっ…はい!」
アイマスクを外す前に僕だって分かるなんて、やっぱり沖田さんは凄い!
無造作に外されたアイマスクの下から現れた綺麗な蒼に、僕の心臓はドキリと跳ねる。
ソレにじーっと見つめられると、顔が赤くなってしまって非常に困るけど、でもソレは凄く嬉しい事で。
「起しちゃいましたね…すみません…」
なんとなく落ち着かなくて謝ると、その綺麗な蒼が細められる。
「いや…いい…新八くん待ってたから…」
そんな事を言われると僕の心臓は暴走を始めてしまう!
顔だって真っ赤になって、勘の良い沖田さんに僕の気持ちがバレてしまうんじゃないかって、気が気じゃ無い。
「ぼっ…僕に何か用事ですかっ!?」
「おう、今晩真選組で飲み会やるんでさァ。前に新八くん酒呑んでみたいって言ってただろ?来ねェ?」
にこりと笑ってそんなお誘い…僕が言った事覚えてくれてたんだ…
夢じゃないかってほっぺたをツネると、反対側のほっぺたを沖田さんが摘んで引っ張ってくる。
「ひたたたたっ!」
「夢なんかじゃねェよ?」
僕が、ほっぺたを摘んで引っ張る手を叩き落とすと、ワザと痛そうにその手を擦る。
「勿論、来るだろィ?」
「はい!あ…でも僕お金…」
「んなモンアンタからは取らねェ。1人ぐらい混じってたって酔っ払い連中には判んねェよ。」
ニヤリ、と笑う顔は悪戯っ子の顔で。
思わずこっちまで悪い気分になってくる。
「じゃぁ、お邪魔します。」
僕もニヤリと笑うと沖田さんが僕の頭を撫でる。
わ…気持ちい良い…
「んじゃ、19時に屯所に来なせェ。俺が直々に迎えに出ててやらァ。」
そう言って立ち上がった沖田さんは、スタスタと歩いて行ってしまう…
もう少し話したかったな…
「どうしたんでィ新八くん。買い物行くんだろ?」
行ってしまったと思っていた沖田さんが、少し先で振り返って、僕に手を差し伸べてくれている。
…あぁ…この人はやっぱり優しい…
そんな事をされたら、僕は期待してしまう。
僕とは違う意味だったとしても、僕の事を好きでいてくれるんじゃないかって…
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